先の見えないパンデミックの収束と経済予見
昨日の政府発表によると、コロナウィルスが原因で人工呼吸器を取り付けられているフランスの重篤患者数は 7148人に上るという。これらの人々は全身麻酔で人工的に昏睡状態に置かれ、肺に管を通して四六時中空気を送られている。この状態が2週間以上続くことがあるらしいが、患者の肉体的負担は大きく、心臓や腎臓などの臓器を弱めるという。人工呼吸器を装備したベッドはフランス全国に 5000あるというが、ここ数日は増加数が少しずつ減ってきたとはいうものの、4月2日の 6000人から8日の 7000人以上へと昏睡状態の重篤患者が1週間で1000人増加し、満床の飽和状態をとっくに超えたフランスの医療状況は想像を絶するものがある。
政治不安定が招く生物多様性の危機
政治不安定が生物多様性の危機を増大させる 科学雑誌『Nature』(12月20日、水)は、生物多様性に関する広範な研究結果を発表した。「動物の第6期大量絶滅が加速しているという悲しい現実は、今や周知の事実だ。人間活動の結果として、地球上のいたるところで脊椎動物と無脊椎動物の種や類例、および生息域が後退している。政治不安定や政策運営がうまくいかない国々が、経済成長や人口急増ならびに気候変動に対峙するのと同様、生物多様性の侵食をも促しているという点については、あまり言及されていない。… 法的社会的に堅固な比較的安定した法治国家において、自然保護地区が野生生物の多様性を保全していくことができるようだ」。
世界の危機は日本の危機…
新年の世界と日本の危うさへ、見通しを久々の「報道するラジオ」でじっくり考えます。世界と日本はつながっています。 20170102 報道するラジオ 「新春スペシャル~トランプで世界を占う!」
Before the Flood
Before the Flood マーチン・スコルセス監督、レオナルド・ディカプリオ主演の「洪水の前」。国連の気候変動への取り組みをディカプリオがルポルタージュを中心に明らかにしていく映画。 Before the Flood – Trailer | National Geographic About Before the Flood: Before the Flood, directed by Fisher Stevens, captures a three-year personal journey alongside Academy Award-winning actor and U.N. Messenger of Peace Leonardo DiCaprio as he interviews individuals from every facet of society in both developing and developed nations who...
フランス、7月1日からプラスチックのレジ袋禁止
環境保全に向けて、プラスチックのレジ袋使用禁止の政令 スーパーマーケットなどのプラスチックのレジ袋の使用をフランス全土で禁止する政令が発表された。履行は2016年7月1日から。 環境大臣セゴレーヌ・ロワイヤルの経済と環境を結びつけるエコロジー対策のなかで、プラスチックのレジ袋禁止は近未来、環境保全に向けて新しい素材の産業化による雇用の創造を見込んだ一挙両得策である。プラスチックに取って代わる自然分解素材の産業化で、約3000の新雇用が見込まれるという。 2016年3月31日発表のた政令は、環境保全エネルギー拡大を目指す法律の一環となるプラスチックの袋利用禁止令で、スーパーのみならず薬局、本屋、肉屋などすべての商業で使われるプラスチックのレジ袋に適用される。2016年7月1日からは、厚さ50ミクロン以下の薄い袋が禁止となり、2017年1月1日から、バイオマス(自然分解する植物性物質)で作られた袋以外のすべてのプラスチック袋の利用が禁止される。プラスチック素材の基準はこの秋発表される予定。2025年1月1日までには、約60%が自然分解するプラスチック、「バイオプラスチック」に入れ替わる方針だ。
アクチュアリティ、Le Zap
一日100ユーロの損、ブルターニュで家畜業者たちの怒り ブルターニュの家畜・乳産品業者、主に、養豚、牛、牛乳生産をしている農業経営者たちが、市場価格値下げによる赤字の増大で、怒り爆発。ブルターニュの国道をあちこちで塞ぎ、タイヤを燃やしたり瓦礫を自動車道にばら撒いて通行を止めるなどし、対応に警察が躍起になっている。「こういう行動にでも出ないと、誰にも聞いてもらえない!」。一日100ユーロの損、これが彼らの現状だ。
