EU/ 欧州連合、プラスチック廃棄物へ宣戦布告

 in Brussels

欧州連合(EU)は、欧州清浄化の緊急計画の一環で、プラスチック廃棄物との戦いに拍車をかけ、2030年までにあらゆる梱包材を再利用可能なものかリサイクル可能なものだけにすることを目標に置くことを決めた。これまで外国のプラスチック廃棄物を輸入してリサイクルしていた中国が廃棄物の輸入を禁止したことをきっかけに、欧州各国が協議。プラスチックの生産と回収の近代化を進めることを目的に、研究費として3億5千万ユーロを投資することになった。

https://futurism.com/end-plastic-officially-arrived/

プラスチック汚染

2021年まで毎年、人間は約1兆2000億のペットボトルを使用すると推定されている。使い捨てプラスチックの生産は無制限で、約800万トン以上が毎年海洋に流れ出しているという。増大してやまないこの問題は、地球の生態系を脅かし自然を窒息させ、野生生物に害を及ぼしているのだ。問題が駆け足で深刻化しているのに、世界中の政府や企業が手を拱いているわけにはいかない。

最近のプラスチック廃棄物を抑制する動きの中でEUは、2030年までにヨーロッパ全域の包装が再利用可能またはリサイクル可能なプラスチックにする努力をすることを決定した。中国がこれまで外国のプラスチック廃棄物の輸入をしていたのを禁止した(ban the import)のをきっかけに、プラスチック廃棄物が欧州にとどまり増大していく現実に直面したため、EU関係者は方策を模索し始めたのだ。欧州議会はこのため、研究費として3億5千万ユーロの投資を伴うプラスチック戦略を開始した。

欧州議会の副議長Frans Timmermansはザ・ガーディアン紙のインタビューで、一回きりの使い捨てプラスチックの有害性についてこう説明した。「生産に5秒かかり、5分で使い終わるのに、分解して無くなるのに500年もかかります (takes 500 years to break down again)」。

プラスチックの終わり

使い捨てプラスチックを削減する動きは、世界的な高まりを見せている。例えば、アジア系食糧チェーンの「ワガママ」は、4月22日の「地球の日」から、プラスチックのストローの配布をやめ、代わりに、自然分解する紙製の代替品にするという。さらに、イギリスのスーパー・マーケット・チェーン・アイスランドは、2023年末までに、ブランドラベルをつけたプラスチック梱包材を大幅に削減するか完全に廃止すると発表。そして、昨年12月、およそ200カ国が、海洋のプラスチック汚染を排除するための国連決議に署名したのである。

「何もしなければ、50年後の海は、魚よりプラスチックの方が多くなるだろう」と欧州議会の副議長Frans Timmermans。使い捨てプラスチックの使用について氏は、「心理的な問題です」とし、「消費者は、段階的に廃止されていくことに慣れる必要があります」とつけ加えた。

EUはまた、使い捨てプラスチックへの課税も対策として視野に入れている。予算支援の重要な部分になる可能性があるからだ。プラスチック汚染を減らし排除していくためのこれらの多様な努力は、まだ初期段階にある。 しかし、そのようなイニシアチブとそれを超える行動を促す能力は、海洋を浄化し、地球が将来ゴミの埋立地にはならないために不可欠なのである。

https://www.theguardian.com/environment/2018/jan/16/eu-declares-war-on-plastic-waste-2030

 

プラスチック破片を飲み込む深海の生物たち

欧州議会のイニシアチブ

・EUは、2030年までに全プラスチックの55%をリサイクルし、加盟国は1人あたりの袋の使用を年間90から2026年までに40に減らすことを望んでいる。

・より優れたプラスチックの設計、耐久性およびリサイクル性を追求する研究には、現在の支出額に加えて一億ユーロが上乗せされる。EU加盟国は「海洋廃棄物を監視および削減する」義務を負う。

・欧州委員会は、ボトル入り飲料水の需要を減らすために、公道での水道水へのアクセスを容易にし、消費者がリサイクル可能なプラスチックの選別方法や回収方法を改善できるようにガイダンスを加盟国に提供する。

・欧州連合(EU)はまた、プラスチックパッケージングの新しいラベルを提案し、リサイクル可能であることを消費者に明確にする。またすでに英国政府が禁止したが、化粧品やヘルスケア製品へのマイクロプラスチックの添加を禁止する予定だ already been taken by the UK government

・新しい港湾受入施設は、すでに条例で決められている海洋投棄を最小限に抑えるために、廃棄物管理を合理化することを目指す。

 

「小さい破片のようになってしまうために海の魚が食べ、その魚が我々の食卓に戻ってきており、人間の健康問題を引き起こしている」と、欧州委員会(European Commission)のジルキ・カティイネン(Jyrki Katainen)氏。

ティムマーマンズ氏は、欧州連合(EU)のイニシアチブは質の高い約束であり、加盟国を強制する方法の詳細については不十分であるが、直面している課題について真剣であると主張した。

毎年、ヨーロッパ人は2千5百万トンのプラスチック廃棄物を出しているが、リサイクル回収はその30%未満でしかない。世界各地で、プラスチック製品の85%が砂浜に集まるという。

 

ニュース・ソース https://futurism.com/end-plastic-officially-arrived/

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