フランスから―環境とアートのブログ

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2017年11月 開催中の展覧会

リヨン・ビエンナーレ La Sucrière et le macLYON 2017年9月26日から、2018年1月7日まで 開館時間、11時から18時、週末は19時まで、 16€、割引 9€
リヨンへ

リヨンへ

10月、リヨンへ。ビエンナーレとコンフリュアンス博物館を見る。博物館の前身は、リヨンのギメ博物館で、中身は自然史博物館。魚と蝶が同じ壁にところ狭しと飾ってある異様な部屋は、19世紀当時のコレクターの趣味をそのまま再現したのだという。博物誌的な展示とは違い、一風変わった個人の趣味を主体にした展示は、結構ヨーロッパのあちこちで見られるが、なんとなく居心地が悪いのは私だけだろうか。(S.H.)    
今日のPHOTO

今日のPHOTO

Photography by Shigeko Hirakawa: 2013年12月の今日のPHOTOは、先週訪れたリヨンの特集。 リヨン・ビエンナーレにかこつけてパリを出発した12月13日は、全国的に濃霧注意報が発令され、途中一寸先も見えないほどだったが、リヨン市内は何とか車を走らせられる程度。霧の合間から冬の太陽が現れる瞬間が美しい。 今年のリヨン・ビエンナーレはロボットがテーマで、どのていどアートに変貌しているか判断のしようがないものが多く面白みも少ない。 ひとつふたつ、きらきらしているものがあったかもしれないが、撮影はしなかった。ビエンナーレ周遊のために時間的な余裕を持って来たのに時間をもてあます。サン・ジャンのカテドラルを利用した作家の展覧会を見にリヨン旧市街へ向かい、その足で周辺を散策。リヨン旧市街は、思い出が多い。1988年にフランスで初めて企画個展を開いたギャラリーがここにあったからだ。 一方で、建築の最終段階に入ったかに見えるミューゼ・デ・コンフリュアンスがその突飛な建築デザインで川沿いに巨大な姿を現し始めているのが目を引いている。(S.H.)                
フランス文化省が後援する現代アートセンター、5.南東フランス編

フランス文化省が後援する現代アートセンター、5.南東フランス編

[フランス文化省が後援する現代アートセンター] ・第5弾、南東フランス編 - LISTE DES CENTRES D’ART (リンク:フランス文化省サイト)…

9月の記念日

1981年9月18日、死刑廃止、今年30年目 - 1981年に社会党のミッテランが大統領になった年の10月、刑事判決の極刑である死刑廃止案が国会を通過。賛成363票、反対117票で可決して死刑廃止が決定した。このときから御用済みになったギロチンが博物館入りする。ちなみに世論調査で、この時国民の63%は死刑廃止に反対だったという。 2001年9月21日、AZF爆発 - トゥールーズの工場AZFに貯蔵されていた300トンあまりの硝酸アンモニウムが爆発。31人が死亡、2500人が重軽傷を負ったこの日から10年。硝酸アンモニウムは化学肥料の一部として悪条件の中でストックされていたもので、爆発はマグニチュード3.4の地震に匹敵する揺れを記録し、爆発音は80km先まで聞こえたという。大概の負傷者は吹き飛んだガラスによる擦過傷、爆風による聴覚障害で、ノイローゼ鬱病などの後遺症をかかえる人が多いという。このAZF工場の爆発で、フランス全国の似たようなずさんな管理の工場に関する危険地帯が言及されたが、あれからあまり改善されたという話を聞かない。 1981年9月22日、パリ・リヨン間TGV開通30年 - パリ・リヨン間のTVG開通に際し、運転台にミッテラン大統領が乗って話題になった。このときの時速252km。勢いがついたTGVは速度を倍増して軍用飛行機と競争するなどしている映像が残されている。