Start off
「Start off (起業)」に最適の町は? 8月4日付け、フランス2TV朝のニュースでの経済ザッピング。世界の投資家による起業に最適な町のランキングで、一位は大西洋を越えたアメリカのサンフランシスコ。シリコンバレーがあり、グーグルやアップルの地元でもある。第二位はニュー・ヨーク。欧州はようやく第6位にロンドン。フランスのパリは第11位と低い。資本蒐集や投入の難しさが起業の足を引っ張る。
アクチュアリティ、経済
・[外資参入に侃侃諤諤] フランスのアルストム(Alstom、 おおもとは Als-Thom、 Alsthom、Alsthom Atlantique、Gec-Alsthomと変遷し、1998年に現在のAlstomとなる)は交通輸送関係、主に鉄道生産(メトロ、電車、トラム)やエネルギー産業系統(発電所、風車など)の大手として有名だが、会社の不振と昨年の1300人の人員カット以来、会社の売出しを検討。シーメンスかアメリカのジェネラル・エレクトリックかとささやかれていたが、この2、3日で事態は急転直下、アルストム・パワーとアルストム・グリッドを対象にジェネラル・エレクトリックが123,5億ユーロを提案してオーランド大統領もまたアルストム社長パトリック・クロンもこのオファーに好意を示した。 ジェネラル・エレクトリック(以後省略してGE)はすでに19世紀半ばに電気機関車が普及し始めた折からアルストムと提携して仕事をするなどし、また、フランス国内にもベルフォールにGEの工場がアルストムと隣りあわせで生産に取り組んでおり、今回のGEの大型参入はそれほど驚くには値しないように思われるが、巨額のオファーをした4月29日から30日にかけて、政府の受け入れもまたアルストム社長クロン氏の対応も好意的かつ迅速にすぎ、これに対する一般市民側の懸念が噴出している。 フランス2TVの夜8時のニュースにGE社長、ジェフリィ・エメルト氏が招待され、最初から厳しい質問がとんだ。「GEはフランスを食いつぶす脅威になるのではないですか?」
アクチュアリティ・経済
1月13日金曜の夜、アメリカのスタンダード&プアーズ社が、フランスの発行体格の格下げに踏み切る - 発行体格付けとは、国債や社債などの債券を発行する発行体(この場合、国)の信用リスクの順位をA、B、Cの記号で表すもので、アメリカのスタンダード&プアーズ社、ムーディーズなどのその方面の専門の会社が国際経済の均衡の中で格付けをおこなっている。フランスはユーロ圏の経済危機のみならず、負債額の増加、国内のインフレが激しく、一ヶ月まえにスタンダード&プアーズ社から格下げの警告を受けていたが、今回、今までの最高レベルAAAからAA+へ、一段階の格下げが宣告され、これまでの危惧が現実となってしまった。経済の先行きが暗いばかりではなく、国民総生産の40%に値する大きな負債をかかえ、これが迅速に解消できない場合には、近い将来もう一段階の格下げの危険性を孕んでいる。 今回の格付け見直しによる格下げは、ヨーロッパ連合のほとんどの国が蒙っており、なかでもイタリアは今までのAからBBBへ二段階の格下げとなり、大きな痛手となるもよう。またその反対に、EUの中でも経済成長の優等生はドイツで、トリプルAを保持し続ける。…
アクチュアリティ
ユーロ圏6カ国が発行体格引き下げの監視下に - 負債が拍車をかける経済危機の真っ只中にいるヨーロッパ連合の、現在発行体格をAAAをつけられているフランス、ドイツ、オランダ、オーストリア、リュクセンブルグ、フィンランドの6カ国が、世界市場における格付けを認証するスタンダード・アンド・プアーズ社の監視下に入った。先にスタンダード・アンド・プアーズ社によって、すでにアメリカの発行体格がAAAからAA+へ引き下げられており、今回スタンダード・アンド・プアーズ社は、これから90日を目処に発行体引き下げを決定するかどうか慎重にヨーロッパの行方を監視していく方針だという。ヨーロッパの経済危機が深刻になるなかで、ドイツとフランスがイニシアチブを採りながらあらゆる方策が練られつづけているが、先の見通しがなかなかつかない市場不安に、発行体格の格引き下げの射程内に入ったことでヨーロッパではさらなる危機感が募っている。特にフランスは、AAAからAAに、つまり二段階の格下げが行われるのではないかと危惧されている。 ベルギー、541日ぶりに首相誕生 - オランダ語圏とフランス語圏の対立で首相が辞任してから無政府状態が続いていたベルギーで、541日目の昨日、ようやく新しい首相が就任して政府の国務再開の見通しがついた。新首相はフランス語圏の社会党で、エリオ・ディ・ルポ(Elio Di Rupo, 60歳)。 もう一つの太陽系で、居住可能な惑星発見 - NASAの発表によると、2009年にNASAが打ち上げた探索機が地球から600光年のところにあるケプラー(Kepler)22-bと名づけられた太陽系で、地球環境に似た惑星を発見したと言う。気温は22度あまり。ガスがあり水があることが判明しているが、地球のように硬い地面があるかどうかはまだわかっていない。 (フランス2TV)
