反転か? 世界の方向
-「気候変動は、中国がデッチ上げた嘘だ」、「北朝鮮対策には、日本に核武装をさせればいい」-
11月8日のアメリカ大統領選挙でドナルド・トランプが当選したことによって、未来の何もかもが不確定の中に投げ込まれた感のある世界。世界がこれまで進めてきた様々な約束をことごとく否定し、前時代的な提案をし続けてきたトランプ選出で、例えばBBCの第一声は「アメリカは後退を選んだ」、オランド仏大統領は「不確実な時代が始まった」だった。
2016年は観測史上最高の気温上昇を記録している。近年、毎年気温の上昇を続ける地球温暖化は、これから8年で後戻りがきかなくなるという。その現実の中で2015年末、気候変動への取り組みに世界が協力して動くべく、パリ協定が成立した。最大の温暖化ガス排出国である中国、アメリカ、インドが批准し、世界約90カ国がこれに批准をして、2016年11月4日に協定が発効したばかりだ。発効直後のモロッコのマラケシュでのCOP22はしたがって、パリ協定の内容や基準決定に踏み込む重要な第一回目の会議だった。
国連や批准国の最大の危惧は、トランプ次期政権によるアメリカの撤退である。アメリカは二番目の温暖化ガス排出国であるばかりではなく、オバマ政権は発展途上国が将来協定で決める基準を守っていけるように援助金を出すことも約束した。「気候変動は中国のデッチ上げ。だから石炭は掘り続けるし、パリ協定は金の無駄遣い。大統領になったら、1日目にアメリカをパリ協定から撤退させる」というトランプ公約の脅威はパリ協定そのものをぐらつかせずにはおかない。
残り少ないオバマ政権下のケリー国務長官はマラケシュのCOP22で、「地球を守る我々の意思は堅固であり、だれもこれを止めることはできないし、誰も止めてはならない」と力強く演説した(ビデオ)。バンキムーン国連事務総長はフランス24TVのインタビューで、「トランプ次期大統領に電話で要請し、公式会見をすることになっています。地球の現状や世界の意思など理解してもらいたい」と述べた。果たして、反対方向を向くアメリカを前に、ストップしかねないパリ協定推進に向けて、国連のネゴシエーションがこれから始まることになる。
中国捏造説を否定する中国
【China to Donald Trump: No, We Didn’t Invent Climate Change】
タイム電子版 http://time.com/4573687/china-donald-trump-climate-change/
– 190以上の国の外交官が、気候変動に関するパリ協定の実施について議論するために集まったマラケシュでのCOP22。中国当局者は会議で、気候変動が中国の捏造であるというドナルド・トランプ氏の主張を否定した −
今月初め(11月4日)に発効した国際協約が、世界が気候変動に取り組む道を切り開いたにもかかわらず、トランプ氏当選で、不確かな未来に直面している。次期アメリカ大統領はその選挙公約で、批准を取り消すとしているためだが、こうした国際的な動きの中でアメリカの撤退は難しいと言わねばならない。したがって、撤退はなくとも、トランプ政権が公約を履行しないことが考えられる。
中国の副環境大臣はCOP22会議で、トランプ氏の「地球温暖化は存在しない」という説を非難。劉氏は水曜日のコメントで、「ジョージ・H・W.ブッシュ大統領はその大統領時代、気候変動交渉を総督する国連機関である国連気候変動枠組条約(UNDP)を設立する上で重要な役割を果たした」とし、「気候変動交渉の歴史を見ると、1980年代後半の共和党のレーガン、ブッシュ政権の支持を得てIPCCによって開始された」という長年のアメリカの協力体制の成果の上に、現在があることを強調した。
過去4年の間(オバマ政権下)に、アメリカと中国が気候変動を要において協力する態勢が生まれたが、二国の提携はパリ協定を確実に推進するために不可欠であると多くの気候変動専門家が証言するところだ。アメリカの協力がなければ、他の加盟国の多くが発動の意気を削がれることだろう。
トランプ氏の気候変動虚偽説を非難するのは中国当局者だけではなく、他の参加国の多数が懸念を表明していることは言うまでもない。
・関連記事タイム電子版 http://time.com/4509488/donald-trump-climate-change-hoax/
【Donald Trump Does Not Believe in Man-Made Climate Change, Campaign Manager Says 「人間のせいで起きている気候変動を信じないトランプ氏」】
マラケシュで、米ケリー国務長官がパリ協定を支える発言
【COP22 マラケシュ会議会場より!No 10】アメリカが2050年に向けた長期戦略を発表(2016 年11 月16日)
U.S. Secretary of State John Kerry delivers remarks from the Conference of the Parties (COP 22) in Marrakech, Morocco on November 16, 2016.
