フランスから―環境とアートのブログ

開く:記事の大見出しをクリックする
Author Archive

日本の「調査」捕鯨、国際社会が問う中身

「科学プログラムにおける調査」と称して続けられる日本の捕鯨。実は絶滅種を含むクジラ目の捕獲は特定の海で禁止されている。クジラを殺す行為が本当に「科学的調査」のためであるならば、その成果があってしかるべき、というのが国際司法裁判所の意向だ。いったい禁止されているクジラ捕獲を日本が正当化しようとし続けるのはなぜなのか。ここでは、2014年5月に発刊されたフランスの『シアンス&アヴニール(科学と未来)』誌が掲載した「日本の調査捕鯨、禁止」と題された記事を紹介。日本に向けられている世界の目とは? …

イスラム過激派、フランス人人質を惨殺

2014年9月24日、アルジェリアで人質になっていたフランス人、エルヴェ・グルデル(55歳、登山専門ガイド)がイスラム過激派によって斬首された。エルヴェ・グルデルは4日前に山歩きをするために10日間の旅行予定でアルジェリアを訪れていたが、イスラム過激派ジハードに捕まって人質となった。フランス人拘束の声明が発せられたと同時に、アルジェリア政府は軍隊1500人およびサーマル・カメラや犬などの装備を総動員して捜索していたが、功を奏さなかった。先のアメリカ人とイギリス人の斬首のときと同じようにビデオがネットにのせられた。ニュースではこのビデオを公開しないが、内容は、覆面4人の武装した男たちに囲まれた人質エルヴェ・グルデルが、「フランソワーズ、エルワン、アヌーク、両親へ、愛しています」という家族への短いことばを発した後、一人の男が、「フランスのイラクへの武力介入を糾弾する」と言って、人質の首を切り落とした4分ほどのものだ。エルヴェ・グルデルの惨殺のニュースはフランス中を駆け巡って国民を震撼とさせた。…
フランス人が好きなモニュメント、9月20日一位決定

フランス人が好きなモニュメント、9月20日一位決定

フランス2TV企画、「フランス人が好きなモニュメント  LE MONUMENT PRÉFÉRÉ DES FRANÇAIS」は9月20日土曜日、ヨーロッパ遺産の日に全国投票の結果発表の日を迎えた。なんと、22地域の代表のなかから一位になったのはブルカンブレス市のブル王立僧院!!!ベルサイユ宮殿、ルーブル、あるいはロワール川の中世の城、サンマロー、ストラスブールやルーアンの大聖堂などの幾多の著名な建造物を下し、「フランス人の好きなモニュメント2014」のトップに輝いた。 少し前、ローヌ・アルプの人気投票で地域のトップになって嬉しい、というブログを書いたばかり。ブル王立僧院は現在、僧院の機能はまったくなく、「ブル美術館」として美術館機能が主となっている。そのキュレーターが、ブル王立僧院で撮ったフランス2TVのこの番組の司会者のスナップをFBにアップしていたのが気になっていたが、どうやらこれは一等賞になった授賞式を撮影中のものだったらしい。ブルカンブレスの市長が記念品を受け取って、お祝いの風船を飛ばした。今夜は、ブル王立僧院での中庭で、2時間15分にわたるフランス2TV番組「フランス人が好きなモニュメント」の最終回を大型スクリーンでリアルタイムで上映した。もちろん今日は、ヨーロッパ遺産の日。ブル王立僧院も番組の終わるつい先ほどの夜11時過ぎまで開館。王立僧院は来館者とこうして放送を見て受賞を祝ったようである。

ヨーロッパ遺産の日、9月20日、21日

  ヨーロッパ遺産の日、Journées européennes du patrimoine 今年は9月20日、21日、今週末! 一年に一度ヨーロッパの国々が行う「ヨーロッパ遺産の日(英語:European Heritage Days)」は、1991年、ヨーロッパ評議会によって制定されたイベント。ヨーロッパ連合によってサポートされており、大本はフランス文化省が1984年、「歴史建造物の門を開く日」をつくり普段見られない歴史建造物を一般公開したのがモデルとなっている。 今日、ヨーロッパ諸国約50カ国が参加するヨーロッパ遺産の日は、8月の終わりから11月初頭にかけて開催され、建造物の特別公開が行われると同時に美術館博物館が無料となる。
フランス人が好きなモニュメント、ビデオ150分 NO.4

