フランスから―環境とアートのブログ

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・アクチュアリティ

キャトルズ・ジュイエ(7月14日)

7月14日、日本でいうパリ祭。シャンゼリゼ通りで伝統の軍事パレードが行われた。 今年1月のテロ以来の警戒態勢で、今日のシャンゼリゼも厳重な警備がしかれ、警察や軍隊の数1万1千人が繰り出した。フランスはテロ対策に多大な費用を費やし続けており、無理のできない今日の軍事パレードは「ロー・コスト」で、という。今年はメキシコの軍隊が鷹を連れパレードに色を添えた。 (ビデオの頭にコマーシャルが入ることがあります)

学長の突然の更迭、パリ国立高等美術学校

パリ国立高等美術学校、いわゆる「ボザール」の学長ニコラ・ブリオー(Nicolas Bourriaud)が7月3日、フランス文化大臣フラー・ペルラン(Fleur Pellerin)と芸術創造総事務局長のミシェル・オリエ(DGCA Michel Orier)との35分の会合の後、突然学長職から退くよう言い渡されたことで、美術関係者や学生の間から大きな不満の声が上がっている。 ニコラ・ブリオーは2000年のパレ・ド・トーキョー開館に尽力したディレクターの一人で美術批評家としてもよく知られ、2011年からパリのエコール・デ・ボザールの学長に就任し「時代の要求にあわせるべく」学内改革を進め、昨年任期更新を終えたばかりで、今回の更迭はいわれなき青天の霹靂。学生たちは「馬鹿扱いされた思い」と形容。現代アート作家らは結束して文化大臣に更迭取り下げ要求の手紙を宛てるなどし、美術関係者のあいだから署名運動が広がっている。

アレバ社大量解雇へ-原子力産業の激しい後退

フランス原子力開発の中心となる大企業アレバ社が、大量解雇を決定した。2011年の福島第一原発事故を受けて世界が原子力発電に足踏みをはじめたことで、2014年度の損失が48億ユーロに上ったためだ。フランス国内の解雇は約4000人、ヨーロッパその他の国を含めると解雇者は総計で6000人になるもよう。(フランス2TV ) ル・モンド電子版「アレバ6000人解雇」・・・記事へ

フランスの非常警戒態勢継続へ予算投入

テロ攻撃への非常警戒体制、無期限継続へ予算投入 2015年4月29日、大統領官邸エリゼ宮での防衛評議会でフランソワ・オランド大統領がテロ攻撃への非常警戒体制を無期限で継続する計画を発表した。国の負債削減のために2019年を目処に予定されていたフランス国防省の人員削減目標3万4千人を改め、うち1万8500人を保留。そのためにかかる費用38億ユーロをフランス国防省へあてる旨を明らかにした。(警戒強化のため人員が必要であることによる削減保留。) 「法案は5月20日の内閣評議会に提出される。この法案で今後4年間に必要とされる38億ユーロを供出することになるが、政府としてまたこれまでの各省が切り詰めてきた予算を鑑みてもかなり重要な額といわなければならない。・・・」
今日のPHOTO 花見

今日のPHOTO 花見

Photography by Shigeko Hirakawa  2015年4月19日日曜の隣町のソー公園。八重桜が満開の公園でこんな人出を見たのは初めて。12日の日曜はまだすべてつぼみだったが、温度が急に上がった陽気で一気に咲いたもののよう。      
クライシス・マップ、フランス文化が死ぬ!

クライシス・マップ、フランス文化が死ぬ!

