CNNは5月2日付で、現政権が、元ファーストレディのミシェル・オバマが設立させた発展途上国の女子教育のための援助プログラム‘Let Girls Learn’を終わらせる模様だ、と発表した。
女性の社会への積極参画は「教育から」。なのに・・・
ミシェル・オバマ氏は2015年、「個人、コミュニティそして制度レベルで女子の価値観を変えることを目的に、「Let Girls Learn(少女を学ばせる)」プログラムを設立した。その公式サイトには、発展途上国の女子の私的公的環境を教育に適したものに変え、人生を自ら決定し社会へ貢献のできる女性を養育することを目的とする、と叙述されている。
当初、平和団体と米国国際開発庁(USAID)による運営からはじまった “Let Girls Learn” は、世界50カ国以上の少女たちを援助する目的で、民間部門公的部門を合わせ、設立2年にして10億ドル以上が集められるほどになった。
CNNは今週月曜、平和団体の現在のディレクターであるSheila Crowleyが職員にLet Girls Learnが終了することを知らせる電子メールを送ったという報告を受け取った。
一部の活動は続けることになるらしいが、「今後、前進とか、独り立ちプログラムとか、Let Girls Learnという名前を使用することはできなくなる」という。そうした制約の下で、平和団体の広報担当はCNNに、引き続き現在の仕事に重点を置いていくと語っている。 「女子教育と女性を激励していく仕事は、すでに過去56年間にわたってやってきた私たちの仕事でもあり、他分野のパートナーと喜んでこれまでの取り組みを継続していきます。」
それでも、多くのTwitterユーザーが、「Let Girls Learn」が終了するというニュースに怒りを表明。中には、先日国際シンポジウムで、トランプ大統領の長女イヴァンカが、父親の大統領キャンペーン中、トランプは全身全霊で女性を擁護激励してきたと主張したことを皮肉るツイッターが見られた。
http://edition.cnn.com/2017/05/01/politics/trump-michelle-obama-girls-education/index.html
ミシェル・オバマのプログラム潰しは他にも
この数日、トランプ政権による子供の災難が続いている。
ミシェル・オバマが子供と踊っている写真やビデオをご覧になった方もあるだろう。彼女は子供の太り過ぎに警鐘を鳴らし、「動いて」「栄養のバランスのとれたものを食べる」というプログラムを作った。脂っこいもの、塩の使いすぎ、砂糖のとりすぎを防ぎ、健康な食べ物を補給するという子供のためのプログラムだが、これも2日ほど前にトランプ政権のストップにあい、憂き目を見た。
これからも続くだろう子供の災難
トランプ政権はこの100日のあいだに、前の政権が決めた環境規制をほとんどチャラにした。水源や河川の水質規制は緩められた。石炭や石油の採掘を推進し、化石エネルギーを燃やし、再び大気汚染を作り出す環境へ戻そうという、経済体制の中で、子供達の健康は冒されるままになりそうだ。
課外授業も取り止め
科学研究や文化事業などとともに、子供の課外授業もバジェット・カットの対象になっている。「友達ができる大切な時間」という子供達。子供の信頼関係や社会を作るのに役に立つのは明らか、と指導者達が口をそろえる課外授業も、トランプ政権は冷酷にも取り上げようとしている。まったく、どうにかならないものか。