なぜ、高濃度核廃棄物の管理は「10万年」なのか
核のごみ、「10万年管理」
・今後のエネルギー政策について、高レベル放射性廃棄物処分についての会議 平成25年5月 資源エネルギー庁
高濃度核廃棄物が、「天然ウラン並(の放射性物質)になるまでの期間が約10万年」出典:※原子力政策大綱.
http://www.meti.go.jp/committee/sougouenergy/denkijigyou/houshasei_haikibutsu/pdf/25_01_s01_00.pdf (2018年時点のPDF、80p、下へ移動)
https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/genshiryoku/hoshasei_haikibutsu/pdf/025_s02_00.pdf (59p)
・・・3.高レベル放射性廃棄物の最終処分に向けた現世代の取組のあり方
(1)高レベル放射性廃棄物処分の基本的考え方○高レベル放射性廃棄物については、将来世代の負担を最大限軽減するため、長期にわたる制度的管理(人的管理)に依らない「最終処分」を可能な限り目指すことが必要。そのため、原子力発電を利用してきた現世代が、最終処分に向けた取組を具体的に進めていくことが必要であるが、他方で、最終処分ありきで進めることに対する社会的支持が十分でないことも踏まえなければならない。高レベル放射性廃棄物の安全で確実な処分は、原子力の便益を享受する国にとっての責務であり、「発生した国において処分されるべき」であることは、「使用済燃料管理及び放射性廃棄物管理の安全に関する条約」において約束されている原則(我が国は2003年11月に批准)である。その対処方法として、我が国では、諸外国同様、地層処分による最終処分を目指すこととしているが、「最終処分」とは、廃棄物の安全性及びセキュリティを確保するために、能動的な管理(社会による継続的な監視、資源の投入)に頼る必要がない状態に処分することである(全米科学アカデミー(NAS)2001)。このような最終処分を目指す主な理由は、数千年・数万年単位の期間にわたり、人の手による能動的な管理(制度的管理/人的管理)を継続することが困難であることによる。つまり、「制度的管理/人的管理」については、数十年程度の期間については安全に実施してきた実績がある一方、管理期間が長期化するほど、将来世代の負担が増大するとともに、i)将来の社会において、社会的/経済的な事情の悪化に伴い、制度的な管理が失われるリスク、ii)極端な自然事象等に遭遇するリスク(地上は、地下深部に比べ、自然事象やテロ行為に対し脆弱)といったリスク・不確実性も増大すると考えられるためである。
・原子力政策大綱 げんしりょくせいさくたいこうとは? http://www.rist.or.jp/atomica/dic/dic_detail.php?Dic_Key=2260
・経産省、電力ガス審議会、議事録 核廃棄物の現状について、平成25年
https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/genshiryoku/hoshasei_haikibutsu/pdf/h25_04_gijiroku.pdf
p7・・・まず、使用済み燃料あるいは高レベル放射性廃棄物発生の基本的な構造といいますか、これについて確認、1つは、現在、使用済み燃料は全国の原子力発電所に約1万4,000トン、約6万体、六ヶ所再処理工場に約3,000トン、約1万2,000体、合計1万7,000トン、約7万2,000体の使用済み燃料が保管されているということになっているのではないか。既にガラス固化された高レベル放射性廃棄物は、六ヶ所再処理施設に約1,800本、イギリスに700本、合計2,500本あるのではないか。六ヶ所再処理工場は、竣工前の最終試験が終了し、本年12月に施行される規制委員会の新安全基準について適合性が確認された後に稼働する予定である。六ヶ所再処理工場は、年間約800トンの使用済み燃料を処理し、これにより約1,000本のガラス固化体が生じる。したがって、既にある1万7,000トンの使用済み燃料を処理するには、六ヶ所再処理工場を20年余、21年ぐらい稼働させ、これにより約2万1,250本のガラス固化体が発生する。(西川委員)
