・悪天候、竜巻編:

アメリカ並み? TF1TVから竜巻ニュース抜粋(ビデオ)

きのうトゥールーズ南部で、フランスには大変珍しい竜巻が出現し住民を驚かせた。竜巻は直径約50m、風速毎時130kmから180kmはあったと推定されている。農家の納屋の屋根を吹き飛ばすなどの被害をだして、竜巻は5分ほどで消滅した。

大きな低気圧が大西洋からたすきがけにヨーロッパを覆い、フランスはこの一ヶ月近く雨、雹、突風などの悪天候に見舞われている。昨夜の暴風雨でフランス東部が被害を出して2万世帯が停電したほか、シャラント地方では80cm水位が上がって家屋が浸水するなどの被害を出した。

雨が降り続いて寒いフランスとはうらはらに、ベラロシアやモスクワからオーストリア、ドイツのベルリンあたりまで、中央ヨーロッパではすでに夏の暑さが居座り、ベラロシアで31℃という真夏日。オーストリアでは乾きすぎで森林火災が発生し、モスクワでは光化学スモッグが発生するなどしている。…

・大統領決戦、直線コース:

サルコジ候補は30日、フロンナショナルの支持層の票獲得を狙い、極右政党フロンナショナルの強い支持があるヴォークリューズへ赴き、アヴィニョンで演説を行った。大統領選挙の中心話題は、移民政策強化に集中。「フランス人のためのフランス」には多すぎる移民を制限すべき、として極右政党支持層へさらに訴えかけを行った。

フランスのかかえる問題はこのところサルコジ候補が毎日のように言及している移民問題にかぎらず、4年にわたる経済恐慌からの脱出、教育、福祉、雇用問題、国民購買能力の向上など国の体質改善にかんする政策がもっと問われなければならない。

教育に関しては、これまでサルコジ政権下で5万人の教員削減が行われてきたのに対し、オーランド候補は2016年までに6万人の教員を増加して、今までの週4日制や長い夏休みなど根本的な制度を見直したい意向。また税制について、サルコジ候補は低賃金所得者の社会保障費を軽減するとしたのに対し、オーランド候補は法外な高所得を食い止めるとしている。恒久的にフランスがかかえている住宅問題では、サルコジ候補は建築基準を緩めて30%の増築を許可するとし、オーランド候補は、住居基準に達せず打ち捨てられている建物やアパートの改築を進め、将来約60万戸を居住可能な状態へもっていく旨を提案している。

ちなみに、大統領決選投票で気になるフロンナショナルの票の行方であるが、マリーヌ・ルペン自身は白紙投票をするが、自分の支持層には何の方向付けもしない、と発言した。一方メランション支持票は、予測では90%以上がオーランド候補へ、バイルー支持層の票は大多数がサルコジ候補へ流れるもよう。

サルコジ候補は5月1日、全閣僚を集めトロカデロで大集会を行う。1993年に自殺した元社会党首相ピエール・ベレゴボワの命日となる今日、オーランド候補はヌヴェールへ赴いて集会は一休止。

5月2日、夜9時から、TVで候補討論が予定されている。

・EUの失業問題深刻:

次期大統領は未曾有の経済恐慌に直面することになる。フランスでは毎日500人が失業するペースで、この4月失業率9.8%を記録した。スペインは一昨日、アメリカのスタンダード&プアーズ社から発行体格を[A]から[BBB]に格下げされ、経済不安定を改めて露呈。スペインの失業率は、24%を記録してヨーロッパで最高(ギリシャ21%、イタリア9.4%)となり、うち16歳から25歳までの若者層は52%が就職口を探していることがあきらかにされた。世界の失業率の見通しは暗く、2012年の今日、失業者は2億2百万人。2013年には、2億7百万人へ増加する。

・サルコジ候補、2007年時のスキャンダル:

2007年の大統領選挙直前に、ニコラ・サルコジがリビアのカダフィ大佐から7000万ユーロの政治献金を受けた疑いを、フランスのジャーナリストがインターネット紙に載せたことで、昨日、ニコラ・サルコジが「事実無根」として訴えを出した。訴えられたジャーナリスト側は、「十分な調査による裏づけがあって掲載したもので、サルコジ候補の訴えを正面から受けるつもりです」と係争する姿勢を見せた。サルコジ候補は、ロレアル社のリリアンヌ・ベタンクールから90年代に政治献金を受けた疑いをもたれており、すでに審議中である。

メディアパール関連ページ: Mediapart -sarkozy-kadhafi-dix-mois-d-investigations-

(フランス2TV、BFMTV、TF1TV)