福島第一原発事故10年後の廃炉の今
「デブリ取り出し」と一言でいかにも簡単に表現されてしまうが、実際には人が近づけない高放射性物質の塊が800から900トンという量で存在している。どういった状態なのかまだ正確に把握されておらず、事故後7年たってようやく2号機の中に入ることのできるロボットが完成し映像が撮られたというその時間からして推しても、「取り出し」作業の実際や、取り出して危険な移送を行い保管をするまで途方もない時間がかかるに違いない。低放射性物質の保管は300年程度といわれる。高放射性物質のデブリを性急に解体して取り出し再び大気を汚染するのか、はたまた石棺を作って被い放射線量が天然ウラニウム程度になる10万年を待つか。もともと山積の問題の上に絵空事のように打ち立てられた「デブリ取り出し」。真実から遠い言葉は繰り返される。 事故後10年経過した今の状況を少しでも。 ANNnewsCH 特集 2021年3月
ドキュメンタリー:原子力、神話の終焉
13チャンネル、ピュブリック・セナ、原子力政策の終わりを明らかに 原子力ドキュメンタリー『原子力、神話の終焉– Nucléaire, la fin d´un mythe』が、9月22日と29日に政治専門のテレビ局ピュブリック・セナで全国放送された。やがてフランスでは、寿命40年を迎える原子炉が34基に上る。原発が延命されるにせよ廃炉にされるにせよ、これからかかる膨大な費用と崩壊していく「安全」を前に、国やフランス電気会社EDFの足踏みがいかに危険を助長するか、54分のドキュメンタリーが浮き彫りにする。
福島第一原発、プロモーション・ビデオの時代と今
二つのビデオ 福島第一原発とそのプロモーションを映像にした1991年東京電力製作ビデオと、2017年3月、事故から6年後の廃炉へ向けての困難を報道するテレ朝の特集ビデオ日本を見比べることにした。 1991年製作ビデオには、原子炉の構造がよく説明されているので今見ても大変参考になるのだが、一つのエラーが言葉で封印されていることに気づかないわけにはいかない…。
3.11、震災から7年 no.2
【ビデオ no.2】 ・燃料デブリ取り出しは「絵に描いた餅」と原子力安全委の田中元委員長。100年単位で時間をかけるべき危険な作業…
3.11、震災から7年
【ビデオ no.1】 7年後の今日に至る福島第一原発事故の側面。関連死を含め2万2千人以上が犠牲になった2011年の東北大震災と津波、そして福島第一原発事故。未だに実質数7万人が帰郷困難であるという。7年経っても遠い廃炉。汚染水。
選挙に行こう、脱原発
選挙に行こう、[原発問題] 2012年の衆議院選挙では、自民党への実際の投票数は全体の30%であったにもかかわらず、議席数の80%という悠々過半数以上を占める与党となった。たったの30%の票がなぜ80%の議席に豹変したのか? どうやら、二位との接戦で勝った自民党立候補者が多かった、ということだ。接戦ならば、投票に行こうかどうしようか迷っている人の一票が大変なものを言う。すでに述べたように有権者の1%が100万人、つまり100万票という大きな数。投票率を70%に引き上げれば、1000万人以上の声の反映を期待できるのだ。 2012年を振り返ってみよう。投票率は59.32%、戦後最低を記録した。読売ONLINEの当時の解析は、「投票率が減少した背景には、公示直前まで複数の政党が乱立し、争点が見えにくかったことなどが有権者の関心を低下させた可能性もある。また、29年ぶりの[師走選挙]となったことに加え、地域によっては降雪などが影響し、投票所に向かう有権者の足が遠のいたとの見方もある」という。またしても二年後に迎えた降雪と多忙の[師走選挙]! 安倍首相の、低い投票率を期待するかのような二匹目のドジョウの解散劇に、有権者はしっかり対処していかなければならないのだと思う。…
アクチュアリティ・日本、マイナンバー制 etc.
NB:2013年6月1日、ニュース追加(下方) マイナンバー制、5月24日参院可決。2016年から施行へ。 昔、「国民総背番号制」と呼んだ法案が「マイナンバー制」と名称を変えて、今の政権下で立法化されようとしている。総背番号制が国民に嫌われたのは、人間を画一化してしまい、情報を一箇所に集めることによって、国が国民を統制しやすくする、いわば国側の利益のためのシステムであることを国民が把握しその将来を懸念したからだ。名称が「マイナンバー」になってもその危険性には変わりがないはず。ことに現在、IT化される個人情報は、ハッキングされ悪用される可能性があり、個人財産も危険に晒される可能性が非常に高い。こうした個人情報の漏出が心配されるシステムの立法化を、国に敢行させてしまっていいのだろうか。保険番号がマイナンバーのような役目をするアメリカでは、個人情報の盗用や悪用で年間数兆円の被害があるという。そのはなしを聞く。(S.H.)