ル・パリジャンが、今年中止になった音楽、演劇、パフォーマンス、ダンス、現代アートなどの文化活動やフェスティバルを集計。開催中止、機関の消滅、文化施設の閉鎖などを含めた総計は、143に上ることが分かった。同紙は「クライシス・マップ! フランス文化が死ぬ」と題した地図を発表している(下のリンクを参照)。 いずれも、予算や公共の支援削減によって運営不可能となったもので、同紙は「国が厳しい選択を迫った」としている。主な原因は、2014年3月の地方選挙で政権が交代した市町村の政策転換によるもので、消滅の憂き目をみたフェスティバルの中には、今年10万人の来場を見込んでいたベルフォールのロックコンサートなども含まれ、関係者のみならず一般からも、「文化の危機的状態」という声が上がっている。

フランステレビ局で大規模なサイバー・アタック

2015年4月8日の夜、フランステレビ5モンド(5国際放送)が大規模なサイバーアタックを受け、放送中の200カ国11チャンネルが同時に中断し画面が真っ黒になった。同局は、局使用のツィッター、フェイスブック、オフィシャルサイトも同時にハッキングされ、各ページにはジハードのシンボルが現れ、またイスラム国のプロパガンダ記事が掲載されるなどして、一斉に制御不能に陥った。全体が回復するのに20時間を要したが、セキュリティ機能の修理などにはさらに数週間かかるという。翌9日の朝、フランステレビ5に内務大臣、文化大臣、外務大臣の3人が集まりディレクターと会議。サイバー・アタックはイスラム国による犯行声明があり、この事件を組織的かつ深刻なサイバー・テロとみなして国を挙げて対処していく旨、内務相が記者会見で発表した。…

地方選挙、パリテは守られているか?

パリテ法 — Parité oblige ! フランス統一地方選挙(県)の決選投票となる2度目の投票を3月29日に終え、県知事を決める3度目の投票が昨日木曜日に行われた。フランステレビは県知事の「パリテ」について言及。「パリテ」、つまり政治の場における男女同数を目指す法律が守られいるかどうか、進展や課題について政府担当機関の調査による見解が発表された。 政府担当機関とは、2013年、マニュエル・ヴァルス内閣に政策運営や監視役として設置された首相付「男女平等最高評議会」のことで、2014年の統一地方(市町村)選挙結果ではやはり男性が数の上で優勢だったことを鑑み、2015年の県議選挙には男女を一組とした立候補制を採用することを決め、当選者の男女比が自動的に同等になるよう仕向けた。そのため例えばドゥー・ゼーヴル県では4年前(2011年サルコジ政権下)、県議会は100%男性であったのが、先週の地方選挙終了後は女性17人、男性17人の完璧なパリテ議会が誕生。しかしながら木曜の知事選出投票では、やっぱり男性が選ばれてしまった。フランス海外県も合わせて101県の知事はやっぱり男性が大多数。木曜の選挙結果、これまで6人だった女性知事が4人増えて10人になったのは喜ばしいとしても、女性知事は全体の10%しか占めず、男女の差はまだまだ大きいといわなければならない。…
フランス統一選挙、与党社会党、大敗

フランス統一選挙、与党社会党、大敗

3月22日と29日に行われたフランス全国地方統一選挙(県)の結果、与党オーランド政権の中枢をなす社会党が大敗した。結果は予想通りの社会党の大敗だが、今回はいつもブログの最後に書くマイ・オピニオンからはじめようと思う。 My opinion:  というのも、22日の第一回目の投票で国民の24%の支持率を得て大きく飛躍したはずの極右政党フロン・ナショナルが、29日の決選投票の結果、一県も政権を握ることができないで終わったからだ。とりあえず最右翼をシャットアウトしたフランスの選挙制度に言及したい。フランスの地方選挙では、50%以上(過半数)の票を獲得しなければ当選しないという決まりがある。票が細かく割れると誰も当選しないということが起きるため、一つの選挙区に沢山の候補者が立つのは稀である。したがって、政策の似通った極左、社会党、共産党などは左派連合を組み、また多種の右派が集まって連合としてまとまり、それぞれの候補者を出すことが通常となってきた。
3月22日、フランス全国地方統一選挙(県)

3月22日、フランス全国地方統一選挙(県)

