安保法制へ、たった10分の閣議で決定
人の命 戦後70年も国民がその威光にあずかってきた日本国憲法。恒久平和を約束する第9条がこうも簡単に有名無実化できるものなのだろうか。2015年5月14日、閣議において、予てから論及されていた集団的自衛権の容認に派生する軍事法規の変更が、たった10分で異議もなく決定された。改めて言うが、日本国憲法、綿密な法の手続き、人間の尊厳、世界の平和の論理、といった人間社会の根幹となるべきものをないがしろにして現政府が閣議決定したもの(非武装三原則の撤廃、秘密保護法、そしてこの安保法制の中身)たちは、国民全体から激しく問われてしかるべきものだ。 毎日新聞、「安保法案:本当に撃てるのか…防衛大卒55歳記者は聞いた」・・・記事へ ・・・親しい陸自将官OBは「憲法9条で守られてきたのは実は自衛隊だった」と漏らす。日本に攻めてきた敵とは戦う。だが、海外で自衛官が殺したり殺されたりする事態は、9条により免れてきた、と。
アレバ社大量解雇へ-原子力産業の激しい後退
フランス原子力開発の中心となる大企業アレバ社が、大量解雇を決定した。2011年の福島第一原発事故を受けて世界が原子力発電に足踏みをはじめたことで、2014年度の損失が48億ユーロに上ったためだ。フランス国内の解雇は約4000人、ヨーロッパその他の国を含めると解雇者は総計で6000人になるもよう。(フランス2TV ) ル・モンド電子版「アレバ6000人解雇」・・・記事へ
フランスの非常警戒態勢継続へ予算投入
テロ攻撃への非常警戒体制、無期限継続へ予算投入 2015年4月29日、大統領官邸エリゼ宮での防衛評議会でフランソワ・オランド大統領がテロ攻撃への非常警戒体制を無期限で継続する計画を発表した。国の負債削減のために2019年を目処に予定されていたフランス国防省の人員削減目標3万4千人を改め、うち1万8500人を保留。そのためにかかる費用38億ユーロをフランス国防省へあてる旨を明らかにした。(警戒強化のため人員が必要であることによる削減保留。) 「法案は5月20日の内閣評議会に提出される。この法案で今後4年間に必要とされる38億ユーロを供出することになるが、政府としてまたこれまでの各省が切り詰めてきた予算を鑑みてもかなり重要な額といわなければならない。・・・」

今日のPHOTO 花見
Photography by Shigeko Hirakawa 2015年4月19日日曜の隣町のソー公園。八重桜が満開の公園でこんな人出を見たのは初めて。12日の日曜はまだすべてつぼみだったが、温度が急に上がった陽気で一気に咲いたもののよう。
アクチュアリティ・日本
日本は、戦争をする国になるのか? 憲法無視の危機的な政府の暴走について、報道するラジオが東京新聞のジャーナリストに訊く。 ・20150417 報道するラジオ「安倍政権が目指す安保法制の正体」

クライシス・マップ、フランス文化が死ぬ!
ル・パリジャンが、今年中止になった音楽、演劇、パフォーマンス、ダンス、現代アートなどの文化活動やフェスティバルを集計。開催中止、機関の消滅、文化施設の閉鎖などを含めた総計は、143に上ることが分かった。同紙は「クライシス・マップ! フランス文化が死ぬ」と題した地図を発表している(下のリンクを参照)。 いずれも、予算や公共の支援削減によって運営不可能となったもので、同紙は「国が厳しい選択を迫った」としている。主な原因は、2014年3月の地方選挙で政権が交代した市町村の政策転換によるもので、消滅の憂き目をみたフェスティバルの中には、今年10万人の来場を見込んでいたベルフォールのロックコンサートなども含まれ、関係者のみならず一般からも、「文化の危機的状態」という声が上がっている。
フランステレビ局で大規模なサイバー・アタック
2015年4月8日の夜、フランステレビ5モンド(5国際放送)が大規模なサイバーアタックを受け、放送中の200カ国11チャンネルが同時に中断し画面が真っ黒になった。同局は、局使用のツィッター、フェイスブック、オフィシャルサイトも同時にハッキングされ、各ページにはジハードのシンボルが現れ、またイスラム国のプロパガンダ記事が掲載されるなどして、一斉に制御不能に陥った。全体が回復するのに20時間を要したが、セキュリティ機能の修理などにはさらに数週間かかるという。翌9日の朝、フランステレビ5に内務大臣、文化大臣、外務大臣の3人が集まりディレクターと会議。サイバー・アタックはイスラム国による犯行声明があり、この事件を組織的かつ深刻なサイバー・テロとみなして国を挙げて対処していく旨、内務相が記者会見で発表した。…
地方選挙、パリテは守られているか?
パリテ法 — Parité oblige ! フランス統一地方選挙(県)の決選投票となる2度目の投票を3月29日に終え、県知事を決める3度目の投票が昨日木曜日に行われた。フランステレビは県知事の「パリテ」について言及。「パリテ」、つまり政治の場における男女同数を目指す法律が守られいるかどうか、進展や課題について政府担当機関の調査による見解が発表された。 政府担当機関とは、2013年、マニュエル・ヴァルス内閣に政策運営や監視役として設置された首相付「男女平等最高評議会」のことで、2014年の統一地方(市町村)選挙結果ではやはり男性が数の上で優勢だったことを鑑み、2015年の県議選挙には男女を一組とした立候補制を採用することを決め、当選者の男女比が自動的に同等になるよう仕向けた。そのため例えばドゥー・ゼーヴル県では4年前(2011年サルコジ政権下)、県議会は100%男性であったのが、先週の地方選挙終了後は女性17人、男性17人の完璧なパリテ議会が誕生。しかしながら木曜の知事選出投票では、やっぱり男性が選ばれてしまった。フランス海外県も合わせて101県の知事はやっぱり男性が大多数。木曜の選挙結果、これまで6人だった女性知事が4人増えて10人になったのは喜ばしいとしても、女性知事は全体の10%しか占めず、男女の差はまだまだ大きいといわなければならない。…

