フランスから―環境とアートのブログ

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・アクチュアリティ
パリ銃撃テロ事件、イスラム社会の抗議(3)

パリ銃撃テロ事件、イスラム社会の抗議(3)

 「I love Muhammad」 中央アフリカのニジェールで、預言者ムハンマドが「私はシャルリ」と書いた紙を持った風刺画を表紙にしたシャルリ・エブドの発行に激怒した暴徒が1月16日金曜日、ジンデーと翌日土曜は首都のニアミーで破壊的なデモを行い、45のキリスト教教会を焼き討ちした。警察当局によると、ホテル5軒、飲料水水源36箇所、孤児院一軒、キリスト教の学校一校が荒らされたという。また当局は、「ニアミーのアンチ・シャルリ・デモの際、フランスの国旗も焼かれた」と伝えた。 16日発刊のシャルリ・エブドに抗議しデモや焼き討ちなどの抗議行動を起こした国は、トルコ、チェチェン、イラン、アフガニスタン、パキスタン、アルジェリア、モーリタニア、ニジェール、ナイジェリア、セネガル、エジプト、マリ、スーダン、イエメン、カター、ヨルダン、バーレン、パレスチナ、フィリピン。オランド大統領の写真を焼いた国もある。
パリ銃撃テロ事件の明暗(2)

パリ銃撃テロ事件の明暗(2)

歴史の瞬間 1.11はヨーロッパやアフリカから約60人にも上る首脳や高官がパリの追悼平和デモ行進に参加するという、1944年パリ解放以来の歴史的な日となった。   外交プロトコルで並ぶ順番が決まっていたデモの列に、突然サルコジ前大統領が最前列へ。本当ならマニュエル・ヴァルスの後ろの列にいなければならなかったはず。 物議をかもし出したサルコジ前大統領の姿はあっという間にネット上で話題になり、Je suis Charlie(私はシャルリ)をもじっていつでもどこでもでてきてしまう(?)Je-suis-nico(私はニコ)というサイトまで出現した。 写真(下):女性雑誌マリー・クレールから イスラエルの新聞は! イスラエルの新聞写真(上)からは故意に女性が消されている。これに対抗するフェミニストの新聞が下。 一般のデモはレピュブリック広場からナシオン広場まで行進。ナシオンの銅像によじ登り、ダンボールで作った鉛筆をかかえる姿を撮った写真が世界を駆け巡ることに。
パリ、シャルリ・エブド銃撃テロ事件の明暗(1)

パリ、シャルリ・エブド銃撃テロ事件の明暗(1)

1月15日追記:この一週間の事態の展開はめまぐるしい。昨日14日オランド大統領は、南仏のトゥーロンに停泊しているフランス最大の空母シャルル・ド・ゴールに乗り込み、海軍に向けて年始の挨拶をした。空母シャルル・ド・ゴールはインド洋に向けて出発する予定だったが、イラク湾岸へ向かい、特別任務(戦闘)に加わることになるようだ。オランド社会党政権は2013年、緊縮経済政策のわくで軍事費の大幅削減と軍隊の3万4千人削減を2019年を目処に達成する法案を可決したが、この日トゥーロンでオランド大統領は、「特別の状況を鑑みて、先に決められた政策を見直し軍備縮小の度合いを緩めなければならない」と発言した。 同日14日、イエメンのアルカイダがパリ銃撃テロの命令を下したという犯行声明を出した。また14日は、25カ国で16カ国語に翻訳された300万部のシャルリ・エブドが事件後はじめて発売され、あちこち売り切れが続出するという異変の直後、先のビデオと同一人物と見られるアルカイダの犯行予告とも取れるシャルリ・エブド最新号の漫画化されたムハンマドへの批判がインターネットに流れた。「シャルリ・エブドが過激派に宣戦布告」というジョーク(?)がFBに載ったほどだ。テロに向き合う世界は、一体どこへ行こうとしているのか・・・。
服喪のフランス、1月7日パリの銃撃テロ

服喪のフランス、1月7日パリの銃撃テロ

 Je suis Charlie パリのシャルリ・エブド(Charlie Hebdo)雑誌社で銃撃殺人テロが発生した。「驚くべきことに」(フランス2TVのニュース司会者ダヴィッド・プジャダスの表現から)数時間後には「Je suis Charlie 私はシャルリ」という紙を掲げた何千何万という人々が各地で広場に集い、社会風刺を専門にしていた風刺画家たちの死を悼んで表現の自由、民主主義の根底にあるべき自由の尊重を訴えはじめ、表現のシンボルであるペンや鉛筆をあちこちで掲げる人の姿があった。パリはレピュブリック広場に3万5千人。リヨンでは市庁舎前広場に1万5千、ボルドーで1万3千人、モンプリエは1500人。当日のうちにヨーロッパの各首脳が集合してフランスへの連帯を表明し、アメリカからはケリー国務長官が流暢なフランス語で「すべてのアメリカ国民はフランスに寄り添っています。…表現の自由と報道の自由は民主主義の根底にあるものです。今回の亡くなったジャーナリストのように攻撃がされることがあっても失われてはならない」と述べるなど、世界がフランスのテロ事件に寄せる想いはことのほか熱い。フランスやイギリスは首相や大統領官邸に半旗を掲げ、3日間の全国的な服喪を決めた。