2015年3月24日更新(下段に追記): 3月22日、日曜日は2011年から4年ぶりのフランス98県の県議を選出する全国地方統一選挙が行われ、フランス全国の開票結果が発表された。 下の簡略図は、ル・モンド電子版のフランスの各選挙区域で優勢な政党と政党連合を色分けしたもので、赤・濃いピンク、ピンクなどの暖色系は左派(オランド与党政権は左派社会党)、ブルー系は右派、濃紺は極右政党のフロンナショナル(国民戦線)だ。ブルーに染まりつつあるフランスは右傾化を示している。

高くつくテロ対策、一日100万ユーロ & Le Zap

[警備費、一日100万ユーロ(約一億三千万円)] フランスは、1月のシャルリ・エブド銃撃テロ以来、とくにイル・ド・フランスとアルプ・マリチームの二州で襲撃警戒態勢を布いており、これまでの警察や憲兵1万2千人に加え、1万5百人の兵隊が全国にちりばめられている。軍隊出動作戦は「サンチネル」と名づけられたが、国内に兵隊をこれだけ見るのはアルジェリア戦争以来始めてのこと。この警戒態勢は少なくとも4月10日まで続き、可能性として数ヶ月の延長もありうる。すでに9.11以来、観光地や官庁、交通機関などの要所で厳重な警戒を布いていたフランスは、これに加えてイスラム教寺院、ユダヤ教徒の集まる場所、小中学校など教育の現場など830箇所(うち310箇所はイル・ド・フランス)の警備を含めた軍隊出動で、総計一日の出費が100万ユーロに上る、と発表した。

続く墓荒らし

2月19日更新:ユダヤ人墓地を荒らした容疑で昨日拘束された15歳から17歳の5人の高校生は、ユダヤ人冒涜を目的としたものと検察官が判断を下し、正式に拘留へ。最大で懲役7年が課される可能性。 *** 「なぜ続くのか、フランスの墓荒らし」- 2月18日、フランス2TV 夜のニュースから。先日のアルザス地方でのユダヤ人墓地が250以上破壊された事件で、高校生が5人逮捕され、司法拘留されることになった。高校生たちはネオナチを称しており、単なるいたずらというよりはユダヤ人に対する攻撃目的で墓を破壊したと判断されている。当該高校では、先生や同級生が「想像を絶する」とことばをなくした。 また今日は、ユダヤ人の墓地ではなく、キリスト教の墓地が攻撃目的となり、フランス北部のカルバドスの小村の墓地で、十字架が折られて地面に転がっていたり、キリストの像が頭から地面に突き刺されていたり、沢山の墓が惨たらしく破壊されているのが発見された。「信じられない。死んだ人の眠りをどうして妨げなくっちゃあならないんですか」、「こんな酷いのは初めて見た」と村人たちは涙ぐむ。

アンチセミティズム

アンチセミティズム(Antisémitisme)は日本語には「反ユダヤ主義」と訳され、今日フランスで反ユダヤ勢力がユダヤ人を暴力的に阻害したり、ユダヤ人の器物を破損したりする行為をさして言う言葉だ。一昨日フランス、アルザス地方のユダヤ人墓地で墓が大量に破壊された。倒されたり破壊されたりした墓石は300にも上る。状況から計画的な犯行と見られ、警察が捜査をしていたが、昨日近くの高校生3人が犯人と断定され器物損害罪で逮捕された。 「これで3回目だ」というユダヤ人家族。「前回は墓石が粉々になっていて、どうやったらこんなひどいことができるのか」。(フランス2TV)

スパイ・リクルート作戦、テロ対策

オランド大統領、支持率急上昇 今年1月15日、16日世論調査でオランド大統領の支持率が21%近く急上昇し、国民の40%が大統領に満足していると答えた。昨年暮れ12月の世論調査では19%の支持率しかなく、歴代大統領のうち最低を記録していたが、シャルリ・エブド本社の銃撃テロ事件後の素早い対応と解決、ならびに1月11日のヨーロッパやアフリカの首脳を結局60人近く集め、市民400万人の大行進で「共和国の価値(自由、平等、友愛)」を見せつけ歴史を刻んだ手腕に国民が敬意を表したもの。 ル・モンド、1月19日付電子版はこちら