フランス統一選挙、与党社会党、大敗
3月22日と29日に行われたフランス全国地方統一選挙(県)の結果、与党オーランド政権の中枢をなす社会党が大敗した。結果は予想通りの社会党の大敗だが、今回はいつもブログの最後に書くマイ・オピニオンからはじめようと思う。 My opinion: というのも、22日の第一回目の投票で国民の24%の支持率を得て大きく飛躍したはずの極右政党フロン・ナショナルが、29日の決選投票の結果、一県も政権を握ることができないで終わったからだ。とりあえず最右翼をシャットアウトしたフランスの選挙制度に言及したい。フランスの地方選挙では、50%以上(過半数)の票を獲得しなければ当選しないという決まりがある。票が細かく割れると誰も当選しないということが起きるため、一つの選挙区に沢山の候補者が立つのは稀である。したがって、政策の似通った極左、社会党、共産党などは左派連合を組み、また多種の右派が集まって連合としてまとまり、それぞれの候補者を出すことが通常となってきた。

今日のPHOTO
3月23日撮影の写真は桃やアーモンドの花が咲き始めたわが町のようす。パリは大気汚染がひどく、奇数日の今日は末尾が奇数番号の車のみがパリに入れるという車の交通規制が一日中行われたが、わが町シャトネイ・マラブリイは晴天で大気汚染のかけらも裸眼では見当たらず、花が咲きほころぶ季節を享受。 Photography by Shigeko Hirakawa

3月22日、フランス全国地方統一選挙(県)
2015年3月24日更新(下段に追記): 3月22日、日曜日は2011年から4年ぶりのフランス98県の県議を選出する全国地方統一選挙が行われ、フランス全国の開票結果が発表された。 下の簡略図は、ル・モンド電子版のフランスの各選挙区域で優勢な政党と政党連合を色分けしたもので、赤・濃いピンク、ピンクなどの暖色系は左派(オランド与党政権は左派社会党)、ブルー系は右派、濃紺は極右政党のフロンナショナル(国民戦線)だ。ブルーに染まりつつあるフランスは右傾化を示している。

パリ周辺現代アートセンターに光も
パリ周辺の現代アートセンターのなかには、古くから継続して発信を続ける施設もあれば、新しくできたスペースもあり、ここでは、最近見に行ったパリ南方の郊外にある四つの現代アートセンターの顔を少し紹介したいと思う。ヴェリズィ、マラコフ、アルフォールヴィルのセンターは市のサポートによって成り立っており、こうしたパリ周辺の市が応援する現代アートセンターは数が多い。そうした発信地はこの次取材ができた折に、少しずつアップする予定。現在開催中の展覧会へのアクセスは各サイトで。
高くつくテロ対策、一日100万ユーロ & Le Zap
[警備費、一日100万ユーロ(約一億三千万円)] フランスは、1月のシャルリ・エブド銃撃テロ以来、とくにイル・ド・フランスとアルプ・マリチームの二州で襲撃警戒態勢を布いており、これまでの警察や憲兵1万2千人に加え、1万5百人の兵隊が全国にちりばめられている。軍隊出動作戦は「サンチネル」と名づけられたが、国内に兵隊をこれだけ見るのはアルジェリア戦争以来始めてのこと。この警戒態勢は少なくとも4月10日まで続き、可能性として数ヶ月の延長もありうる。すでに9.11以来、観光地や官庁、交通機関などの要所で厳重な警戒を布いていたフランスは、これに加えてイスラム教寺院、ユダヤ教徒の集まる場所、小中学校など教育の現場など830箇所(うち310箇所はイル・ド・フランス)の警備を含めた軍隊出動で、総計一日の出費が100万ユーロに上る、と発表した。
閉鎖に追い込まれる現代アートセンター
フランス各地で、現代アートセンターが6箇所ほど閉鎖に追い込まれつつある。主に、経済的な理由からで、支援する公共団体、市町村県などの経済粛清、右傾化(極右政党の市長*が文化予算カット)による政策の方向転換が大本にある。パリ近郊では、ブランメニルとブレティニィ・シュル・オルジュの現代アートセンター(Centre d’art contemporain CAC)が危機状態。 ほかにパリのマイヨール美術館が閉鎖を決定。またペルピニャンでは美術学校の閉鎖が懸念されている。