アートプロジェクト「10万年の迷路」ー 平川滋子
新たなプロジェクトに向けて あるテーマについて、2018年4月から9月にかけて、フランス、ドイツ、アメリカ、イギリス、日本など保有国のルポルタージュを中心に、密度の高いドキュメンタリー映像を 59本を視聴した。歴史と科学に触れ、事実に迫り、視野を広げなければならなかった。何よりもそれはまた、これを一つのプロジェクトとして立ち上げる際の、作品世界の「立ち位置を決定する」唯一の導線だったのである。
アーティスト・イン・レジデンス公募
La Box、プロジェクト募集 プルジュ国立美術学校主催、アーティスト・イン・レジデンス グラント:3000ユーロ 【応募書類 – フランス語必須】
環境世界協定の基本法が、フランス大統領へ
ソルボンヌ大学で6月24日土曜、40か国の国際法学者によって推敲された「環境国際協定 Pact international pour l’environnement」が元国連総長からエマニュエル・マクロン仏大統領へ手渡された。 ソルボンヌにおける環境協定に関する討論会の後マクロン大統領は、「私はただ口演をするだけではなく、行動をすることを誓います」と述べたのみならず、「文書を展開させ、参加国の理解を得るべく、この9月、国連総会へ環境世界協定の実現へ向けたプロジェクトを提出する」ことを約束して皆を驚かせた。
新作、「青い飛翔」
蒼い飛翔 -羽を持つ木- 平川滋子作品 2015年9月8日から27日まで、アーティスト・イン・レジデンスで制作した新作。企画はショザル・エコ農業教育農場。州、県、文化省の支援を得て行われる年に一回のランド・アート・レジデンシーで選ばれた。
プロジェクト「ウォーター・フットプリント」
[プロジェクト「ウォーター・フットプリント」] 構想は2012年。実現は2014年4月、フランス、フィニステール県トレヴァレーズ領での企画展「アーティストの視線」。 展覧会「Regard d’artiste」: トレヴァレーズ領の企画展覧会(アーティスト二人の作品プロフィール): - Shigeko Hirakawa : Water Footprint Project - François Méchain : Perspectives Domaine de Trévarez, Saint Goazec, France 会期:2014年4月12日から10月13日まで、毎日開館。 企画:フィニステール県、EPCC Chemins du patrimoine en Finistère サイト:http://www.cdp29.fr/fr/agenda/view/151/shigeko-hirakawa/ Trévarez: トレヴァレーズ領、便利インフォメーション 平川滋子、プロジェクト「ウォーターフットプリント」の内容と展示作品: インスタレーション「ウォーター・フットプリント」(55トンの水の上を歩く) パフォーマンス「水を追いかける」(1800トンの水を染めて放水) インスタレーション「オー・アン・ブル」 パフォーマンス「水を追いかける」の実施日: ・Festival of Rhododendron, 5月10,11日 ・Rendezvous in the Gardens, 5月31日、6月1日 ・ヨーロッパ遺産の日,9月20、 21日 インスタレーション「ウォーター・フットプリント」(55トンの水の上を歩く)Photo:S.H. 「ウォーター・フットプリント」とは? おおまかにいうと家庭や農業、産業その他で利用されて消費され人間や地域に必要な水の総量のことをさす。
新プロジェクト、ウォーター・フットプリント
更新:2014年2月16日 フランス、フィニステール県、トレバレズ領シュマン・デュ・パトリモワンヌ・アン・フィニステール企画 平川滋子個展 [新プロジェクト、ウォーター・フットプリント] 開催:2014年4月11日から10月末日まで
Mandala oublié 忘れられた曼荼羅・その4
2013年4月27日から10月31日まで開催されている「ジュミエージュ、ア・スィエル・ウーヴェール」野外展 土を入れた作品は芝が育ち、4種の青い野生の花が入れ違いに咲き続けることになっている。土から過去の遺跡が起き上がるように、また幻想の遺跡が宇宙に浮かんだように見えるように設計した作品「忘れられた曼荼羅、瞑想の迷路」は夏の間こんな風だ。 ビデオ:忘れられた曼荼羅 8月9日撮影
Mandala oublié 忘れられた曼荼羅・その2
「Mandala oublié マンダラ・ウーブリエ(忘れられた曼荼羅)」-2013年プロジェクト 〈その2〉 [展覧会:2013年4月27日-10月31日、フランス、セーヌ・マリティーム県ジュミエージュ、修道院] 忘れられた曼荼羅・その1から、つづき: リサーチを続けていくうちに興味深い二つの写真が目にとまった。・・・
COAL アートと環境プライズ、国際コンクール
Coalアートと環境プライズ 2013 プロジェクト応募期限:2013年2月28日。 COALアートと環境プライズは毎年、環境を主題とする現代アートの作家を対象に1万ユーロ(約百万円)をグラントとして授与する賞である。審査員には、環境、エコロジー、研究者、持続可能な開発、現代アートの各分野から著名者を招聘。第一次専攻で応募者の中から10人を選出、うち一人がグラントを獲得する。 COAL国際コンクールの目的は、現代アーティストに同世代の社会・環境問題に迫り、エコロジーと自然にかかわる新しい分野の育成へ参画してもらうことにある。
