外交確執、同盟国とロシアのシーソー・ゲーム
毒剤テロと外交官追放 イギリス在住のロシアの元スパイ、セルゲイ・スクリパル(66)とその娘ユリア(33)が、神経性毒剤を盛られて意識不明で発見された。ロシアによる犯罪と判断したテリーズ・メイ英国首相は3月15日、在英ロシア外交官23人を10日以内に国外追放すると発表。イギリスが23人ものロシア外交官を追放するのは冷戦終結以来前例がなく、二国間外交の凍結に等しい。ボリス・ジョンソン外相は、「非難はロシアに対してではなく、プーチン大統領に対するものである」と強調している。 イギリスでは近年、不可思議なロシア人の死亡事件が続いていた。
EU、使い捨てプラスチック殲滅への挑戦
EU/ 欧州連合、プラスチック廃棄物へ宣戦布告 Daniel Boffey in Brussels Tue 16 Jan 2018 15.50 GMTFirst published on Tue 16 Jan 2018 14.32 GMT 欧州連合(EU)は、欧州清浄化の緊急計画の一環で、プラスチック廃棄物との戦いに拍車をかけ、2030年までにあらゆる梱包材を再利用可能なものかリサイクル可能なものだけにすることを目標に置くことを決めた。これまで外国のプラスチック廃棄物を輸入してリサイクルしていた中国が廃棄物の輸入を禁止したことをきっかけに、欧州各国が協議。プラスチックの生産と回収の近代化を進めることを目的に、研究費として3億5千万ユーロを投資することになった。
トランプ初のG7参加と気候変動
アメリカと気候変動 2015年暮のCOP21で、195カ国が賛同して成立した環境問題への取り組みであるパリ協定。今月29日のイタリアでのG7は、7カ国のうちアメリカ、イタリア、フランス、イギリスが新首脳を迎え、改めてパリ協定賛同の確認が行われたが、同意6対保留1で協定実行が足踏み状態に入ったとみられる。 同意の意思を示さなかったのはアメリカのトランプ大統領で、大統領選キャンペーン中から気候変動は嘘であると主張し、アメリカ市民の税金をNATOなどに使わず国内の雇用増大のために石炭採掘を拡大させる、などの公約をしてきたために、トランプ当選直後からパリ協定からのアメリカの脱退が懸念されていた。米大統領は、「パリ協定に対する態度は数日中に決める。Make America Great Again!」とツィートしており、「アメリカはそれでも我々の友達」というイギリスのメイ首相と、「予想していたより希望が持てる」と評価したフランスのマクロン新大統領を横目に、ドイツのメルケル首相は、「私たちがお互いを頼る時代は終わった、というのがこの数日の経験だ」と合意成立の失敗に大いに不満の意を表した。
J-6 フランス大統領選挙決戦へ
エマニュエル・マクロンとマリーヌ・ルペン、正反対の政策 4月23日日曜の初戦はフランスの有権者77.77%が投票。得票率最上位を占めたエマニュエル・マクロン(24.01 %、8 657 326 票獲得)と、2位につけたマリーヌ・ルペン(21.3 %、7 679 493 票獲得)の決選投票が、5月7日来週の日曜に行われる。 http://www.francetvinfo.fr/elections/resultats/ http://www.ouest-france.fr/elections/presidentielle/presidentielle-macron-le-pen-des-programmes-aux-antipodes-comparateur-4962775 エマニュエル・マクロンに対するバッシングやフェイク・ニュースと名誉毀損、マリーヌ・ルペンのロシアからの資金問題やネオ・ナチとの交流などの話が飛び合う中、ここでは、当選後の政策に向けた双方の選挙公約を取りまとめてみる。
ヨーロッパ、風車が石炭を凌ぐ
2016年、新エネルギーの伸び 風車の設置が進んで石炭による火力発電を凌ぐまでになり、「ヨーロッパにおける電力生産力で二番目」に成長したと、産業リーダーWindEuropeが発表した。風車の総発電量は、153.7ギガワット (GW)に上るという。