アクチュアリティ・世界、中国のGDPがアメリカを追い越す

フランス2TVが発信する世界とフランス国内の情報をピックアップ。2014年12月9日、ビッグニュースNo.1は「中国のGDP国内総生産、アメリカをついに追い越し世界のトップへ」。 [中国の国内総生産がアメリカを追い抜いて世界一に] 一昨日のIFM国際通貨基金の発表によると、2014年の中国の国内総生産GDPが17兆6000億ドルを記録し、過去140年あまり世界一の座にいたアメリカの国内総生産を2000億ドルほど抜いてトップに躍り出た。中国の人口13億。1980年は1兆9000億ドルだったGDPは2014年に17兆6000億ドルへ、つまり10年ごとに倍増を重ねたこととなり、2019年には24兆8000億ドルへ驀進。アメリカを3兆ドル引き離すという予測が立てられている。中国の街頭インタビューで中国人もびっくり。「GDPが世界一なら給料も上げてほしい」と北京で。

いつまで続く、洪水

フランス南部の洪水は地域を移動しながら続いている。アフリカから来る偏西風が地中海の生暖かい湿気の強い空気を含んで北上し、フランスへ上陸する段階で山陸部の寒気と衝突し大雨を引き起こす。昨日はレロー県(l’Héraut)各地で冠水し、犠牲者が出た。今日はロード県(l’Aude)で多大な被害。 フランス3テレビ、ラングドック・ルシヨンの映像(11月30日、13時のニュースから) ロード、ピレネー・オリアンタルで2000人が避難。 FranceTVinfo web-site..

洪水

秋から冬にかけてフランス各地で洪水があい続いている。今日は、南東フランスで大雨。ル・ヴァールで、道路が冠水し住宅地も水に浸かった。洪水だらけの異常気象の原因のひとつに地球温暖化があげられる。2014年は1900年に設立したフランス気象台始まって以来の暖かい年となった。温暖化は着実に進んでいるといえる。(フランス2TV)2014年11月各地の洪水の様子を見るビデオ…。
11月11日11時、第一次大戦から100年

11月11日11時、第一次大戦から100年

今年の11月11日の休戦記念日は特別だ。1914年に第一次世界大戦が勃発して100年を迎え、激しい戦場となったヨーロッパ各地で大々的な記念行事が行われた。フランスTVは100年目に際して、第一次世界大戦の傷跡を特殊な航空写真を検証する考古学者の目で激戦地ヴェルダンが受けた弾痕による土地の疲弊を追い、また、闘いで初めて使われたという化学兵器(マスタード弾と呼ばれた催涙爆弾)で汚染された土地に訪れ、今日も立ち入りが禁止されている地区を取材した。ここでは未だに毎日のように不発弾や銃弾が採取され続けている。(下のビデオ参照:汚染されたヴェルダンの土地で、2012年だけで47トンの不発弾採取)。100年後の傷跡はまだ生々しい。…
ベルリンの壁崩壊から25年

ベルリンの壁崩壊から25年

1989年11月9日、1393kmにもわたるドイツを東西に分断していたコンクリートの壁が、ベルリンのブランデンブルグ門に群がるように集まった市民にハンマーやつるはしで叩き壊され始めた。東西冷戦時代の鉄のカーテン崩壊を象徴するように、ブランデンブルグ門の前の壁を喜々として壊し、以前なら東側から西側へ壁を越えて逃走することさえかなわなかったこの壁の上によじ登り、笑顔で立ちならぶ人々の映像が世界中に報道されて今年で25年が経つ。 25年後の今日、統合後のドイツの発達と変容は目覚しく、ヨーロッパ一の経済大国を誇るまでになった(フランス2TV)。…

セカンドハウス、20%増税

[住民税20%増へ、セカンドハウス] フランスに存在するセカンドハウスは317万7千戸と、世界屈指の数を誇る。特に地中海に面するコートダジュールや大西洋沿岸の海を臨む絶景の地にはデラックスなマンションが立ち並んでいるが、それらの多くはシーズンオフはシャッターを閉めたきり、誰も住まない空家状態が続いている。フランスの住宅難や地方の財政難に一石を投じようと、政府はこれらセカンドハウスの住民税を20%増税するよう、セカンドハウスの多い全国24の地方公共団体へ勧告した。増税を導入する否かは住民税を徴収する地方の判断にかかっており、増税を導入すれば当該市町村が地方財政として利用することになリ、その総額は1億5000万ユーロにのぼる。