ケリー国務長官、「環境問題への取り組みは、誰も止めてはならない」。
Bernie Sanders: Democrats Can Work With Donald Trump (Full Interview) | Meet The Press | NBC News
気候変動などの世界の取り組みに関し、民主党バーニー・サンダース、トランプ次期大統領を助ける構え。
トランプ氏、日本についての発言で問われる核拡散防止政策
・rtbf ベルギー・ラジオ・テレビ仏語放送電子版:2016年3月31日
ワシントンのホワイト・ハウスは、「北朝鮮に対抗させるために日本のような国に核兵器を持たせる」などの展望を展開したトランプ氏の核兵器に対する態度を「破滅的」と評価した。
ワシントンにおける核安全保障に関するサミットで、バラク・オバマ米大統領の顧問ベン・ローズ氏は、「過去70年の核に関する米国の外交政策は、核兵器拡散を防止するという政策を大前提にしていた」と述べ、 「アメリカが70年にわたる政策を転換して、何らかの形で核兵器の拡散を支援することになるとしたら、破滅的なことだ」と付け加えた。
「北朝鮮から身を守るために、日本に核爆弾を」
ドナルド・トランプ氏は、ニュー・ヨーク・タイムズのウィークエンド報道(3月)で、日本に対するアメリカの保護があまりにも高くついているので、日本は自分で北朝鮮への防御体制を作るべき。そのために日本は核武装をするのが好ましいという意見を明らかにした。
また、日本や韓国が駐留米軍への援助金を増やさない場合は、米軍を撤退すべきとも提案。ローズ氏は、日本と韓国は、彼らが攻撃されるした場合、アメリカは彼らの救助に来る「保証」に預かっていると付け加えた。
Donald Trump MEETING Shinzo Abe Japan PM Sen Chris Coons Interview Wolf Blitzer CNN LIVE
【ビデオコメント】
荒訳:ドナルド・トランプ氏は、重要な外交政策の転換に言及しており、外国の首脳たちへ大きな疑問を投げかけている。日本の安倍首相がトランプ・タワーでトランプ次期大統領と会見。「日本は核武装をして自国防衛をすべきで、高くついているアメリカ駐留軍は日本から撤退すべき」とトランプ氏がその選挙戦で述べたことによるものとみられる。…
Donald Trump MEETING Shinzo Abe Japan PM Sen Chris Coons Interview Wolf Blitzer CNN LIVE Hillary Clinton EMOTIONAL SPEECH Donald Trump is set to have his first face-to-face meeting as president-elect with another world leader today when he meets Japanese Prime Minister Shinzo Abe at Trump Tower in New York City — the first test of Trump’s resolve to stand by caustic campaign rhetoric that left many world leaders questioning his foreign policy agenda.
Before departing for New York, Abe told reporters that the U.S.-Japanese alliance “only works based on trust,” signaling that he will be looking for reassurance from Trump that he will remain committed to the relationship. Abe also said he is “honored” to be the first world leader to meet with Trump since the election.
Trump made alarming statements about the alliance during his campaign, including suggestions that Japan procure nuclear weapons and defend itself rather than burden the United States with the cost of stationing tens of thousands of American military personnel on its soil.
“I would rather have them not armed, but I’m not going to continue to lose this tremendous amount of money,” Trump said during a Wisconsin campaign rally in April. “And frankly, the case could be made that … let them protect themselves against North Korea. They’d probably wipe ‘em out pretty quick.”
He said that it would a “terrible thing” if Japan and North Korea fought “but if they do, they do.” …
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My opinion: アメリカの大統領の引き継ぎは来年1月とか。しかし大統領選直後のこうした世界の慌て様は尋常ではない。
不法移民を追放する(数百万人)、イスラム教徒のリストを作る(ゲットーを作る)、メキシコとの境に大きな壁を作る、オバマ・ケア(社会保障)を止める、シリア戦争は速やかに終わらせる(どうやって?現在アメリカは武力を投入中)、ロシアのプーチンと接近(アメリカの現シリア対策はロシアと対立)、中国はアメリカをレイプしている(経済)、核のボタンは誰か信用のおける人間を見つけて任せる、などなど。民主党のバーニー・サンダースは昨日ホワイト・ハウスの前の演説で、「トランプの言ったことはすべて書きつけてリストにしてある」と言った。そのリストの中に、パリ協定も核拡散防止を逸脱する日本の核武装やアジアの安全保障も入っているだろう。「異例」の大統領就任前の日本の首相訪問というが、日本の首相は核爆弾を持てるかもしれないというひそやかな期待半分、沖縄の新基地と予算増額を引き換えに米軍駐留の続行を確認するために布石を置きに行ったのではないだろうか。TPPの推進はもとより、なんとも忌むべき状況だ。日本の首相のトランプ訪問の時、オバマ大統領は任期最後のヨーロッパ訪問をしていて留守だった。ドイツのアンゲラ・メルケルに会い、メルケル首相を「一番、信頼の置ける素晴らしい政治家」と褒め称えているのが対照的である。
ドナルド・トランプが公前で行った演説の中の蔑視やそれに伴う悪口は、すでにあちこちに伝染している。有色人種蔑視、イスラム教徒蔑視、メキシコ嫌い、ホモ嫌い、女性蔑視。世界の人間の平等への努力やデモクラシーを侵さずにはおかないこうした姿勢はペシミズムを生む。イギリスのBREXITと一対で、BREXITへ導いた政治家達の嘘、外国人嫌いやホモ嫌いなど分裂の表面化、衝突の増加へと、人々の意識が負の方向へ向き始めているようだ。
アメリカのFOXニュースが「inclusion delusion(一体であるという妄想)は終わった」と言ったが、あえていうならば、「理想」を「妄想」に置き換えたくはない。デモクラシーは妄想ではなく人類の希求だ。理想追求は政権が替っても終わるはずはない。(S.H.)
The inclusion delusion Fox News: ‘The O’Reilly Factor’: Bill O’Reilly’s Talking Points 11/14
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Ajoutée le 20 janv. 2016
Leonardo DiCaprio condemns fossil fuel industries at the World Economic Forum’s 2016 Crystal Awards.
DiCaprio says the world cannot afford to allow the corporate greed of the fossil fuel industries determine the future of the planet and humanity.
ディカプリオは、世界は化石燃料産業の企業の貪欲さが地球と人類の未来を決定しまうのを許す余裕はないと言う。
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Leonardo DiCaprio savages corporate greed of big oil: ‘Enough is enough’ ► http://www.theguardian.com/business/2…