働く女性が多いスエーデン、経済効率世界最高、汚職は世界最低レベル
ジェンダーギャップ第4位のスエーデン、経済上昇率も強豪 世界経済フォーラム(The World Economic Forum)は例年各国の経済発展力を統計するグローバル競争力指数で、2016年スエーデンが世界第6位に躍進したと報告した。
グローバリズムとナショナリスト
ナイジェル・ファラジ、駆けつけ援護(2016年10月10日) イギリスをBrexitに誘導したUKIPのナイジェル・ファラジとアメリカ大統領候補のドナルド・トランプのスローガン、なんとそっくりなことだろう。 まずは、アメリカ共和党候補ドナルド・トランプのスローガンから。 Make America Great Again! もう一度、アメリカを偉大にしよう! Take Our Country Back 我々の国を取り戻そう
アクチュアリティ・日本
集団的自衛権容認を7月1日には閣議決定する勢いの安倍政権。私は当初から「解釈」変更には大反対の立場だ。解釈を変えることそのものが違憲であると考えている。 例えば多国間の条約等は、その当事国が条約内容を同じように解釈するから条約が成立するのである。つまり、条約締結をした国がそれぞれ勝手に条約の意味を解釈して行動をしてしまうと、条約そのものが成り立たなくなるのは当然のことだ。したがって、国際世界においては勝手な法の解釈やおおもとの解釈の変更は決して許されないのである。例えばヨーロッパ連合の場合、ヨーロッパ議会の制度がEU参加国にきちんと同じように理解され、同じように施行されているかどうか、各国の施行状態と「解釈」の程度を監視する組織がある。例えば人権に関して、フランスが人権を守るのと同様にイギリスもドイツも人権を守っているかを、微細に監視している。一国の政府より上の立場から、総括的かつ概念的にその政府の動向を監視し修正するこうした機関が日本にも必要なのではないかと考えるが、EUのような他国と足並みをそろえていかなければならない大きな国際圏がない日本はどうすればいいのだろうか。 個人的にも、法的知識は学部の学生程度のものが残っていれば良いほうだと思う筆者だが、基本的人権、恒久平和、民主主義の三原則をいただく日本国憲法には、フランスの人権宣言にも匹敵するすばらしい憲章のごとき格調の高さを感じている。この格調高い日本国憲法を変えて軍需産業へ向かいたいのか、憲法改憲の手続きである憲法代96条の変更を提起しておいて、これが難しいと思うと、一足飛びに集団的自衛権の話に飛んで改憲をはぐらかし、「解釈」変更という、これ事態が違憲と思われる方向へ論議を押し流した。閣議決定などという国民の手から大きく離れたところで決定することも「違憲」。違憲だらけの集団的自衛権論議。国会議員衆議院475人、参議院は242人いる中で、ようやく正当な論理で反対を申し立てる議員が一人現われた。…
ヨーロッパ文化首都 [マルセイユ・プロヴァンス 2013]
[マルセイユ・プロヴァンス 2013] 1月12日(土)・13日(日)、マルセイユ市で開会式 マルセイユ・プロヴァンス・メトロポール(Marseille Provence Métropole)は今年、ヨーロッパ文化首都(Capital Européenne de la Culture)に指定されており、年の暮れまでヨーロッパの文化の粋を集めた活動を行う。今週末が開会式。…
アクチュアリティ、バイオレンス
・ヨーロッパ、財政緊縮政策に反対する数カ国連動デモ: 2012年11月14日、経済危機にあるEUの厳しい緊縮政策へ反発して、マドリッド(スペイン)、リスボン(ポルトガル)、ローマ(イタリア)、アテネ(ギリシャ)の4大都市で大々的なデモが行われた。 スペインは、カディックス、ヴィゴ、ビルバオなどでも大きな集会が開かれ、首都マドリッドでは数万人のデモ隊たちが警官隊と衝突し、催涙弾や石などが飛び交って30人が負傷、80人あまりが逮捕された。スペインは4人に一人が失業。政治に満足しているというのは国民の7%のみ。「銀行が搾取しているんだ」という人々。アパートを銀行に借金のかたに取られ、自宅を没収される直前に思い余って自殺をする人が今年になって4人続出した。現実に、同じような状況で銀行の手に渡った一般市民の宅地の数は50000軒に上るという。…