アクチュアリティ
ヨーロッパ市場暴落、ブラックサーズディ - 7月18日木曜、ヨーロッパ市場、軒並み暴落。パリ、フランクフルトは-5%、ミラノ、-6%、ロンドン、-4%。翌19日も下落進行。ヨーロッパの負債に上乗せしてアメリカの景気後退が大きく影響しているもよう。欧州連合の負債国救済策で、返済不履行にあえぐ銀行の倒産がますます危ぶまれている。フランスの銀行も軒並み株価下落。すでに土台が脆弱化しているという醜聞がひろがったソシエテ・ジェネラル銀行が最悪の-12.34%を記録した。 フランス南部、猛暑 - フランスの南半分が南からの大きな高気圧に覆われ、今日は、最低気温20度、最高気温40度を越す地域が出ている。このウィークエンドはバカンス帰りであちこち渋滞。高速での熱波に注意。(フランス2TV) My opinion: 6月の猛暑、7月は冷夏で自動の暖房が入るほどの低温となり、また昨日から温度が上がり始めて今日は40度。一週間ほど前、アメリカの野外コンサート用大テントがコンサート中に暴雨風雨で吹き飛ばされ、また昨日はベルギーで同じように突然嵐が襲い野外コンサートの鉄のストラクチャーが逃げ惑う観客の頭上に落ちて死傷者が出た。フランス語で、鎖(くさり、chaîne)という単語を使って、物に脈絡をつけることをenchaîner (ひとつひとつの輪をつなげて鎖にすること)という単語を使うが、いちどつけられた脈絡がばらばらになることをdéchaînerといい、翻って、爆発するとか荒れ狂う、という意味になる。まさしく、経済も、天候もこのdéchainerに当てはまる世界の状況だ。ちなみに異常気象は、des déchaînements climatiques。鎖が切れた地球はどこへ行くのやら。人間の運命は地球が救えるかどうかにかかっている。(S.H.)
アクチュアリティ、ユーロ圏はどうなる?
経済: ブラッセル、ユーロ圏救済特別サミット - GDPの150%に上る3500億ユーロもの負債をかかえるギリシャを救済をするために、ニコラ・サルコジ仏大統領は昨日ドイツのアンゲラ・メルケル首相と事前協議をするためベルリン入りをし、きょう17か国のEU代表が集まるブラッセルの欧州特別審議会で仏独共同策を提示した。今日中にEUが救済介入を決定しなければギリシャが倒産する。ギリシャの後ろには同様に経済危機をかかえるポルトガル、スペイン、それに加えてイタリアの低迷が足を引っ張リ、ギリシャが倒産すればユーロ圏崩壊を招くことは必定だ。こうしたユーロ体制の危機に際し、何を犠牲にしてもギリシャを救済するというサルコジ大統領と、自国内の金融体制には一切影響を及ぼさないことを前提に救済策を決定したい意向のメルケル首相との会議は7時間にわたって行われた。きょう13時から現在行われているブラッセルのEU特別審議会は、ギリシャは負債の全額を返済する必要はないというEU統合はじまって以来前代未聞の提言をしてギリシャの破産を食い止めようとしているが、負債の返済を一部回避できるとなればギリシャに貸借している銀行が困窮に陥る可能性がある。ギリシャ国内は、VAT消費税の高騰、ゼネスト、賃金引下げ不払いが相次ぎ混乱は収まらない。救済策として返済見過ごしを導入するのは、事実上暫定策でしかないという見方が大勢だ。 経済: EU緊急特別審議会、ギリシャを救う姿勢強く見せつける - (上記の続き)10時間以上に及ぶ審議のすえ、EUは3500億ユーロの負債をかかえる破産寸前のギリシャにたいし、1580億ユーロの救済金を捻出することを決定した。予想されていた額より多く、うち、3分の2はEU17カ国が負担し、3分の1は銀行が利息を減らしまた負債の一部を帳消しにするなどの処置で負担する方針。ギリシャを救済することで、EU諸国がEU圏の保持に全力を努める姿勢を強く打ち出し、ユーロ圏崩壊を食い止める体勢を世界に誇示したことになる。 