フランスから―環境とアートのブログ

開く:記事の大見出しをクリックする
Posts tagged "ニコラ・サルコジ"

アクチュアリティ・悪天候、大統領選直線コース

・悪天候、竜巻編: アメリカ並み? TF1TVから竜巻ニュース抜粋(ビデオ) きのうトゥールーズ南部で、フランスには大変珍しい竜巻が出現し住民を驚かせた。竜巻は直径約50m、風速毎時130kmから180kmはあったと推定されている。農家の納屋の屋根を吹き飛ばすなどの被害をだして、竜巻は5分ほどで消滅した。 大きな低気圧が大西洋からたすきがけにヨーロッパを覆い、フランスはこの一ヶ月近く雨、雹、突風などの悪天候に見舞われている。昨夜の暴風雨でフランス東部が被害を出して2万世帯が停電したほか、シャラント地方では80cm水位が上がって家屋が浸水するなどの被害を出した。 雨が降り続いて寒いフランスとはうらはらに、ベラロシアやモスクワからオーストリア、ドイツのベルリンあたりまで、中央ヨーロッパではすでに夏の暑さが居座り、ベラロシアで31℃という真夏日。オーストリアでは乾きすぎで森林火災が発生し、モスクワでは光化学スモッグが発生するなどしている。…

J-9、大統領決選投票まであと9日

4月26日夜フランス2TVで、大統領候補2人が時間をずらして選挙公約およびその内容についてジャーナリストと討論した。 [両候補の選挙公約] 移民の受け入れ方: UMPのサルコジ現職候補の運命は、極右フロンナショナルの票獲得の如何が決定する方向にあるといっても過言ではない。すでに他のメディアで、「フロンナショナルは共和国政治と適合しうる」などといった票獲得を目的に極右と足並みをそろえるような発言をしており、TV討論でのサルコジ候補の話題は、フロンナショナルの主眼でもある移民の削減対策からはじまった。すでに公約の中で発表されているとおり、サルコジ候補はこれまでの外国人の正規受け入れ人数を半分に減らすこと、またEUのシェンゲン条約の見直しと、ヨーロッパ周辺からの移民の流入にかんしてEUがもっと厳しくすべきことなどを提案し、この提案にEUが快い回答をしない場合は、シェンゲン条約から脱退することも辞さないと明言した。…

フランス大統領選挙の見通し

フランス大統領選挙は2012年4月22日(日)に行われ、79.47%の高い投票率を記録して首位に社会党候補フランソワ・オーランド、二番目に保守現職大統領ニコラ・サルコジが占め、17.9%を獲得した極右政党フロンナショナルのマリーヌ・ルペンが第三位につけるという結果がでた。 フランソワ・オーランドとニコラ・サルコジの決選投票は、5月6日(日)に予定されている。…

アクチュアリティ、J-8

J-8 、大統領選挙まで、あと8日: 4月22日に行われる大統領選挙に関する4月10,11日付け大統領候補10人の投票率世論調査(CSA)-…

ニコラ・サルコジ、大統領選へ出馬、TVで正式発表

アクチュアリティ、ニコラ・サルコジ、大統領選へ正式立候補宣言 - J67、つまり大統領選挙第一期戦まで67日。TF1テレビの20時のニュースに招待されたニコラ・サルコジ現職大統領がようやく今日、「強いフランス」というスローガンを打ち出し、次期大統領選への出馬表明をした。大統領選挙第一期投票日までのカウントダウンが始まって残す日数が2ヶ月強となり、ニコラ・サルコジのUMP党にすれば待ちに待った立候補宣言であるが、このところ数週間にわたり、選挙公約ともとれる今後の失業対策や消費関税の値上げによる経済恐慌緩和策の提案、倒産しかかった会社への遊説を足しげくするなどして、すでに予想されていた立候補である。5年前の初戦2007年当時は、選挙の前年の11月に立候補し、半年近い長い選挙運動をしたのに対し、今回は野党の立候補者ならびに与党UMPからの立候補者も出揃って、一番最後の立候補となった。…