アクチュアリティ・悪天候、大統領選直線コース
・悪天候、竜巻編: アメリカ並み? TF1TVから竜巻ニュース抜粋(ビデオ) きのうトゥールーズ南部で、フランスには大変珍しい竜巻が出現し住民を驚かせた。竜巻は直径約50m、風速毎時130kmから180kmはあったと推定されている。農家の納屋の屋根を吹き飛ばすなどの被害をだして、竜巻は5分ほどで消滅した。 大きな低気圧が大西洋からたすきがけにヨーロッパを覆い、フランスはこの一ヶ月近く雨、雹、突風などの悪天候に見舞われている。昨夜の暴風雨でフランス東部が被害を出して2万世帯が停電したほか、シャラント地方では80cm水位が上がって家屋が浸水するなどの被害を出した。 雨が降り続いて寒いフランスとはうらはらに、ベラロシアやモスクワからオーストリア、ドイツのベルリンあたりまで、中央ヨーロッパではすでに夏の暑さが居座り、ベラロシアで31℃という真夏日。オーストリアでは乾きすぎで森林火災が発生し、モスクワでは光化学スモッグが発生するなどしている。…
アクチュアリティ、新たな原子力の安全規制
フランス原子力発電の安全性へ、ASN(原子力安全委員会)がきのう回答 - 福島第一原発事故後、フランス全土の原子力発電について、フランス政府は原子力安全委員会に安全性に関する調査と今後の対策について詳細の見通しを提出するよう依頼していたが、きのう原子力安全委員会から総合的な見解が発表された。…
アクチュアリティ
DSK、TV出演 - アメリカから帰郷したドミニク・ストロス=カンは9月18日日曜、フランスの民放TF1の夜8時のニュース番組に招待され、初めてフランス国民の前でこの5月に起きたニューヨークのソフィテルでの婦女暴行事件に関する釈明をした。ナフィサトゥ・ディアロとの関係についてDSKは、「暴力的なことなどは一切起きなかった」としつつも、「この関係は、倫理に欠けていたことから発したもので、自慢ができることではない」と、TV視聴者の前で一種の告白ともいえる発言をして、DSKとナフィサトゥ・ディアロの間に何かがあったことが周知の事実となった。TV局の外では、暴行事件の被害者団体の女性たちが集まり、DSKの非難を大声でするなどしていた。実際、DSKが逮捕されて以来、各地の婦女暴行被害者組織やフェミニズム団体の活動が活発化している。 DSKの初のTV告白があったこの日のニュースは、全国の視聴者数が1400万人に上ったとされ、最高の視聴率を記録。フランス人の20%以上がこの生放送を見ていたことになる。(TF1TV、BFMTV) イタリアの経済危機、ベルルスコーニ首相の信用失墜 - 発行体格付けをするスタンダード&プアーズ(スタンダード・アンド・プアーズ、Standard & Poor’s、S&P)社が今日、イタリアの格下げを決定。ヨーロッパ経済への心理的影響が大きくなった。 二度にわたる救済策と大きな犠牲にもかかわらずギリシャの負債が緩和できずにいるヨーロッパ連合は、この10月にギリシャ救済を続けるかあるいはギリシャの倒産を認めてユーロ圏から脱退をさせるかの瀬戸際にあって、大きな破綻があきらかになったイタリア経済の危急でさらに足を引っ張られる形になっている。格下げの原因は、シルヴィオ・ベルルスコーニ首相の統率者としての能力が疑われていることによるものだ。 イタリアのあとはフランスが経済危機の大波を真正面から被るというのがもっぱらの経済評論家たちの予想だ。 ギリシャ国内では、消費税高騰23%へ。所得税増税など。にもかかわらず政府の金作の滞りは、国内6000の企業がほとんど納税せず、収入の違法処理が増加しているためと言われる。アテネの道行くギリシャ人は、「ギリシャが倒産なんて、大嘘さ」「どっちみちどうにかなるわよ」とヨーロッパの心配をどこ吹く風。 S&Pによる発行体格付け: フランスAAA、アメリカAA+、イタリアA+からAに、アイルランドA-、ポルトガルBBB-、ギリシャは最低のCC。 