・総合資源エネルギー調査会 電力・ガス事業分科会 原子力小委員会(第6回)‐議事要旨 平成26年9月16日、経済産業省
http://www.meti.go.jp/committee/sougouenergy/denkijigyou/genshiryoku/006_giji.html (ページ移動先不明。下の抜粋は2018年にしたもの。)
・・11ページに関して、高速炉による減容化・有害度低減は、研究開発としては合理的で進めるべきだが、楽観論は戒めたい。減容化して天然ウラン並みになるというが、天然ウラン並みであれば不安はなくなるのか。楽観視できない。例えばウラン残土の問題もある。
(11ページ)
- 使用済燃料の有害度が元の天然ウランと同レベルになるために必要な期間は、高速炉の利用によって、約10万年から約300年へ短縮可能。
- また、軽水炉再処理によって、高レベル放射性廃棄物の体積を約4分の1に低減できるが、さらに高速炉の利用によって、高レベル放射性廃棄物の体積を約7分の1に低減できる。
(14ページ)
- 放射性廃棄物の処理・処分の問題は、世界共通の課題。
- フランスのASTRIDは、第4世代ナトリウム冷却高速炉の実証炉。本年5月、安倍総理訪仏の際に、日仏間の協力を開始。今は概念設計の段階。
ASTRID (Advanced Sodium Technological Reactor for Industrial Demonstration) est un prototype de réacteur nucléaire français de Quatrième génération, de type Réacteur rapide refroidi au sodium, porté par le Commissariat à l’énergie atomique et aux énergies alternatives (CEA) 1 sur le site nucléaire de Marcoule2.
https://fr.wikipedia.org/wiki/ASTRID_(réacteur)#Calendrier_prévisionnel
・ウランについて
https://www.jaea.go.jp/04/turuga/jturuga/NaSchool/
もんじゅ ナトリウム 1700トン
「ウラン238に中性子を吸収させ、核分裂を起こしやすいプルトニウム239へと転換させることができるため、高速増殖炉に用いる燃料として期待されている。
天然ウランには、熱中性子による核分裂反応を起こしやすいウラン235と起こしにくいウラン238が含まれ、このうちウラン235の含有率は0.7%程度である。この天然ウランからウラン濃縮によって濃縮ウランを得た後に残された部分は、通常、ウラン235の含有率が0.2%程度であり、天然ウランに及ばないため、これを劣化ウランと呼ぶ。さらに濃縮を行なって劣化ウランに残存するウラン235の割合を下げ、より多くの濃縮ウランを得る事もできるが、新たにウラン鉱石を採鉱・精製・濃縮することと比較してコストがかかるために行われない。濃縮の際に六フッ化ウランとするため、劣化ウランを利用する場合には加水分解して酸化物とするか、さらに還元して金属として用いる。」
https://ja.wikipedia.org/wiki/もんじゅ#設備
https://fr.wikipedia.org/wiki/Superphénix
https://ja.wikipedia.org/wiki/ウラン濃縮
https://ja.wikipedia.org/wiki/使用済み核燃料
https://ja.wikipedia.org/wiki/劣化ウラン
https://fr.wikipedia.org/wiki/Uranium#Abondance_et_répartition
・第94回原子力安全問題ゼミ 2003年8月26日(火)
ウランを利用することで生じる被曝 インド・ジャドゥゴダウラン鉱山の汚染を中心にして 京都大学原子炉実験所 小出 裕章
