アクチュアリティ 古代の美術作品本国返還
2010年に通過した美術作品の返還にかんする法律により、きょう、パリの歴史自然博物館に収蔵されていたマオリ族のミイラ化した頭部20体がニュージーランドに返却されることになった。頭部のミイラはマオリ族特有の刺青を奇麗に残しており、民族研究の対象としても利用されていたもの。このたびは18000kmの距離を越えてニュージーランドからマオリ族が、自らの祖先でもありまた歴史的遺産でもあるこれらの頭部を受け取りにパリに訪れた。 こうした美術作品返却にかかわるフランスの弁護士によれば、「ミイラは人間の死体であって、はたして美術作品として考えられるかどうか大いに疑問のあるところです」という。つまり死体の返還として扱うか、美術作品を返却すると考えるかによって大きな違いが出てくる。「ユダヤ・キリスト教的な立場から見れば、死体は死体」で、返却は当然と見る。…
現代文化と国について 2
“L’Art à tout prix!(どんな代価を払っても、アート!)” フランスは、公が「文化」を語ることが少し前まで一つの日常だったのだが、ここ数年は政治と経済の話ばかりが先行して、文化が語られる機会がまったく僅少になってしまっている。むかしは、国が保護をすることで、荒々しい経済の波から少しでも切り離し、創造されるものが政治的な道具とならないように、文化の論理を真摯に解きほぐす態度が公の側に常に存在していた。国の元首であるミッテランやシラクが、政策の左右にかかわらず、政治のディスクールに必ず文化を基盤におき、「フランス文化の特殊性」「文化の多様性」といったフランスの文化的アイデンティティーを明確にする常套句をあみだし、われわれはそれを毎日のように彼らの口から繰り返して聞いた。フランスの空気は文化ということばで充満されていたと言っても過言ではないと思う。 2007年以来そんなことはついぞなくなり、近年は文化と文明がごちゃ混ぜ。…
ルーブル美術館でアート・プロジェクション
ルーブル美術館オーディトリウムで、第5回国際作品映像日間 : テーマは「芸術と場」 2012年 1月25日から29日まで、芸術と(芸術を喚起する)場所との関係を解きほぐす作品映像が放映される。1月25日、20時から洞窟壁画。26日は12時30分から、ターナー、ブランクーシ、マネシエ。27日は、ジベルニーとモネ、16時からランド・アートについてのシンポジウムと映像。ロバート・スミッソンとナンシー・ホールト、マイケル・ハイザーによる当時のフィルム。…
MATHEMATIQUES – UN DEPAYSEMENT SOUDAIN 展
MATHEMATIQUES – UN DEPAYSEMENT SOUDAIN 展 「数学、不意の旅立ち」 2011年10月21日から2012年3月18日。 カルチエ財団コンテンポラリー・アート企画展覧会。 http://fondation.cartier.com
アーティストインレジデンス公募、二箇所
artist in residence – HORIZOME アーティストインレジデンス公募。 現代アートの研究および制作レジデンス。 自己の研究テーマにたいし追求する態度が明確に伝わり、また、他の表現メディアに転換可能な柔軟性を持つアーティストを募集。 テーマは自由。地域や環境、社会的問題意識が必要。 <条件> 期間はプロジェクトによるが、二ヶ月以上。 一ヶ月1000ユーロの援助金(グラント)。 作品制作に関して1000ユーロの援助金(条件付グラント)。 Horizomeから、宿泊施設とアトリエが提供される。 <応募内容> モーチベーションをしたためた手紙。 CV ポートフォリオA4サイズ。その他、録音物、出版物。 SIRET番号。 <応募期限> 2012年1月31日。 <応募先> フランス、ストラスブール市 Association Horizome 28, boulevard Dostoïevski 67200 Strasbourg, France Tel: + 33(0) 3 69 14 56 42 contact@htp40.org 応募要項およびHorizomeサイト http://www.htp40.org --- artist in residence – LA BOX アーティストインレジデンス公募。 Bourges(ブルジュ)市の国立芸術学校で行われるアーティストインレジデンス。 <条件> 期間、3ヶ月。 グラント、3000ユーロ支給。 国立芸術学校の学生へ仕事の説明をするコンフェランスを皮切りに、学内で制作を開始する。 <応募内容>...