フランス人が好きなモニュメント、ビデオ150分 NO.4

フランスをディスカバーしたい人たちには必見のフランス2TV企画、「フランス人が好きなモニュメント」。シャンパーニュ・アルデンヌ、ペイ・ド・ラ・ロワール、プロヴァンス・アルプ・コート・ダジュール、コルシカ。9月20日にフランス2TVで最終投票発表。
パフォーマンス「水を追いかける」最終回、ヨーロッパ遺産の日

パフォーマンス「水を追いかける」最終回、ヨーロッパ遺産の日

2014年9月20日、21日、つまりこの週末、ヨーロッパ遺産の日に向けて、平川滋子「ウォーター・フットプリント」展の第4回目のパフォーマンス「水を追いかける」が、現在展覧会が企画されているフィニステール県トレヴァレーズ領で行われる。領地の貯水池1800トン、狩の池の800トン、合計2600トンを緑に染めて領地内に流す大掛かりなパフォーマンスは最終回を迎える。展覧会は10月12日まで。
フランス人が好きなモニュメントのひとつ、ブル王立僧院

フランス人が好きなモニュメントのひとつ、ブル王立僧院

フランス2TVが企画するフランス人が好きなモニュメントへの投票で、ブル王立僧院がローヌ・アルプ地域の一位になった。昨年秋から今年3月にかけて王立僧院(ブル美術館)で企画された『私の夢のかなた』展に筆者が制作したインスタレーション「火の天使」を設置した現場が地域の首位を獲得するとは、筆者も嬉しい。

展覧会アジャンダ、2014年9月

展覧会アジャンダ、2014年9月  [TRAM情報 -イル・ド・フランス- パリおよびパリ周辺の5県] ・Maison d’Art Bernard Anthonioz メゾン・ダール・ベルナール・アントニオーズ オープニング、9月3日、19時。展覧会は10月19日まで。 住所:16 rue Charles VII 94130 Nogent-sur-Marne Xavier Antin, “News from Nowhere” Image : “Sans titre”, 2014 © Xavier Antin. Courtesy de l’artiste et de la Galerie Crèvecoeur.   ・Galerie municipale Jean-Collet  ジャン・コレ市民ギャラリー オープニング、9月6日、18時から。10月12日まで。 “Flash-back”, ストリート・ペインティング、アメリカ70年代 住所:59, av. Guy-Môquet 94400 Vitry-sur-Seine Tél. : 01 43 91 15 33 Image :...

アクチュアリティ・日本、農業用ため池の除染放棄に憤る、ビデオ4本

・2014年9月1日、TBSテレビから。隠れた放射能汚染「除染放棄」に憤る人々 [ビデオ・コメント] Ajoutée le 1 sept. 2014 福島第一原発の事故で飛散した放射性物質の除染。環境省は先月、河川や池などでは行わ­ないという方針を示しました。ところが、福島県内の池などでは隠れた高濃度の放射能汚­染があり、自治体からは懸念の声が上がっていることが「NEWS23」の調べで明らか­になりました。
日本、6人に一人、子供の貧困

日本、6人に一人、子供の貧困

子供の貧困、という表現が昔から存在していたのかどうか私には分からない。教育は義務と権利だから受けられるが、給食費が払えない、文房具が変えない、服が買えない、ひどい場合は自分のうちが水も電気も止められて風呂にも入れないから学校にくるのが恥ずかしいなど、身辺のひけめからくる登校拒否、友達と同じ話題に入れない等が原因になるいじめなどが起き、学業が遅れますますひどい状況へ陥っていく子供たちが、なんと16.3%、つまり、6人に一人いるのが今の日本の社会だという。子供の貧困とは、子供のいる家庭の貧困のことだ。家庭の貧困が子供の貧困をもたらすのであって、その過半数66%をしめる家庭が母子家庭なのだそうだ。2014年現在の16.3%とは、例えば一学級42人の生徒のうち7人がこうした貧困に当たり、その数は過去最悪を記録した。OECD(経済協力開発機構、Organisation for Economic Co-operation and Development, OECD 本部はパリ)加盟先進国のうち日本の順位は下から数えたほうが早いのだ。
ヴァルス第二次内閣発足、女性大臣8人、男性大臣8人、文化大臣に内閣初のアジア人

