フランス文化大臣フランソワーズ・ニセンは2018年2月7日、これから4年をかけて2022年(マクロン大統領の任期満了時)を目処に、文化政治及び指導的立場に就く男女のパリテを目指して人数の差を無くし、給料格差を是正していく方針を明らかにした。

「男女平等オプセルヴァトワール」調査よれば、「現代アート基金に収められている作品の4人のうち一人が女性アーティスト。映画監督の4人のうち一人が女性監督。公立劇場で上演されるプログラムの3分の1が女性。国立ダンス・センターの19人のディレクターのうち、女性は3人」という。「仕方がないというような受動的な状況から抜け出して、積極的にクォータ制を打ち出し、数字的な目標を打ち立てるべき。文化のセクターはアヴァンギャルドであるべきです」とニセン文化相。

文化省内職員の男女間の給料格差(10%)をなくすために、文化予算に50万ユーロを投入。また75の国立文化施設(オペラ、フィルハーモニー等々)を率いるディレクターの3分の2が男性であることに注目し、パリテ(男女同数)を目指して、任期を終了するディレクターの後継に女性を率先して指名するよう表明(今年の任期終了は27人、来年21人、再来年18人。数字的にパリテを調整)。これら75国立文化施設の男女給料格差(18%)も解消していく方針だ。

また、ラベルを保持する351の文化施設(現代美術州基金、セーヌ・ナショナル等…)では、地元の議員が発言権を持つため、活動支援金の一端を担う国として、文化省はパリテが推進されているかどうかを査察していく。必要であれば、 「数値目標や拘束力」もありうる。

女性の活動を多く組み込む

ニセン文化相は、女性アーティストを多くプログラミングに取り込みたいとしている。企画に組み込まれる女性の割合は現在25%以下だが、これを25%から40%に引き上げたい方針だ。ラベル保持の施設でその割合が尊重されない場合は、文化省の支援金を減らすなどの罰則が課せられるようなシステムも可能だろう、と締めくくった。ソフィー・デシャン(作家や作曲の会SACDの元会長)はこれを絶賛。クオータ制の導入は長年の念願だったとし、「罰則を設けるだけではなく、成績の良い施設にはボーナスを出す必要がある」。また、「時間の流れは早い。企画のプログラミングはすでに2019年に向けて決定しているが、果たして来年のそれはパリテを尊重しているだろうか?」とも。実行の日はすでに来ているのだ。

ニュース・ソース:Par CLARISSE FABRE(ル・モンドのジャーナリスト)

My opinion:フランスのパリテへの政策はどんどん進んでいる。数年前は国際ジェンダーギャップ報告書で60何位だったフランスは昨年、11位に躍進した。一方で、日本は111位に下落。男性が作った社会は男性が率先して女性を引き上げていくかそうした意識を男性がしっかり持っているかでないと、実はどうにもならない。2000年にパリテ法を可決したフランス国民議会は、ほとんどが男性議員で女性はほんの少数だった。世界的に女性の地位が低いという評価が増していく日本は、いつになったらフランスに追いつくのだろうか。(S.H.)