アーティストインレジデンス、アーティストミッション
ノール・パ・ド・カレ地域文化振興局(DRAC)企画、アーティストインレジデンス、「La résidence-mission」(レジデンス使命) ・プログラム・テーマ A.R.T. : 「Artiste rencontre territoire (A.R.T.) 芸術家が地域と出会う」 現代芸術のあらゆる表現形式において、地域の問題(歴史、アイデンティテイ、土地の歴史遺産など)やランドスケープ(地形、人間、都市問題など)を通して仕事をするアーティストを募集。 ・La résidence-mission」(レジデンス使命): ペイ・ド・コンデ(Pays de Condé)の地方立自然公園スカルプ・エスコー(le parc naturel régional Scarpe – Escaut ベルギー国境)で、「レジデンス・ミッション(レジデンス使命)」を行うにあたり、アーティストは4カ月まるまるこの地域で人々と密接に生活して、すでに出来上がった作品についての創作コンセプトを明らかにしていき、人々の理解と地域の文化的視野を深めるよう努力する。したがって、レジデンスは作品の制作をするものではなく、作品作りに不可欠な、思索、試作、そして実現という芸術創造のプロセスを住民に理解させることが使命となる。 この間、芸術行為の進展について地域の文化関係25団体と接触することが決められている。 ・地域の自然や住民とかかわるに際し、地域の産物、歴史的特質、自然環境、水の問題、エネルギー問題その他都市環境問題へのアプローチも望ましく、現地の教育者、芸術家との接触を契機に、教育、ツーリズム、社会的また文化的環境にかんする積極的な視野が必要になる。 ・DRACと地方立自然公園スカルプ・エスコーの援助金: 総額12000ユーロ(すべて込み)。…
デジタルアート・コンクール
Le Prix CUBE キューブ・プライス 国際コンクールLe Prix Cube 2012は、デジタルアートに関する賞で、二年以内に制作されたインタラクティブ・アート、ジェネレーティヴ・アート、ネットワーク、インターネットなどを活用したインスタレーションや斬新な装置によるクリエーション(ビデオアートや写真、またパフォーマンス・アートを除く)を募集している。対象のアーティストは35歳以下。 Cube Festival 2012には5つの賞が用意され、最高は 10 000€(ユーロ)。 締め切りは2012年1月31日、12時。 応募ページへ: http://www.cubefestival.com/ Le Cube Festival 企画: Le Cube, centre de création numérique et Grand Paris Seine Ouest. コンタクト : festival@art3000.com
Fêtes du Noël
12月25日、クリスマス 草間弥生展、ポンピドー・センター国立近代美術館、ギャルリー・シュッド 2011年10月10日-2012年1月9日まで www.centrepompidou.fr
リヨン市の光の祭典、Fête des lumières 2011
Fête des lumières 2011 – Y serez-vous ? Lyon – 光の祭典、リヨン市、「あなたは行きますか?」 http://www.fetedeslumieres.lyon.fr/ 2011年12月8日から11日まで、リヨン市で四夜にわたって行われる光の祭典。 今年で13回目のリヨン市の光の祭典は、モニュメント、河川や丘陵が、世界中から招聘された建築家、照明芸術家、造形芸術家、またビデオアーティストなどの光の芸術によって美しく変貌する。今年は日本からの参加も含めて、70のプロジェクトで町が多い尽くされることになっている。 ビデオ <Fête des lumières 2011 – Y serez-vous ? Lyon> リヨン市庁舎、テロー広場 4 – TRANSE NOCTURNE – Place des Terreaux par france3rhonealpes ジュタール広場 12 – AQUASTELL – Place Raspail et Jutard par france3rhonealpes
Bêtes off
Bêtes off ベット・オフ展 動物を主題にした現代アート展、パリ http://www.monuments-nationaux.fr/fr/actualites/a-la-une/bdd/actu/761/betes-off// 2011年11月17日から2012年3月11日まで。コンスィエルジュリーで始まる。 コミッショナー: クロード・ダントネーズ(Claude d’Anthenaise)パリ狩猟自然博物館館長 動物をテーマにした現代アートを、パリ狩猟自然博物館が企画。パリの中心にあるコンスィエルジュリーが展覧会場として選ばれている。2011年夏はバンセンヌで、また2012年春以降も、関連の現代アート企画が博物館で開催予定。 アーティスト: (par ordre alphabétique) : Greta Alfaro, Art Orienté objet (Marion Laval Jeantet et Benoît Mangin), Renaud Auguste-Dormeuil, Guillaume Baychelier, Vincent Beaurin, Ghyslain Bertholon, Louise Bourgeois, Céleste Boursier-Mougenot, Berlinde de Bruyckere, Sheila Concari, Johan Creten, Nicolas Darrot, Agathe David, Guillaume Dégé, Anne Deleporte, Mark Dion, Goliath Dyèvre, Julie...
VIDEO Nuit Blanche Paris
白夜際、ニュイ・ブランシュ - ニュイ・ブランシュが開催されるようになって今年で10年目。10月1日および2日のウィークエンドの夜はパリのあちこちで現代アートのパフォーマンスや作品が見らる。 Nuit Blanche 2011 en avant première par mairiedeparis 下:TF1TVのルポルタージュ。 Une Nuit Blanche insolite sous le signe de l’Ephémère http://nuitblanche.paris.fr/
ベルサイユに専制君主、文化の冒涜
文化の冒涜 - 「Outrage at Sarkozy’s Versailles Choice、サルコジのベルサイユ選択の理不尽」とはイギリス、ロンドン発行のThe Art News Papaer (フランスの芸術専門新聞Le Journal des Arts系統)の記事の表現。ベルサイユ宮殿および博物館国立管理局(日本語訳仮称: L’Établissement public du château, du musée et du domaine national de Versailles (EPV))のディレクター職を2007年から勤めてきたジャン=ジャック・アヤゴンのあとを、ジャーナリスト出身のカトリーヌ・ぺガールが引き継ぐことになった。…