ドローン出没、フランス各地の原発の上を飛行

フランスで、誰が飛ばしたか不明のドローン(無人操縦機)が12の原子力発電所の上空を飛行していることが分かり、危険を察知した当局が調査を進めている。2014年10月31日、19時から零時のあいだに新たに5箇所の原子力発電所でドローンの飛来を確認。(Francetv info) この金曜日にドローンに原子力建屋の上を飛行されたのは、ペンリィ (Seine-Maritime)、フラマンビル (Manche)、サン・ローラン・デ・ゾー (Loir-et-Cher)、ダンピエール・エン・ビュルリィ (Loiret)、フェッセンハイム(Haut-Rhin)の5箇所で、この数日間に確認されたドローン出現と同じ手口と考えられる。もう一機のドローンがベルビル・シュル・ロワール原発にも近づいた形跡があるが真上を飛ぶことはなかった。タルヌ・エ・ガロンヌ原発と同様、ペンリィ原発はすでに前日の木曜にもドローンの飛来を受けている。10月のあいだにドローンが来たのは、解体作業中のクレ・マルビル原発(Isère)、グランブリヌ(Nord)、カトノム(Moselle)、ル・ブライエ(Gironde)、ル・ビュジェ(Ain)、ショーズ(Ardennes)、ノジャン・シュル・セーヌ(Aube)の7箇所に上るが、憲兵隊広報は取り立てて原発への脅威は無しとして、ドローンの捕獲はしなかった。

日本の「調査」捕鯨、国際社会が問う中身

「科学プログラムにおける調査」と称して続けられる日本の捕鯨。実は絶滅種を含むクジラ目の捕獲は特定の海で禁止されている。クジラを殺す行為が本当に「科学的調査」のためであるならば、その成果があってしかるべき、というのが国際司法裁判所の意向だ。いったい禁止されているクジラ捕獲を日本が正当化しようとし続けるのはなぜなのか。ここでは、2014年5月に発刊されたフランスの『シアンス&アヴニール(科学と未来)』誌が掲載した「日本の調査捕鯨、禁止」と題された記事を紹介。日本に向けられている世界の目とは? …

イスラム過激派、フランス人人質を惨殺

2014年9月24日、アルジェリアで人質になっていたフランス人、エルヴェ・グルデル(55歳、登山専門ガイド)がイスラム過激派によって斬首された。エルヴェ・グルデルは4日前に山歩きをするために10日間の旅行予定でアルジェリアを訪れていたが、イスラム過激派ジハードに捕まって人質となった。フランス人拘束の声明が発せられたと同時に、アルジェリア政府は軍隊1500人およびサーマル・カメラや犬などの装備を総動員して捜索していたが、功を奏さなかった。先のアメリカ人とイギリス人の斬首のときと同じようにビデオがネットにのせられた。ニュースではこのビデオを公開しないが、内容は、覆面4人の武装した男たちに囲まれた人質エルヴェ・グルデルが、「フランソワーズ、エルワン、アヌーク、両親へ、愛しています」という家族への短いことばを発した後、一人の男が、「フランスのイラクへの武力介入を糾弾する」と言って、人質の首を切り落とした4分ほどのものだ。エルヴェ・グルデルの惨殺のニュースはフランス中を駆け巡って国民を震撼とさせた。…
フランス人が好きなモニュメント、9月20日一位決定

フランス人が好きなモニュメント、9月20日一位決定

フランス2TV企画、「フランス人が好きなモニュメント  LE MONUMENT PRÉFÉRÉ DES FRANÇAIS」は9月20日土曜日、ヨーロッパ遺産の日に全国投票の結果発表の日を迎えた。なんと、22地域の代表のなかから一位になったのはブルカンブレス市のブル王立僧院!!!ベルサイユ宮殿、ルーブル、あるいはロワール川の中世の城、サンマロー、ストラスブールやルーアンの大聖堂などの幾多の著名な建造物を下し、「フランス人の好きなモニュメント2014」のトップに輝いた。 少し前、ローヌ・アルプの人気投票で地域のトップになって嬉しい、というブログを書いたばかり。ブル王立僧院は現在、僧院の機能はまったくなく、「ブル美術館」として美術館機能が主となっている。そのキュレーターが、ブル王立僧院で撮ったフランス2TVのこの番組の司会者のスナップをFBにアップしていたのが気になっていたが、どうやらこれは一等賞になった授賞式を撮影中のものだったらしい。ブルカンブレスの市長が記念品を受け取って、お祝いの風船を飛ばした。今夜は、ブル王立僧院での中庭で、2時間15分にわたるフランス2TV番組「フランス人が好きなモニュメント」の最終回を大型スクリーンでリアルタイムで上映した。もちろん今日は、ヨーロッパ遺産の日。ブル王立僧院も番組の終わるつい先ほどの夜11時過ぎまで開館。王立僧院は来館者とこうして放送を見て受賞を祝ったようである。