http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/seminar/No94/koide030826.pdf
原子力開発に伴って生じるウランによる被曝 原子力(=核)で最も重要な物質はウランである。天然に存在する元素のうちで最も重い元素であり、 原子番号 92、質量数では 238,235 それに極微量の 234 があり、それらすべてが放射性である。ウラン同 位体の放射性物質としての性質を表 1 に示す。 [k]は 1000、「M」は 100 万、[ μ]は 100 万分の 1、[n]は 10 億分の1を示す。 この表から、視ておくべきことをいくつか列記する。
1.ウランの同位体はすべてアルファ線を放出する。
2.半減期が長く人類からみれば永遠の寿命を持つ。 ウラン238の半減期は45億年、地球の誕生が46億年前といわれるので、地球が生まれたと きに存在していたウラン238はようやく半分に減った。
3.核分裂性を有するウラン235はウラン全体のわずか0.72%しかない。
4.経口摂取よりは吸入摂取の方が約1000倍危険が大きい。
・ フランス放射線防護・原子力安全研究所が規定する人体被爆の基準値
http://www.irsn.fr/FR/connaissances/faq/Pages/Quelle_est_la_dose_de_radioactivite_dangereuse_pour_la_sante.aspx
年間被曝量は普通の人間は1ミリシーベルト(医療被曝を除く)。
10ミリシーベルトから住民に安全なところへ身を置くよう勧告。
50ミリシーベルトを超えると、避難勧告。
100ミリシーベルト(30倍)は危険量になる。
原発労働者は、フランスでは20ミリシーベルトが許容量。
事故などの緊急事態で人命救助をする場合は300ミリシーベルト。
・ドイツ、『イエロー・ケーキ、クリーンなエネルギーという嘘』
製作者公式サイト:https://pandorafilms.wordpress.com/yellow/
http://www.peace-forum.com/gensuikin/news/120221news.html
https://dhctv.jp/movie/10398/
「サイトのコメント:ウランの粉末【イエロー・ケーキ】とは?
イエロー・ケーキ、それは天然のウラン鉱石を精錬して得られるウランの黄色い粉末のこと。このウランの粉が気体への転換~濃縮~粉末への再転換を経て燃料棒のもととなり、燃料棒が束ねられたものが原子炉の中で核分裂して熱を生み、発電機を回す。発電時に二酸化炭素を出さず、再処理を行えば繰り返し使用できることから、ウラン燃料は「クリーンなエネルギー」と言われてきた。しかしこれが誤りであることが既に1930年代に明らかになっていたにも関わらず、その事実は隠蔽され続けてきた。」
・ドイツ映画『アンダー・コントロール』、2011年 11月放映
公式サイト http://www.imageforum.co.jp/control/
・BBC /フィンランドは原子力の過去を地下に埋める(2006)http://news.bbc.co.uk/2/hi/science/nature/4948378.stm
・放射線防護・原子力安全研究所 Institut de Radioprotection et de Sûreté Nucléaire – IRSN(フランス)
・ホワイトフード
食品の汚染度について言及するサイト。厚生労働省の発表数値を基準に表の作成や意見。
2018年月別放射能汚染情報ソース
厚生労働省 平成30年度月別検査結果
http://www.mhlw.go.jp/stf/kinkyu/0000205529.html
https://news.whitefood.co.jp/news/foodmap/8492/
https://news.whitefood.co.jp/news/foodmap/
https://news.whitefood.co.jp/news/foodmap/8817/
https://news.whitefood.co.jp/news/foodmap/
・諸悪の根源→食品安全基準100ベクレルを…矢ケ崎克馬教授が切る!
