[住民税20%増へ、セカンドハウス]
フランスに存在するセカンドハウスは317万7千戸と、世界屈指の数を誇る。特に地中海に面するコートダジュールや大西洋沿岸の海を臨む絶景の地にはデラックスなマンションが立ち並んでいるが、それらの多くはシーズンオフはシャッターを閉めたきり、誰も住まない空家状態が続いている。フランスの住宅難や地方の財政難に一石を投じようと、政府はこれらセカンドハウスの住民税を20%増税するよう、セカンドハウスの多い全国24の地方公共団体へ勧告した。増税を導入する否かは住民税を徴収する地方の判断にかかっており、増税を導入すれば当該市町村が地方財政として利用することになリ、その総額は1億5000万ユーロにのぼる。
一般市民からは「ああやって海に面して便利なところは誰も住まないセカンドハウスで埋まっていて、われわれ住民はもっと離れた不便なところへさがって生活をしているわけですから、増税があって当然だと思いますね」という声が上がる一方で、「もう散々増税をやってきて、またこんな大きな増税なんて市民生活の負担を増やすばかりだ」とする市長もおり、賛否は両論だ。
住宅の6分の一がセカンドハウスといわれるパリの市長アンヌ・イダルゴは、増税導入へ積極的だ。最もセカンドハウスが多いのは、パリの高級市街モンテーニュ通りで住宅の50%以上がセカンドハウスだという。次いでイル・ド・レでやはり50%以上。コルシカは35%、コートダジュール25%、マルセイユ17%となっている。またセカンドハウスの所有者の11%が外国人で、平均年齢は61歳。セカンドハウスを利用する日数は一年のうちウィークエンド6回だそうだ。
ただし、セカンドハウスを仕事のためにに利用している場合と、老人が利用している場合の二例に限って、増税が免除される。(フランス2TV)
また、この種の増税案ははじめてのことではなく、すでに2012年に「ウィークエンド税」と名づけられて立案したが、早々と廃案になった。(ル・ポワン)