破産は食い止められるもののギリシャ国民は悲観的で、「今回の処置はほかの国にしわ寄せが行くだけで、国内生産をあげるよう国が努力しなければ、元の木阿弥だ」。(フランス2TV) 社会党フランソワ・オーランド、メディアの行き過ぎに激怒 - DSK、ドミニク・ストロス=カンのニューヨークの婦女暴行事件が一転二転。DSKがニューヨークで自由になったとたんに、フランスでは2003年にDSKに強姦されそうになったというトリスタンヌ・ボノンという女性がDSKを訴えでた。2003年、DSKは社会党政府の経済大臣で有力者。トリスタンヌ・ボノンは暴行された当時、友人や家族などの周囲におしとどめられて沈黙していたのだという。トリスタンヌ・ボノン事件に関し、検察が事情聴取をすることを決め、社会党の大統領候補で有力視されているフランソワ・オーランドが参考人として召還されることになった。問題は、『ル・フィガロ』日刊紙の一面に、トリスタンヌ・ボノンとフランソワ・オーランドの2人の合成写真が大きく取り上げられており、またしても社会党が汚名を着せられたような印象を与えたことだ。「私は事件にはなんら関係がなく、また第三者以外の何者でもない。いいかげんに、細工(報道の?)を止めないと、法廷に引き出す用意がある」とフランソワ・オーランドは激怒。検察は9月にでも事情聴取をといったが、9月は社会党の大統領候補を決定する大事な時期に入る。「事情聴取をするなら今すぐやってくれ」と答えて、早速昨日召還を受け、「周辺の人たちの一人として知らされた覚えはあるが、自分はまったく事件とはかかわりがなく、これ以上の情報はまったく無い」と強調したという。 社会党書記長も、この日「人を貶めようと裏工作やら小細工が横行しすぎている。政治はもっと大きなビジョンや政策の問題を前面にしてやっていくものではないですか」と、DSK事件を発端として、社会党の人気落しが裏工作され続けていることに業を煮やした発言をした。 エネルギー - EDFフランス電気会社が30億ユーロの予算で建設中の新型炉心を備えるフラマンビル原子力発電所建設(バース・ノルマンディー)がさらに遅れ、2016年を完成めどとすることにした。このために建設費用は二倍に膨れ上がり60億ユーロになるという。2010年を目指して建築中であったが二度の大事故ですでに大幅に遅滞していたもの。福島原発事故なども影響して、原発炉心構造のさらなる安全性が求められており、建築予算は雲をつく勢いで増加。世界中で同種の炉心建設計画が10箇所あるが、うちアブダビやイタリアは建設を中止した。 (フランス2TV、BFMTV)
アクチュアリティ
経済、さらにユーロ圏揺らぐ - きのう、世界市場でユーロ圏の危機が再び露になった。ギリシャ、ポルトガルに続くイタリア経済の弱体化が、ユーロ圏崩壊へのなだれ現象に拍車をかけるのではないかと懸念されている。イタリアはヨーロッパ経済では第3番目に位置した国であるが、経済相の収賄問題や、ペルロスコーニ首相の収賄問題等が国の経済低迷を招き、18兆ユーロという巨額の負債を背負い込んだ。負債額は国民総生産(GDP)の122%に相当する。すでに巨大な負債を抱え込むギリシャ、追随するポルトガル、スペインに加えてイタリアの経済危機はユーロ圏への影響が大。ちなみにEUは、ギリシャ救済にまだなんら解決策を得ていない。 フランス、風力原動機600基の建設へ - エオリエンヌ・オフショアーと呼ばれる海上での風力原動機建設実施が確定した。ノルマンディーの、サン・ナゼール、サン・ブリユー、フェカン、ル・トレポール沖合いに、重さ815トン高さ90mの風力原動機600基が、2016年をめどに環境省などの後押しで建設される運びとなった。フランスは2020年までに、エネルギー生産の23%をクリーン・エネルギーに転換する方針で、風力原動機の建設はその一環となる。建設費用100億ユーロ、225万世帯をカバーする見込み。海風が一定であるというメリット以外は、オフショアーで建設費用もメンテナンスも通常より費用がかさむ。採算が合うかどうかは稼動してから、という。 2012年、大統領選へ - きょうの国民調査で、フランス国民の61%がドミニク・ストロス=カンの立候補を好まない、という結果が出た。DSKが立候補するとすれば社会党からだが、社会党の立候補者二人、フランソワ・オーランド、マルチーヌ・オーブリィの人気は拮抗しており、いずれが立候補しても現大統領のニコラ・サルコジに7ポイント差で勝つ、という数値が出ている。ちなみに3番目は、フロン・ナショナル(極右政党)のマリーヌ・ルペン。サルコジとの差は5ポイントしかない。 (フランス2TV)