ヴァルス第二次内閣発足、女性大臣8人、男性大臣8人、文化大臣に内閣初のアジア人

内閣総辞職、とは大げさすぎる手続きだったのではないか、とフランスTVがヴァルス首相を追及するほど、第一次内閣の大臣の留任が多い内閣改造となった。新内閣の顔ぶれやいきさつについて説明するためにフランス2TV8時のニュースに出たヴァルス首相。「ああした破綻があれば、政府としては全体を統率するために権威を振るうしかない」。アルノー・モントブール財務大臣が反旗を翻して、昨日の内閣総辞職で財務大臣、文化大臣、教育大臣の3人が内閣構成から離脱を表明。結局空いた財務、文化、教育の3つのポストに新大臣を任命することで騒動を収束させるかたちだ。

アクチュアリティ 仏内閣総辞職

[フランス、内閣総辞職] 8月25日、マニュエル・ヴァルス首相がフランソワ・オーランド大統領に内閣総辞職を届け出た。オーランド大統領はこれを受理、即座に新しい組閣をヴァルス首相に申し入れ、26日には新閣僚の顔ぶれが発表される見込みだ。内閣総辞職の直接の引き金となったのは財務大臣のアルノー・モントブールが「この二年、現在フランスが行っている緊縮政策は大きな誤りで、今政策転換をしなければますますフランス経済が悪化することになるという見解を、何回となく文章にしたため、内閣ならびに大統領へ進言してきたが、一切聞き入れられなかった」と公言したことにあり、政府の分裂ひいては社会党の分裂を露呈させることになった。ヴァルスが首相に就いて5ヶ月目にして内閣総辞職に至ったことについて、右派左派にかかわらず野党からは、市民の信頼を裏切る危機的なオーランド政権といった大きな批判の声が飛び交った。ヴァルス首相が提出した内閣総辞職願いを受けて、いち早くみずから大臣職を退き次期内閣からも遠ざかることを表明したのは、モントブール財務大臣、フィリペッティ文化大臣、アモン教育大臣の3人(いずれも社会党)。

70年前の「ドラゴン作戦」、フランス解放へ

8月15日。日本は69年目の終戦記念日。フランスはこの日は聖母の被昇天(せいぼのひしょうてん、L’Assomption de Marie)にあたり、休日だ。カトリック教会では聖母マリアが肉体と魂を持って昇天したことを意味し、1950年からローマ教皇が宣言して教義となった。8月15日という日は、5世紀に聖母マリアを祀った最初の教会がエルサレムへの奉献をした日であるらしい。 一方で、8月15日はフランスにとっても第二次世界大戦を終了させる重要な記念日のひとつとなっている。1944年8月15日早朝、フランスを占領していたドイツ軍を押さえ込む「オペラシオン・ドラゴン」が開始された。6月6日、ノルマンディー上陸作戦で英仏海峡側の北フランスから進攻した連合軍は、一方で70日後の8月15日、南フランスのプロヴァンスへ上陸、進攻を開始した。戦艦2000隻、フランスのレジスタンス軍、イギリス軍、アメリカ軍総計26万人がテウルThéoule からロンド・レ・モールLa Londe-les-Mauresまでの25kmの海岸線に上陸した。前夜の8月14日、19時15分、ロンドンのBBCラジオが「ナンシーは肩こり」という暗号を拡散して各方面へ実行を伝え、明け方5000を超えるパラシュート部隊が舞い降りて戦いが始まり、戦闘の最前線はアゲからカヴァレールまでの70kmにも及んだという。…

イギリス編、水際のインスタレーション、ビデオ2本

セレクション:水とインスタレーション、イギリス編