フランスから―環境とアートのブログ

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Author Archive

5月8日

フランスの第二次世界大戦終戦記念日 8日朝、オランド大統領は凱旋門の無名兵士の墓へ参拝。 戦争がつくりあげた神話(フランス2TVから) この5月8日は、第二次世界大戦が終了して71年を記念する日となる。戦いは、今の私たちが考えるようなものではまったくなかった。1945年5月、ナチスドイツが打倒され、勝利者にとって大きな安堵の日が訪れた。しかし、それはまた、この戦争から紡ぎだされた多くの物語の始まりでもあった。

Nuit deboutと新労働基準法案の行方

労働法案に反対する肉弾戦 2016年3月、ミリアム・エルコムリ労働大臣(38)が労働基準法改革案「エルコムリ法」を発表してから2ヶ月。4月7日付の拙ブログでも紹介したが 、新法案は、解雇がしやすくなり、残業や休日労働の報酬が一律大幅減少するなど、雇用者に有利な雇用関係を推しだす一方で労働者の権利が著しく損なわれる恐れがあると評価する学生や市民が増加、労働法改革案反対集会「Nuit debout」が全国各地で行なわれるようになった。当局は、集会施設やテントの撤去、座り込む市民の強制撤去を強行しており、その際の警察による暴力が取りざたされている。 ・ミリアム・エルコムリ https://fr.wikipedia.org/wiki/Myriam_El_Khomri
飛躍するフランスの軍需産業

飛躍するフランスの軍需産業

オーストラリアから潜水艦12隻の受注 オーストラリアの首相が4月26日、ドイツと日本を退けて、フランスがオーストラリアの潜水艦12隻の受注を勝ち取ったと発表した。その総工費、340億ユーロ(約4兆円)。オランド仏大統領は、これを「フランスが世界の競争に勝ち抜いていけるだけの力を保持していることのしるし」として、勝利したDCNSグループを賞賛した。 潜水艦の名前は「バラクーダ」。全長97m、乗員60人を収容できる。推進力はディーゼルで超高感度ソーナーによりエンジンの音が検知されないのが大きな特徴だ。
スペイン、地中海で魚とともに水揚げされるプラスチックをリサイクル、モードに変身

スペイン、地中海で魚とともに水揚げされるプラスチックをリサイクル、モードに変身

 一年に900トンのプラスチックやごみが投げ捨てられる地中海 地中海沿岸のスペインの猟師たちの引き上げる網には、大量のプラスチックのごみがいわしや海老などに混じっている。分解するには100年はかかるというプラスチック。年々ごみは増え続け、地中海は汚染される一方だ。一回の水揚げが100kg程度とすると、そのうち魚は80kgでプラスチックは20kg。魚をごみから選別してきれいにするのに1時間はかかるという。そこで、漁師たちが水揚げしたプラスチックを回収し、プラスチックのアップ・リサイクルをする会社がタイアップして仕事をし始めることになった。…
Nuit debout 労働法改革に反対する若者たち

Nuit debout 労働法改革に反対する若者たち

今日もフランス全国190箇所以上で、労働法改革法案に反対する集会が行われるという。集まる若者が、Nuit debout(立ちあがる夜)と呼ぶ集会はパリではレピュブリック広場で行われ、昨夜で7日目の夜を迎えた。労働大臣ミリアム・エル=コムリ(Myriam El Khomri)がマニュエル・ヴァルス首相の支持を得て提出した労働法改革案は、労働者の権利を著しく損ない、一方で、雇用率を高める効力はほとんどない、という世論調査の結果が出ている。

テロ対策、警察の装備を重く

フランス内務省が、警察の新しい武装計画について発表した。軍隊が使用する戦闘用の自動小銃を憲兵隊と警察の犯罪担当班に装備させるというもの。自動小銃(アサルトライフル)は、今まで警察が使用していた9mm弾丸の代わりに、5,56mm弾丸が利用される。「この弾丸ならひとつで敵を倒すことができる」という5,56mmは、防弾チョッキを貫通させる強力なインパクトを持つという。この新装備計画は、2014年1月のシャルリー・エブド襲撃の折に重装備のテロリストと数メートルの距離で向かい合ったパトロールカーの警察官がこれに対処できる装備をまったくしていなかったことで、テロリストを逃がさざるを得なかったことを受けて発案されたものだ。 アサルトライフルの訓練を始めた警察の犯罪担当班もあるが、現在のところ全国に敷衍するには装備予定数が少ない。2018年までには警察全体に訓練を施し、全国どこでも20分以内にこの武器を装備して駆けつけられるように配備を進める方針だ。 (フランス2TV)