アクチュアリティ

年金法改革反対デモに際し、10月19日から3日間続いたリヨンやナンテールの暴動の様子

アクチュアリティ

フランスの3分の一のガソリンスタンドを枯渇させた石油精製所のストライキ - セーヌ・エ・マルヌ県の精製所にきょう早朝3時に警察が入り、占拠中の組合員にスト中止を諭告。命令に従わない場合は捕縛すると通告し、仕事に戻るよう強要した。警察とのこぜりあいで組合員2人が軽い怪我。組合のスト続行が発表されたばかりで、「ストライキで逮捕する、と脅されるなんて・・・」と大多数がショックを受けている。経済相の交渉が進んでいたが、思うように給油が進まないため、強硬措置にでたものとみられるが、かえって組合の態度が硬化することが予想される。(フランスTV) リヨンの壊し屋による暴力は、警察や機動隊の800人という動員強化にもかかわらず19日からきのうまで3日間続き、市民を震撼とさせている。きのうリヨン中心街の車や商店街のショーウインドーを壊したり、あちこちに向けて投石をした壊し屋は400人と推定されている。「怖くて怖くて、ほんとうにああした暴力の前では、まったく無力を感じます」と車のフロントガラスを割られた女性。 RT Video 年金法改革反対集会に便乗する壊し屋、リヨン 2010年10月19日 フランス中の混乱にもかかわらず、年金法改革法案はディテールを少しずつ修正しつつ、国会を通る見込み。

アクチュアリティ

10月19日 - 「これだけの人が集まって反対しているのに、政府はまったく耳を貸さない。政府がわれわれの声を聞かない限りは反対運動を続行する」という固い決断のもとに、年金法改革に反対する第六回全国大会は、前回よりさらに上回る260箇所で、組合員、学生、また野党政治家などが集会を行った。 年金法改革反対はもともと組合や企業が、年金格差や年金を納める年数などの再検討を含めて政府へ法案の取り下げを要求するものだったが、将来の就職不安が年金法改革でさらに悪化するのを懸念して全国の高校生が加わり、多方面の批評と話題を呼んでいる。 数字: - 大会参加人数、350万人(内務省発表110万人)。 - 全国1200の高等学校が参加。うち380の高校が混乱。リヨンでは高校生2000人がデモで練り歩く。 - デモに混じって「壊し屋」と呼ばれる若者たちが各地で車を焼いたり、公共物を破損、またブティックのショーウインドウを破りどろぼうを働くなどして、警察や機動隊と衝突した。 リヨン市内で、300から400人の壊し屋が横行。ベルクールで、約40台の車が壊されたり火を点けられ、中央商店街の6ブティックが壊し屋に押し入られて店内のものを収奪された。 パリ市近郊のナンテールでは、デモの高校生に混じり、200人近い壊し屋が公共物を破損。駐車中の車5台が燃やされた。 - 車を壊し火をつけ、バス停や電話ボックスを壊し、ゴミ箱に火をつけて道路を閉鎖したりその他の公共物を破損して回った壊し屋、250人逮捕。壊し屋は20歳代から10代半ばの若者で、一番若い年齢層は13歳から14歳。 - ボルドー、パリ、ポーの三大学が閉鎖。 - ル・マンで、中学校が放火され全焼。19日の全国大会にかこつけた便乗放火と見られている。 - 製油所と給油システムのストライキが長引き、いよいよ空のガソリンスタンドが三分の一(全国12500のスタンドのうち4000箇所がガソリンの枯渇)を占める緊急事態となった。 引き続き10月21日木曜も、デモとストライキが予定されている。(フランスTV 、Le PDF en Limoge、Direct Matin) My opinion: こうした「壊し屋」は昔から存在していて、むしろデモ隊にとっても邪魔者だった。一概に、フランスのデモやストライキは平和的なものが大多数だが、デモ隊をとりまく機動隊は甲冑のようなプロテクションを着込んで戦争に近い重装備をしている。大勢の人に紛れ込んで無差別に公共物を破壊し、機動隊に投石したり爆竹や火炎瓶を投げつけたりする壊し屋との突発的な衝突が、過去幾度となく繰り返されているために、警察の重武装化がすっかり日常化してしまったのだろう。ただ、今回のような壊し屋の300あるいは400人といった驚くべき数は、近年の暴力急増に呼応して背筋が寒くなる。 さて、今回参加の高校生たちが実際に年金を受けるのは50年先なのだが、それよりも、年金法の改革による勤続年齢の変更が、自分たちの就職難へ即座に繋がっていく懸念のほうがかれらにとって強烈な現実であることは先にも述べた。「年金法改革の内容をインターネットで見たんですけど、まったく滅茶苦茶じゃあないですか。こんな年金法で若い私たちがそばづえを食うなんて許せないですよ」と女子高校生。全国の大量の高校生の参加を、1968年の5月革命に比類するフランスの社会批評家もでてきている。(S.H)