アクチュアリティ・日本 震災から二年
2013年3月11日、東北大震災から二年。フランスでも大手テレビ局、新聞、電子版ニュースなどほとんどのメディアが一斉に震災二年目の日本の様子を伝えた。フランス2TVのニュースでは、フランス人駐在員による被災地の難しい復興の現状、進まない除染や、大勢の難民をレポート。「プレハブに住んで毎日テレビを見るか寝るかしかすることはなく、どこにもいけないので大変体に悪い」、また「財産が一切合切やられたので、政府が何とかしてくれるまで動けない。いつまで続くやら、気が重い」といった原発難民のインタビューによる厳しい状況が伝えられた。 3月10日の反原発集会に際して、「原発事故によるこれだけの疲弊と、国民の70%近くが活発な反原発の意思表示をしているにもかかわらず、昨年の衆議院選挙で勝利した原発推進派の右派安倍政権は、再稼動をめざし原発推進を止めない方針」とBFMTVの駐在員が報告。 ----------- ・フランスTF1 チャンネルテレビ、2013年3月11日夜8時のニュース: 要約:除染の見通しがまるでつかない福島県南相馬。「地表2cmはセシウムで汚染されているから5cmは剥ぎ取らないと」。月給1500ユーロで除染の仕事をする人たち。除染した後の廃棄物は野天にたまる一方。政府はどこに廃棄物を保管するか決めていなかったためだ。少しずつ地中に埋めるしかないが、放射能に汚染されたものを包む袋は5年しかもたない。「一時的に土に埋めるだけだが、その先はどうするかまったくわかっていない」。 TF1テレビ3月11日昼のニュース、福島第一原発事故の発生から今日までの要約 ビデオの後半要約:事故後、片づけをあらかた終えた日本政府と東電は、福島第一を制御するために冷却装置を配備した。これは温度を常時50度以下に保つものだが、問題は冷却に使った水の一部が漏れ、建屋の地下にたまることだった。汚染された水が地下水をまた汚染しないように、水を吸い上げ、吸い上げた水を再び冷却装置へ戻すシステムを作った。 一号機はすでに防水加工したカバーがかけられているが、3号機4号機ともに爆発で大きな被害を受けている。日本にとって最初にやらなければならないことは、燃料プールにストックされている使用済み燃料棒をプールから取り出すことだ。というのも、次にまた大地震が起きれば大きな災害につながることは間違いないからだ(談話:ティエリー・シャルル、フランス原子力安全委)。 ----------- 20130313 週刊エンター『小出裕章さんが伝えてきたこと』 ビデオコメント:震災から2年が経つ現在、何か変わったのか? 変わっていないのか? 今週は番組の取り組みを見つめ直すと共に、私たちがこれからも向き合っていかなくてはいけない問題について改めて考えます。 今日は「京都大学原子炉実験所助教・小出裕章さんが伝えてきたこと」 ----------- 日本の3月11日。 報道するラジオ、震災特集…
フランス、競争に入った原発の廃炉・解体産業
[大産業化する原発解体] フランス原発58機の廃炉解体費は320億ユーロ(フランス財務省試算) “Retour à l’herbe”(草への回帰)とは、原子力発電所を解体して、土地を自然に返す意味。 フランスの大会社VEOLIA(ヴェオリア)が今日、原子力エネルギー委員会(Commissariat à l’énergie atomique/ CEA)と、CEA管轄下の発電所や研究所などの原子力設備の解体事業を受け持つことで合意し、調印した。…
アクチュアリティ・日本
衆議院選挙、直前に疑問を新たにする、大阪毎日放送、報道するラジオ 2012年12月14日 投票前に、現実の問題を解きほぐす。 福島第一原発事故による放射能危機はまだまだ続いている。人命をどう保護するか、家や土地、ふるさとを失った10万人以上の人たちへの対策や保障、すでに全国の核燃料プールがいっぱいになり、核廃棄物の行き場がないという現実、廃棄物処理ができないばかりでなく、10万年は危険な廃棄物を管理していかなくてはならないという将来の荷重。そうして、世界でも一番古い原発を持つ日本の「廃炉」の問題と廃炉にかかる目のくらむような莫大な費用。一体こういう現実問題が衆議院選挙公約の中で、どうして語られないのか。 現実と向き合うということを、もう一度考え直す、いい機会だ。 12月14日金曜日の報道するラジオは、久しぶりに京都大学原子炉実験所の小出裕章さんがゲスト出演。司会の水野晶子さんは、今まで何度も聞いてすでに頭に叩き込んだはずの話を、このラジオをはじめて聴く人、またこのラジオに投書する人の立場になって、小出さんに質問をしていて、こうした聞く人の立場にたった姿勢には大変好感が持てる。(S.H.) 「選挙に行こう!」 「活断層」 敦賀原発は、運転開始1970年。耐用年数40年をとっくに過ぎ、世界で7番目に古い。原発の廃炉への思考へ、その費用の捻出は国?株主?・・・・