プラスチックと海

プラスチックのごみ汚染 http://www.plasticoceans.net/

フランス、7月1日からプラスチックのレジ袋禁止

環境保全に向けて、プラスチックのレジ袋使用禁止の政令 スーパーマーケットなどのプラスチックのレジ袋の使用をフランス全土で禁止する政令が発表された。履行は2016年7月1日から。 環境大臣セゴレーヌ・ロワイヤルの経済と環境を結びつけるエコロジー対策のなかで、プラスチックのレジ袋禁止は近未来、環境保全に向けて新しい素材の産業化による雇用の創造を見込んだ一挙両得策である。プラスチックに取って代わる自然分解素材の産業化で、約3000の新雇用が見込まれるという。 2016年3月31日発表のた政令は、環境保全エネルギー拡大を目指す法律の一環となるプラスチックの袋利用禁止令で、スーパーのみならず薬局、本屋、肉屋などすべての商業で使われるプラスチックのレジ袋に適用される。2016年7月1日からは、厚さ50ミクロン以下の薄い袋が禁止となり、2017年1月1日から、バイオマス(自然分解する植物性物質)で作られた袋以外のすべてのプラスチック袋の利用が禁止される。プラスチック素材の基準はこの秋発表される予定。2025年1月1日までには、約60%が自然分解するプラスチック、「バイオプラスチック」に入れ替わる方針だ。

アクチュアリティ・日本、311

平成28年3月13日。原発事故から5年目。この間私は、非科学、非人道、不当の政府の対策に憤りと嘆きを抱き続けてきた。技術の進歩と平等の概念、培われてきたはずの叡智はどこへ。これまでの原発事故、特にヨーロッパを汚染したチェルノブイリ原発事故がのこした教訓はあろうことか為政者の逃避と詭弁に利用されることが目立ち、人を救うためには使われない。多発する子供のがんを目の当たりにして、事故当時チェルノブイリへ入ったリキダター(清算人)と呼ばれた放射能の始末屋たちが、「子供を一番先に避難させるべきだった」とのちのち悔いたのを思い出す。日本の被災地の5年目は原発事故の汚染地区と大きく重なり、甲状腺がんの多発に見る人への害は端緒を開いたばかりだという。がんを患うことで自由な未来を奪われて生きる供たち。放射能汚染地区へ子どもを縛り付け、極限の不安の中で生きることを強いる為政者の罪は計り知れなく重い。 2016年3月11日の報道ステーション。この番組を見られた方が多いと思うが、問題点を詳らかにする一つの機会としてこのブログにアップしたいと思う。

アクチュアリティ・日本

報道するラジオ、アップ 必聴。高石大臣の「電波停止」発言で、報道法とは何か、なぜ報道法が成立したかを見直す報道するラジオ。「放送法は放送の独立性を高めるために作られたもの」。放送法は、戦前の反省から戦後の権力からの自由を保証すると理解しなければならない。報道活動は人権の一部である。「日本のように直接放送を政府が直轄しようとする国は珍しい。ほかにあるとすれば、北朝鮮とベトナムくらい」。今の報道のあり方へつながる放送法の歴史へ…

ネットで公開-仏財務相、ロビーに宣戦布告か

ミシェル・サパン仏財務相、ロビーの議員への圧力に抵抗、議員汚職撲滅に新法案提出 3月の閣議に、サパン法案No2を提出。「堅固な立法化により、賄賂の発生を抑える」として、政界と企業の癒着に対抗するとともに議員収賄防止に向けた新法案をル・パリジャンに発表した。ロビーと議員のあいだに行われるプレゼントや劇場・サッカーなどの招待、昼食や費用持ちの旅行などはこれから一切禁止。禁止事項が守られているかどうかを監視するロビー登録機構をつくる上で、「誰がどのような利益関係でどのような大臣と接触するのかなどを知ることが重要」と説明した。すでに2013年に設けられたLa Haute Autorité pour la transparence de la vie publique (HATVP、「公共生活の透明性のための権威当局(仮訳)」がロビーの監視役を担う。
フランス、内閣改造

フランス、内閣改造

法務大臣クリスチアーヌ・トビラの辞任から時間の問題とされていた内閣改造が2月11日、発表の運びとなった。 まずは、外務大臣ローラン・ファビウスの離職が11日最初に報道され、その代わりに外務大臣に元首相のジャン=マルク・エローが就いた。ローラン・ファビウスは憲法評議会の議長へ就任。内閣改造で特記すべきは、エコロジストが3人入閣したことで、エマニュエル・コスが住宅大臣(2014年にエコロジストのセシル・デュフロがこの職にあった)に就いたことだ。セシル・デュフロは当時、マニュエル・ヴァルス内閣とそりが合わず、エコロジストはデュフロの辞任を契機に政権への参画をしないと宣言しており、これら3人のエコロジストの入閣は、緑の党をあからさまに内部分裂へ導く恐れがある。実際緑の党は、入閣を受け入れた3人に、緑の党を代表することをやめるよう忠告するなどし、コス新住宅大臣は即座にこれを受けて、緑の党から一歩退くことを公表した。

アクチュアリティ・日本

今国会で何が議論されているか、高浜原発再稼動へ 久々の報道するラジオアップ
クリスチアーヌ・トビラ、絶賛の国会演説特集

クリスチアーヌ・トビラ、絶賛の国会演説特集

3年半法務大臣を務めたクリスチアーヌ・トビラ(1952年仏領ギアナ生まれ)の雄弁さは、同じ左派の議員連中を聞き入らせ、立ち上がらせて拍手の渦を巻き起こすことが何回もあった。法務大臣の辞任を惜しむTVラジオ新聞が記憶に残る国会中継を取りまとめた映像を発している。 トビラ、辞任演説 「政府との重大な見解の相違のために、私は辞任します。私は私に忠実であるべく・・・」