ミシェル・サパン仏財務相、ロビーの議員への圧力に抵抗、議員汚職撲滅に新法案提出
3月の閣議に、サパン法案No2を提出。「堅固な立法化により、賄賂の発生を抑える」として、政界と企業の癒着に対抗するとともに議員収賄防止に向けた新法案をル・パリジャンに発表した。ロビーと議員のあいだに行われるプレゼントや劇場・サッカーなどの招待、昼食や費用持ちの旅行などはこれから一切禁止。禁止事項が守られているかどうかを監視するロビー登録機構をつくる上で、「誰がどのような利益関係でどのような大臣と接触するのかなどを知ることが重要」と説明した。すでに2013年に設けられたLa Haute Autorité pour la transparence de la vie publique (HATVP、「公共生活の透明性のための権威当局(仮訳)」がロビーの監視役を担う。
元財務相のジェローム・カユザックが、スイスの銀行に隠し口座を持ち脱税をしていた事件がきっかけで、より透明性が望まれる議員や大臣の私有財産の公表はすでに行なわれているが、これからは、HATVP公共生活の透明性のための権威当局のサイトに、あらたにロビー登録が義務付けられる方針だ。登録では、会社名、メンバーの名前、企業内容など権益範囲の説明欄を満たさなければならないようになっており、一般が自由にアクセスして閲覧できる。
すでにロビーの登録は2009年に自由意志による登録を開始しており、法案の決定は2014年になされている。しかし今回の法案では、会社の目的、会社名義の総会の報酬や出費総額なども記入が義務付けられることになる。会社の利益のための数字の改竄は固く禁じられ、発覚した場合は3万ユーロの罰金が課せられるという。
このロビー登録法で、ロビーの圧力を退け、議員汚職を食い止めたい意向だ。
EDF・フランス電気会社、原発のメンテナンスに汲々
EDF・フランス電気会社は、4000人の解雇を余儀なくされる見込みだ。というのも昨年度の収入が例年の3分の一になったためで、原因はまず、フランス電気会社がかかえる58基の原発の老朽化によるメンテナンスの費用がかさみすぎること。その費用、500億ユーロ。次にイギリスに新しい原子力発電所を二基建設しているが建設費用がかさみすぎていて、230億ユーロの赤字。経済的窮地にあるアレバの原子炉技術を買う契約が、12億ユーロ。オート・マルヌに建設中の放射性廃棄物保管所に8億ユーロと、支出が上積みされ続けていることによるものだ。
EDFの株価も2分の1に下がり、電気料金は2015年の約半分の価格を余儀なくされており、解雇は必至と見られる。
(フランス2TV)