アクチュアリティ

暴風雨ジョアキム - 大西洋からの大きなジェットストリームが暴風雨を運び、現在、西南のジロンド県から東部アルザス地方やアルプス方面へフランスをたすきがけに横切リつつあり、全国各地で立ち木が倒れたり浸水などの被害が続出している。フランスの半分がレベル2、またもう半分はレベル3(最大レベル)の暴風雨警報・注意報が発令された。最大風速を記録したのは、ピュイ・ド・ドーム県で毎時210km。パリは毎時95kmだが、ロワシー・シャルル・ド・ゴール空港の飛行機の発着に影響が出て130便あまりが遅れ。また線路に落ちた無数の枝の処理でフランス鉄道SNCFの運行にも1時間から2時間の遅れが出た。モルビアンの海岸では貨物船が岸に吹きやられて座礁し、重油が流れ出して海岸を汚染。また大規模な低気圧の通過で気温が下がる見込みで、マッシフやアルプス方面で今夜は30cmの積雪があるもよう。停電に見舞われている30万世帯が寒い夜を越す。 数字 : ・2012年大統領選に向けての世論調査で、野党社会党候補フランソワ・オーランドが36ポイントの世論を獲得しているのに対し、現職大統領のニコラ・サルコジは25ポイントと大差が開いている。市民の購買力の低下、失業者増加、フランス経済建て直しの見込薄、また暴動や強盗の増加による社会不安などによる現大統領の不人気が大きく影響をしている。 ・2011年9月、フランスの失業率は9.7%。2012年6月には10%を越すという。 ・2012年上四半期は、-0.1%の景気降下がINSEEからはじき出され、公式にフランスの景気後退が発表された。 ・2011年下半期で、1万4千の雇用が消滅。 ・大手クレディ・アグリコル銀行、アレバ社、プジョー・シトロエンPGSで大量の人員整理が行われることが確定。クレディ・アグリコル銀行は、ソシエテ・ジェネラルやBNPパリバと並ぶ大手で、他の二行が雇用削減をしたのに対し影響がないといわれていた最後の砦ともいうべき銀行。アレバ社は、福島原発事故の影響を受けてとくにドイツの原発全面廃止政策による将来の見通しの悪さによるもので、退職者がでたあと新人採用をしない方向で削減が始まるもよう。 ・暴風雨を買う?! 1950年代から暴風雨に名前がつけられるようになったが、近年は暴風雨を買って自分の名前をつけることができるのだそうだ。暴風雨ジョアキムも、ジョアキムさんが1年前に買収したもの。ちなみに暴風雨の値段は199ユーロ。 (フランス2TV、TF1TV) ・農耕地の消滅も駆け足 -この数十年のフランスのアーバニズム(都市化)は駆け足で進み、農業用地が激減している。なんと、一秒で26平米の農耕地が消滅していく計算だと言う。(2012年12月21日追加、フランス2TV、フランスアンフォ・ラジオ)

アクチュアリティ、ギリシャで暴動

アテネ、ヨーロッパの首脳を威嚇する小包爆弾テロ - 11月1日に、イエメンでアメリカに向けて発送されたプリンターに爆弾が仕掛けられていた事件はアルカイダによるものと推測されているが、ヨーロッパではこの事件に呼応するように、ギリシャのアテネを中心に、11月1日から3日のあいだに14個の小包爆弾が発見された。アテネ駐在のチリ、ロシア、ドイツ、スイス大使館など7つの大使館宛に爆弾入りの小包が送られており、うち二つが爆発した。小包を受け取ったスイス大使館員は即座に怪しいと判断し館の外へ投げ出したところ、小包は路上で爆発したという。小包爆弾は、フランス大使館に届いたニコラ・サルコジ大統領宛のものが皮切りで、3日には、ボローニャでシルヴィオ・ベルルスコーニ宛、またベルリンで、アンゲラ・メルケル宛の小包が見つかっている。いづれも小規模の爆発を予定した小包だが、これだけの数の小包が当局の目を逃れられたのは、私営の運送業者を利用したためで、小包検査などがほとんどなされないFedex、DHL、 TNTなどの警戒の盲点をついたものとして問題視されている。私営運送業者が一日に処理する小包は1500万個。国際路線を敷く私企業に対し、どういったテロ対策がなされるべきか。アテネからのカーゴは運行休止。 3日、一連の小包爆弾は、ギリシャの極左翼グループの仕業と見られ、早速5人の青年が逮捕された。 フランス、非行と暴力の低年齢化 - フランスの子供の非行が低年齢化するとともに、20年前に比べて2倍に増え、なかでも女子の非行増加が目立っている。 11月3日、2007年11月に数百台の車を焼くなどの大きな暴動を起こしたビリエ・ル・ルベル市の子供を持つ親たちが集会を開き、子供を非行と暴力から守るよう訴えた。暴動以来、子供が暴力集団に加担する危険性が日常増大しており、学校や親たちの団結を求めたもの。 また、一方で、フランスの子供の非行の低年齢化と暴力事件の増大は国全体の問題と化しており、2、3歳児からの子供の教育、両親の意識を感化する「親の学校」を設けたり、非行に走る子供を預かって日常生活を根本から教えるシステムなどの対策が考案され始めている。(フランスTV) My opinion: ちなみに先月の年金法改革反対デモに便乗した「壊し屋」のうち、捕まった子供の最低年齢は10歳だったという。たとえば公園などで、よく子供連れの家族を観測することがあるが、歩き始めたばかりの子供が「新しいもの」を見つけたときに真っ先にすることは、足で蹴る、殴る、乗る、などの全身の力をぶつけたものが多く、またこれに対しての親の反応を見ると、見ていて何も言わない、ほったらかし(無視)、けしかける、といった態度が大半を占めるようだ。止めなさい、と制止する、あるいは、なぜやってはいけないのかを説明する親は10人に1人もいればいい、というのがフランスの今日だ。はじめの一歩はまず親から。両親の意識を感化する 「親の学校」大賛成。(S.H.)

