一日100ユーロの損、ブルターニュで家畜業者たちの怒り
ブルターニュの家畜・乳産品業者、主に、養豚、牛、牛乳生産をしている農業経営者たちが、市場価格値下げによる赤字の増大で、怒り爆発。ブルターニュの国道をあちこちで塞ぎ、タイヤを燃やしたり瓦礫を自動車道にばら撒いて通行を止めるなどし、対応に警察が躍起になっている。「こういう行動にでも出ないと、誰にも聞いてもらえない!」。一日100ユーロの損、これが彼らの現状だ。
昨年政府介入で、牛乳、牛肉、豚肉の市場価格の下限を決定したにもかかわらず、下限より下回る値段で買い取られることによる赤字が増大している。牛乳1リットルは、34サンチーム(0.34ユーロ)以上で売買されなければならないのが、現状の値段は下限より低い28サンチーム。豚肉は、1キロにつき1.4ユーロのはずが、市場の値段は1.093ユーロ。牛肉は、1キロ4.6ユーロが4ユーロで売買されている。
「今年は、8万ユーロ(1000万円強)の赤字が出た」という農業経営者。「どんどん赤字になって、新しい機械も入れられず、生産を近代化ができないことで余計に市場からおいてけぼりになっている」と養豚業者。「フランスは遺伝子組み換えの餌が禁止だ。ほかの国から安い牛肉が入ってくるが、もっとフランスの消費者は気をつけて肉を選んで欲しい。フランスの牛肉なら安全だということを知ってほしい」。
昨年9月に、政府が7億ユーロを農業経営者救済に当てることで合意したばかりだが、対応が遅く、未だに3分の2の経営者達がこの恩恵を受けていない。本来ならば農業経営者一人につき、直接援助金と社会保障をあわせて9000ユーロ(120万円ほど)が届いているはず。ただし、「援助金をもらっても、一日100ユーロの損失にはついていけない」。(フランス2TV)
健康保険制度見直し
2016年12月31日から、妊婦、乳児、長期にわたる治療が必要な患者は100%健康保険機構が負担し、無料となる。フランスは払い戻し制が主体だが、一般診療にかんして患者の支払いをもっと軽減できるよう、健康保険機構から医者へ直接支払う制度へ移る検討がなされている。
ニコラ・サルコジ、本を10万冊出版
ニコラ・サルコジ(前仏大統領)が260ページの新刊本を発行することが話題になっている。オランド現大統領の批判や、自分が大統領であった時期に起こったスキャンダルへの悔悟、在職中もっとやっておきたかった政策への言及。2017年大統領選へ向けての布石、というのがもっぱらの評。「10万冊という膨大な量は、誰が出版したかにかかわらず、話題になることは間違いない」とは、出版社の見解。
政治家の出版はこのところ増加傾向だ。2017年の大統領選へ向けて、政策の方向性や国の現在と未来の展望などを含め、国民へ訴えかける力は大きいことを見込んでの出版らしい。売れ行きの良いのは、一位、フィリップ・ド・ヴィリエの『Le moment est venu de dire ce que j’ai vu(私が見たことをいう時期が来た)』(2015年10月発刊)が17万7千冊。二位、フランソワ・フィヨン(元首相)の『Faire(行なう)』(2015年9月発刊)が8万7500冊。三位はアラン・ジュッペ(世論調査で次期大統領最有力)の『Pour un Etat fort(強い国になるために)』(2016日1月発刊)は数日前に発刊されながら、すでに7000冊。
さて、売れ行きが悪いほうの政治家の本は以下の通り。セシル・デュフロの『Le grand virage(大きな曲がり角)』(2015年9月)、1500冊。ジャン=クリストフ・カンバデルス『A gauche, les valeurs(左派、その価値)』、561冊。最後に、クリスチーヌ・ブタン『Qu’est ce que le PCD?(PCDキリスト教民主党とは何か)』(2010年発刊)で58冊。(フランス2TV)
新惑星発見、太陽系で一番遠い星
カリフォルニア・テクノロジー・インスティテュートの宇宙研究者たちが、太陽系で一番遠い惑星の存在の新しい証拠となる事実を発見したと発表した。この惑星は地球の10倍くらいの大きさの冷たい惑星であるという。宇宙研究者達はこの星を、[プラネット・ナイン(第九番目の惑星)]と名づけた。
2015年は、一番暑い年
温度計測が始まった136年以来の最高の気温を記録したという2015年、特に10、11、12月の気温は異常で、北極では2014年より20℃も高かった。