《Appel d’air – アペル・デール》 ドキュメント
〔空気が危ない?〕プロジェクトは2003年、われわれの生活環境が生み出す大気汚染が森林の自然の再生能力に害を与え始めていることにインスピレーションを受けて、調査と創造を開始した環境アート・プロジェクトである。制作は、2006年のアルジャントゥイユ市で制作した「光合成の木」を皮切りに、2012年のショーモン領での「天の果実をつけた木」まで、フランス、日本、アメリカで合計9回行われた。このページは、2010年ルーアン市で行ったインスタレーション、「Appel d’air (空気の誘引)」の記録である。 ----- 《Appel d’air – アペル・デール》、環境アートインスタレーション フランス、ルーアン市企画「ルーアン・アンプレッショネ展」の中での企画プロジェクト。展覧会は2010年6月から8月まで、ルーアン市植物公園で。
きょうの話
さて、今の私の話である。 現在、夏のルーアンの大きなプロジェクトのほかに、この秋に向けて隣町の企画個展のプロジェクトを同時進行している。隣町のメゾン・デ・ザール文化センターのディレクターが私のアトリエに来たのは去年の夏前のことだった。突然の電話で、まあコンタクトはいつも突然ではあるけれど、彼女らが初めて企画する野外展のアーティストに私を選んでくれたということだった。その時点からずっと、アイデアを出してはああでもないこうでもないと話し合いばかりを続けている。もう長いあいだメゾン・デ・ザールで展覧会を企画している人たちではあるが、野外のテンポラリーなインスタレーションへのアプローチは初めてのことで、なかなか理解が難しいらしい。財布を牛耳っている市の議員たちとは二ヶ月前に初めて会合をした。こちらはもっと違う世界だ。そうか、だいたい全体像が見えてきた。ようやくわがセンターでも現代アートに挑戦しようと一発奮起しているディレクターは、じつはもっと「厄介」な市議会を私と一緒に説き伏せようという心積もりだったらしい。周辺の事情がわかったからには、それなりに対応すべきであるとは思いつつ、毎回の話し合いには消耗以上の消耗を、強いられている。 ルーアン市長のように予めアーティストの知識を仕入れて理解し、初対面から何の問題もないミーティングをできるのは、いかに希少な理想型か。結局は、何を提示し、どう納得させられるかに問題は集約するのだけれど、一方で、それぞれ企画によって事情には雲泥の差がある。状況によって、はたまた人によって、アーティストもあらゆる方策を準備しておかなくてはならないのが現実、といったところなのだ。 6月1日にまた、隣町の市議会議員とのミーティングを予定しているが、すっかり視点を変えてミーティングに臨んでみようと考えている。国際通貨基金のディレクターのドミニク・ストロスカーンのように「だまって私に仕事をさせてください」というようなセリフが、早い話、すんなり言えればそれですむような問題なのかもしれない、と思いつつ・・・。 もう一ヶ月くらい前、2008年にたててまだ紙の上のプロジェクトが実現に向かっているという連絡が入った。このプロジェクトは二つの町で実現することになりそうなのだ。一歩先へ進んだからには、下請け企業のリサーチから開始しなくてはならない。まだまだ山ほどリサーチをしなければならないプロジェクトなのである。一箇所からはきのう、契約書の下書きが送られてきた。目を通さなければならないが、まだルーアンに時間をとられている。すでに台湾から船が着き荷物が岸に上がっているのに、税関を通すための書類が一通足りない。いくら注意をして手配をしたつもりでも、何かがおきてしまうのは仕方がないが、きょうはその処理で一日終わってしまった。この週末は、6月1日の隣町の議員との会合に向けてプロジェクトのPDFを仕上げるつもりでいる。契約書に目を通すのはそれからになるだろう。 さてもうひとつ、きのうは現代アートに関する本を書きながら展覧会プロジェクトを同時にするという人の電話を受けた。コンタクトは5月はじめにメールが来たのが最初である。展覧会企画のほうはパリ市の応援を頼みにしているらしい。セレクションしたアーティストがどのような形で発表までたどり着くのか、まだ、ふわふわしたアイデア状態といった気配だ。幸い急がないようなので、ルーアンのインスタレーションがオープンしたあとの7月に、実質的な話し合いに入ることになった。 2005年あたりから、本を書くから私の仕事や仕事の写真を入れたい、という話がよく湧き上がるようになった。ちょくちょくコンタクトを受けるものの、実際に図版入り単行本が出版されたのは今年の《ジャルダン・エコロジック》という360ページの厚い本が、仕事のちゃんとしたプレゼンテーションをいれてくれた初めての本となった。ほかは数回、企画がもちあがって原稿ができたのに、出版の時点で流れてしまうというもったいない事態で終わっている。今回、展覧会と同時に出版をということで、おそらくカタログがふくらんで執筆者の構想がふんだんに入る本のようなものができるのだろうと予測している。いずれにしても出版物にきちんと入れてもらえるのは喜ばしいことだ。(2010.5.29.S.H.)