サーレワーク・ゼウデ、エチオピアの初の女性大統領に
2018年と2017年の少し古い話になるが、二つの国の二人の女性が世界の首脳に加わった。 エチオピア初の女性大統領と女性の権利 2018年秋、エチオピア国会は、サーレワーク・ゼウデを初の女性大統領に選出。外交官として豊富な経験を持つサーレワーク・ゼウデは、アフリカで唯一の女性国家元首となった。女性大統領が誕生したのは、首相のアビイ・アーメドが、閣僚の半数に女性を任命した1週間後のことである。就任誓約の後サーレワーク大統領は、エチオピアにおける男女平等を実現するために精勤することを約束した。議会議員に向けては、「平和のない世界に苦しむ母の名において、皆さんに直ちに平和のために立ち上がっていただくようお願いします」と、平和を推進することを誓った。
トランプ公約に揺らぐ世界、パリ協定と核武装
反転か? 世界の方向 -「気候変動は、中国がデッチ上げた嘘だ」、「北朝鮮対策には、日本に核武装をさせればいい」- 11月8日のアメリカ大統領選挙でドナルド・トランプが当選したことによって、未来の何もかもが不確定の中に投げ込まれた感のある世界。世界がこれまで進めてきた様々な約束をことごとく否定し、前時代的な提案をし続けてきたトランプ選出で、例えばBBCの第一声は「アメリカは後退を選んだ」、オランド仏大統領は「不確実な時代が始まった」だった。
アクチュアリティ 仏内閣総辞職
[フランス、内閣総辞職] 8月25日、マニュエル・ヴァルス首相がフランソワ・オーランド大統領に内閣総辞職を届け出た。オーランド大統領はこれを受理、即座に新しい組閣をヴァルス首相に申し入れ、26日には新閣僚の顔ぶれが発表される見込みだ。内閣総辞職の直接の引き金となったのは財務大臣のアルノー・モントブールが「この二年、現在フランスが行っている緊縮政策は大きな誤りで、今政策転換をしなければますますフランス経済が悪化することになるという見解を、何回となく文章にしたため、内閣ならびに大統領へ進言してきたが、一切聞き入れられなかった」と公言したことにあり、政府の分裂ひいては社会党の分裂を露呈させることになった。ヴァルスが首相に就いて5ヶ月目にして内閣総辞職に至ったことについて、右派左派にかかわらず野党からは、市民の信頼を裏切る危機的なオーランド政権といった大きな批判の声が飛び交った。ヴァルス首相が提出した内閣総辞職願いを受けて、いち早くみずから大臣職を退き次期内閣からも遠ざかることを表明したのは、モントブール財務大臣、フィリペッティ文化大臣、アモン教育大臣の3人(いずれも社会党)。
アクチュアリティ、経済
・[外資参入に侃侃諤諤] フランスのアルストム(Alstom、 おおもとは Als-Thom、 Alsthom、Alsthom Atlantique、Gec-Alsthomと変遷し、1998年に現在のAlstomとなる)は交通輸送関係、主に鉄道生産(メトロ、電車、トラム)やエネルギー産業系統(発電所、風車など)の大手として有名だが、会社の不振と昨年の1300人の人員カット以来、会社の売出しを検討。シーメンスかアメリカのジェネラル・エレクトリックかとささやかれていたが、この2、3日で事態は急転直下、アルストム・パワーとアルストム・グリッドを対象にジェネラル・エレクトリックが123,5億ユーロを提案してオーランド大統領もまたアルストム社長パトリック・クロンもこのオファーに好意を示した。 ジェネラル・エレクトリック(以後省略してGE)はすでに19世紀半ばに電気機関車が普及し始めた折からアルストムと提携して仕事をするなどし、また、フランス国内にもベルフォールにGEの工場がアルストムと隣りあわせで生産に取り組んでおり、今回のGEの大型参入はそれほど驚くには値しないように思われるが、巨額のオファーをした4月29日から30日にかけて、政府の受け入れもまたアルストム社長クロン氏の対応も好意的かつ迅速にすぎ、これに対する一般市民側の懸念が噴出している。 フランス2TVの夜8時のニュースにGE社長、ジェフリィ・エメルト氏が招待され、最初から厳しい質問がとんだ。「GEはフランスを食いつぶす脅威になるのではないですか?」
ネルソン・マンデラの死とアメリカの大統領
南アフリカのヨハネスブルグ郊外の自宅で療養をしていたネルソン・マンデラが12月5日、95歳でこの世を去った。奇しくも、9000kmはなれたイギリスのロンドンで、ネルソン・マンデラの生涯を描いた映画の上映試写会が行われており、マンデラの二人の娘が試写会に招かれてこの映画を見ていたときだった。ジャーナリストのインタビューに、「父は元気です、静養しています」と答えて試写会に臨んだ娘たちは、映画の途中で父親の急逝を係員から耳元で知らされることになった。…
大統領の節約-経済
負債をかかえるフランスは、2014年度に向けて30億ユーロの節約を強いられている。 2013年7月15日付で、財務省が発表した報告書によると、2012年度の大統領の出費は、1770万ユーロから、1430万ユーロとなり、差し引き600万ユーロ(約8億円)が節約されたことが明らかになった。うち減少率が最も大きいのは、大統領の移動の費用で、3百万ユーロ(4億円)減。サルコジ前大統領は、大統領専用飛行機を利用した外遊、のみならず国内移動が多く、出費が多いことで知られていたが、オーランド大統領は節約第一を掲げて、一般の交通機関を利用。ブラッセルのEU会議に電車で出向し、ほかの国から賛辞が送られたほどだ。