フランスの大手銀行の行方 - ギリシャやイタリアへの巨額貸付にかんする返済の見通しがきかないフランスの大手銀行は、フランス国内の企業への貸付金を出し渋る傾向にあり、国内産業の進展に大きな障碍となり始めている。 Les Restos du coeur - レスト・デュ・クール(心のレストラン)と呼ばれる貧困者救済レストランは25年前にコメディアンのコルーシュの呼びかけによって設立し、母子家庭や失業者、移民などの貧困者の食事を賄う。昨日、ヨーロッパ連合はレスト・デュ・クールへの援助を30%カットすることを決定し、大きな衝撃を与えている。貧困者への食料費カットに、フランス農業及び食料大臣、ブリューノ・ルメールが早速ブラッセル入りし、EUの決定に抗議を申し込んだ。EUの食料量援助に頼る人口は、ヨーロッパで1800万人、フランスには400万人いる。ブラッセルのヨーロッパ議員はこのまま食糧援助をストップしたい意向らしいが、多くの食料援助依存者のいるフランスは、10月上旬のサミットで再検討を申請する。 アルツハイマー治療に光明 - アルツハイマー病における最初の病変部位で知られる大脳辺縁系の一部の海馬の萎縮をストップさせる希望の分子構造が明らかとなった。アルツハイマーの初期に当用すると45%の記憶回復の希望があると言う。この分子構造は新しいものではなくすでに重症患者に利用されていたが、あまり効果がなく軽視されていた。研究者が174人のアルツハイマー初期患者に当用して好結果を得たもの。 世界の天候 - 台風一過、また日本の本州南部に台風接近。(フランス2TV)
アクチュアリティ、環境…
バクテリアによる経済的被害甚大 - ドイツのハンブルグを中心に広まったバクテリアによる食中毒で死者は25人となった。ヨーロッパ諸国12カ国に広がったばかりではなく、アメリカでもやはりドイツに旅行をした人が一人中毒症状をだしている。バクテリア感染源として濡れ衣を着せられた生野菜、特にキュウリの生産者の被害は甚大で、スペイン、フランスなどでは収穫したキュウリを毎日捨てる作業が行われ、倒産寸前の農家も出始めている。EUは被害を受けている生産者に対し、1億5千万ユーロの援助金捻出を決定したが、実際農家は毎週2億ユーロ相当の損失をだしており、援助は焼け石に水状態だ。一方、バクテリアのほうはいまだに感染源がつかめず、各国の研究所は検査の範囲を広げ原因究明を急いでいる。(フランス2TV、フランスTF1TV、) 旱魃と異常気象 -フランスの特に北部では好天気続きで暑さが夏並み。旱魃により、現在全国62県が節水体制を取っている。一方で先週および今週はじめ、南仏やヴァル・ディゼールで大嵐や大粒の雹が降り農作物に大きな被害を与えた。りんごやナシが全滅の農家も。また先週は、アルプスやピレネー山脈の一部で雪が降り、30cmから50cmの積雪を記録した。300頭の羊が凍え死ぬなどしている。 福島原発事故、マグマ状になった核燃料が流出 - すでに津波の直後に福島第一原子力発電所の一号機から3号機までの炉心3基で、核燃料がメルトダウンしてマグマ状になり、壊れた格納容器から一部外へ出ていた可能性のあることをようやくTEPCOが発表した。原発事故から3ヶ月たっても放射能の流出を止められずにいるTEPCOは、国際原子力機関(International Atomic Energy Agency:IAEA)への正確な報告を迫られ、これまでの不透明で煮え切らない部分を正してようやく内容を明らかにする姿勢を示したことになる。(フランスTF1TV) My opinion: 4月下旬あたり、イギリスのウィリアム王子とケイト・ミドルトンの結婚式直前あたりから、福島原発事故のニュースがほとんど表面から消え、各国際放送のビデオではなくブログなどで言及する程度だったが、再びこの二日ばかり、フランスのTF1が取り上げている。状況が最悪の状況であることがはっきりしたからだろう。核燃料がマグマ状になって壊れた格納容器から外へ出る、という最悪のシナリオは、フランスではすでに3月中旬に原発が爆発した時点で何度もTVで言及していたが、日本側は「建屋の水素爆発のみ」という表現で、核燃料には一切触れていなかった。