https://www.sting-wl.com/yagasakikatsuma10.html
「子供は1ベクレルでも大問題。
安全か?という点で言えば50ベクレルは、まるっきり安全ではありません。根拠のない数字です。このことで今、大阪のがれき裁判に私が提出している意見書にも、特に強調して書いてあることなんですがね。内部被曝から体を守るためには徹頭徹尾、放射能汚染された食品を口にしない。
これを目指さなくてはいけない。やむを得なく、食べざるを得ないとしても赤ちゃんや子供達については1kgあたり1ベクレルもあったら大問題です。」
・Green Peace Japan
http://www.greenpeace.org/japan/ja/news/press/2018/pr20180301/
2018/03/01 グリーンピース最新放射線調査報告書ーー避難指示解除区域で国際基準/日本政府長期目標をはるかに超える放射線リスク
プレスリリース – 2018-03-01
国際環境NGOグリーンピース・ジャパンは( 本日1日、放射線調査報告書『原発事故の写像ーー浪江町と飯舘村における放射線調査』(注1)を発表し、福島県の飯舘村や浪江町の避難指示が解除された地域で、いまなお国際基準と政府の長期目標の年間1ミリシーベルト(注2)をはるかに超える高い放射線量が続いている地点があること、除染の効果が限定的であることを明らかにし、政府がこれらの地域の人々への賠償を打ち切る形で帰還を進めることは、人権侵害であると訴えました。国連人権理事会の対日人権審査で、日本政府は、住民の健康への権利を尊重することや、許容放射線量を年間 1 ミリシーベルトに戻すことなどを勧告されており(注3)、16日の国連人権理事会本会合で受け入れ可否を表明をします。
(注3)
UPR第3回日本政府審査・結果文書(暫定版)P14
国連人権理事会の対日人権審査で、福島原発事故被害者の人権問題に懸念 ーー日本政府は勧告の受け入れを(PDFグリーンピース・プレスリリース、2017年11月14日)
・特集 被曝影響と甲状腺がん
「 2 0 ミ リ シ ー ベ ル ト 」と幻の安全・安心論
京都大学原子炉実験所、今中哲二
「ICRP に従うと,100 mSv の被曝でがん死が 0.5% ふえる…… 集団リスクで考えると,1 万人が 100 mSv の被曝を受けると 50 件のがん死になる」。
http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/etc/kagaku2017-7.pdf
・放射能から子どもを守る市民と企業のネットワーク
国連の日本政府批判、「低線量被曝へ考慮を」「ヨウ素剤無配布、健康調査非開示」
http://hokinet.jp/10.html
・長期被曝、DNAへの影響 Effets des rayonnements ionisants sur l’ADN 仏語
・福島第一原発原子炉、設計図
http://www.fukuleaks.org/web/?page_id=19
Unit 1 Water Levels 2012-2013 (tepco has revised down for U1 containment water to below the downcomer)
資料:福島第一原発事故 ―格納容器の機能喪失―(2011/3/23 後藤政志)
www.cnic.jp/files/earthquake20110311/20110323innai.pdf
資料:沸騰水型炉(福島第一2号炉)のフローチャート
www.cnic.jp/files/earthquake20110311/BWR_flowchart.gif
・シミュレーション、大洋汚染、大気汚染
福島第一原子力発電所事故当時に出た放射能の太平洋汚染
http://iopscience.iop.org/article/10.1088/1748-9326/7/3/034004/meta
Model simulations on the long-term dispersal of 137Cs released into the Pacific Ocean off Fukushima
・放射能雲の大気拡散
シミュレーションによる福島から出たプリュームが大気流に乗って北半球に拡散する様子
・国土交通省気象庁 地震発生のしくみ
http://www.data.jma.go.jp/svd/eqev/data/jishin/about_eq.html
・六ケ所村:https://ja.wikipedia.org/wiki/六ヶ所再処理工場
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備考:掲載のリンクは、前項のビデオ編で十分に豊富な情報が得られているため、若干必要だと思ったものに限り見つけて書付たものである。2018年の時点で経産省のサイトからいくつか拾っているが、それらのPDFが今年は移動されて見つかりにくくなっている。例えば、一つの審議会、核廃棄物の埋蔵に関する審議会は恐らく年数回定期的に開かれており、回数も比較的きちんと議事録の中に書き込んである割には、それが検索では時系列で出てこない。時間を費やしたにもかかわらず、見つからないPDFがあるのは残念だ。また見つかったものに関しても、2018年の段階で80頁の報告書、とかきつけておいたが、内容はほぼ同じのようにみえるがページ数は59頁になっていた。字割による減少なのか、ページが削除されているのか不明なのも公文書アーカイブにしては残念な話である。
ビデオ編はこちら:https://shigeko-hirakawa.org/blog/?p=13945