更新:2013年8月10日:
展覧会「Common Earth」が、ポーランド、クラクフ市にある日本美術技術博物館の企画で始まった。アーティストはパリ在住ポーランド人のエリザベス・ベラと私の二人で、展覧会の根幹はお互いに共通の研究主題である環境とエコロジーが出発点だ。
ポーランドは、この20年でずいぶん変化した。20年前、ブロツワフで展覧会を行ったときは、まだまだ人の表情も硬く、戦前の古い記憶を宿した思い建物が人の心にのしかかるように存在していた。現在のクラクフは、ツーリストが多く、人も親切で表情は柔らかい。7月下旬の移動で、ホテルの近くにある電光掲示板の温度計が39.5℃を表示するようなヨーロッパ大陸の内陸的酷暑を味わった。
企画をした日本美術技術博物館マンガは、日本美術に造詣の深いポーランド人が、重要な19世紀日本美術のコレクションを中心にして建てた美術館で、クラクフの町のほとんど中心とも言うべき地点、川を挟んで王宮の真向えに位置している。建築は、磯崎新さんの手になるもので、流線的なかたちが特徴的。企画展示は、浮世絵の逸品を集めた喜多川歌麿展、ポーランド人女性画家で日本美術に影響を受けた作家の個展、そしてわれわれの展覧会と、3本が平行して行われている。スペースは広さはあっても、インスタレーションに向いたような形や色には作られていない。インスタレーションをする作家の作品展自体がはどうやら今回が初めてのようだ。
展覧会『Common Earth』
平川滋子、エリザベス・ベラ (Elisabeth Wela) 二人展
2013年7月30日から9月8日まで
Museum of Japanese Art and Technology manggha
ul. M. Konopnickiej 26 30-302 Krakow, Poland
Tel: 012 267 2703 & 012 267 3753
www.manggha.krakow.pl
エリザベス・ベラ(Elisabeth Wela)は1964年生まれのパリ近郊在住、ポーランド人。
クラコフには親類がたくさんいて、今回の展覧会企画は彼女にとってはだいぶストレスとなったにちがいないが、ポーランド美術系ウエブ・サイトの反応は好調の模様。
ポーランドクラクフ、日本美術技術博物館マンガ、企画「Common Earth」展
2013年7月30日オープニング
批評: