ソルボンヌ大学で6月24日土曜、40か国の国際法学者によって推敲された「環境国際協定 Pact international pour l’environnement」が元国連総長からエマニュエル・マクロン仏大統領へ手渡された。
ソルボンヌにおける環境協定に関する討論会の後マクロン大統領は、「私はただ口演をするだけではなく、行動をすることを誓います」と述べたのみならず、「文書を展開させ、参加国の理解を得るべく、この9月、国連総会へ環境世界協定の実現へ向けたプロジェクトを提出する」ことを約束して皆を驚かせた。
世界協定は、26条からなる基本法である。世界中の80人のエキスパートが推敲した環境法の基本といえるものだ。これには、「エコロジックに正当な環境法」、「環境へ配慮をする法」が含まれ、司法の元へ国を召喚できるような制約を課す国際条約を結ぶ意欲を見せている。
「地球レベルで、私たちはパリ協定に引き続き、新しい段階へ進まなければならない」と述べたマクロン大統領に、COP21の議長を務めたローラン・ファビウスが、法学者クラブのシンクタンクとともに、介添えを務めた。「今日誰も、気候変動へ挑まないで、テロ撲滅や世界平和のために戦うことはできない」とマクロン大統領が強く主張。「私は我々の仲間を説き伏せようとしたのですが、何人かは失敗しました、皆さんがご存知のように」。もちろんそれが、「パリ協定を脱退し、過去に引き戻そうとする」ドナルド・トランプ米大統領であることは誰の目にも明らかだ。
この日、もう一人のスターがソルボンヌに姿を現した。アーノルド・シュワルツネッガーだ。「合衆国はたった一人の男のために後退しない。我々の州や町は彼のヴィジョンに賛成していない。大学も、研究者も技術者も同様です」。かつてターミネーターを演じたシュワルツネッガーが、「誰が協定を潰そうとしようとその人間は終わりだ。私が引き受ける」とジョーク半ばに発言すると、ローラン・ファビウスが、「気候変動に関しては、あなたはターミネーターではなくて、イニシエーターでありヴィジョネーター(先見の明のある人)だ」と発言して、階段教室を埋めた人々から爆笑が沸き起こった。
マクロン大統領は、トランプ米大統領がパリ協定脱退を発表した6月1日、英語で気候変動への戦いから退くアメリカに対し、「地球を再び偉大にしよう」と、アメリカと地球を置き換えて発言して、パリ協定の牽引役になる兆しを見せたのは記憶に新しい。6月24日の演説はさらに一段階進んで、リーダー役のイメージアップにつながったと言えよう。
エマニュエル・マクロンは、ドイツ、中国、インド、またアフリカ諸国と、9月の国連総会に向けて外交の絆を強めていくことになるだろう。
ブラジルの司法官アントニオ・ベンジャミンは、「マクロン大統領がその誓約のインパクトがどれくらいあるか計算してたのかどうかわからないが、大統領の言ったことは信じられない。普通なら、国際条約を作る時の思索はあまり広まらず断片的なものになる。だが、ここでは、二重に歴史的な場面に遭遇した。まず、私たちはこれまで、環境法が世界の法務官によって推敲されたのを見たことがなかったし、その条約が次の日には一国の大統領が引き継いで仕事を担うというのも初めてのことだ。人権憲章と民法を我々に贈った国は、法律の思索方法においても国際的な地位を自分に課した」と締めくくった。
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