二つの射殺事件(6)、ロムの強制送還

フランスの毎日のニュースから、「放浪者」たち -「ロム」の国外追放、「旅行をする人々」ボルドーで権利主張: 7月中旬、「旅行をする人々」の1人がバリケードを破ったところを機動隊員が射殺するという事件が起き、一気にクローズアップされたこれらの放浪者たちが、事件以来問題視されはじめたことを8月1日のポストに書いた。これら定住を拒否し、流れ歩く放浪者には、「旅行をする人々」とフランス語で規定されている人たち、また「ロム」や「ツィガンヌ」と呼ばれる主にルーマニアやブルガリアなどの旧東欧の人たちが多くを占める放浪者の群れがいる。この事件以来、彼らの権利をめぐって論議が戦わされているが、通称ロムといわれるルーマニアからの放浪者たちが全国各地の一時逗留地から徐々に機動隊によって強制撤去されはじめ、きのうからルーマニアへの強制送還が始まった。大人には300ユーロ、子供には100ユーロがフランス政府から渡され、またフランスに戻ってきても良いという条件付で、着の身着のままでチャーター機に乗せられて第一便がブカレストへ直行した。今月末までに、850人が同様に本国送還されることになっている。ロムは、ヨーロッパを流れ歩いて生活をつないでいるが、本国へ帰っても家も職もなく、またフランスへ戻ることを希望するものも少なくない。 ルーマニアは欧州連合加盟国でもあり、欧州連合の規約にのっとれば加盟国の国民はヨーロッパ内を自由に行き来し、また職業活動をしてもよいことになっているが、こうした自由通行に反した強制送還という今回のフランスの措置は、欧州連合とのあいだに亀裂を起こす恐れがあるといわれている。また、強制送還される人々が再びフランスへ戻ることができることで、政府の強行措置を疑問視する向きも少なくない。 一方、「旅行をする人々」と規定されている人々がボルドーで市長を相手に一時滞在の権利を主張している。放浪者としてフランスの法規定を受けている彼らは、フランス国籍を有し、定住していないが自分たちは浮浪者でも物乞いでもないとメディアに発表して自分らの生き方を誇示した。フランスには「旅行をする人々」のためにキャンピング・カーを泊める土地を用意する都市もあるが、ボルドー市は今回これらの人々に電気もなく水もない不便な土地を提案したため、「人間扱い」を要求する訴えを起こした。 My opinion: 二つの射殺事件から、フランス政府が外国人をどう扱うかに固執し政府はそれを中心にものごとを展開させている事実へ、フランスのニュース自体が切込みを入れていることを知らせたいと思っている。 他から: 欧州連合議員のダニエル・カン=ベンディット(Daniel Cohn-Bendit)は、こうした政府のイロジックかつその場しのぎの方策へ、「現政府は、ドイツなどと比較しても失業状況も説明できないし、例の国籍剥奪も、フランス人が外国人と同じ罪を犯したら、フランス人のフランス国籍も没収ですか?大体、サルコジ政策はここ8年*ものあいだ何もできないどころか国が退廃し続けている。サルコジの責任だ」と怒りを表明している。 翌日の野党社会党のリアクション: 夏休みの社会党集会で議員の一人が、「すべての悪は外からやってくるという、フランス中心主義を超えて極右のフロンナショナル党化してしまった論理を掲げるサルコジ政権を、改めて糾弾する」と表明した。「フランスが退廃しているのは外国人のせいだということを誰もが知っているじゃあないか」と切り返すのは保守党UMPの議員。いずれにしても、2012年の大統領選挙は、社会党が勝ってほしいという世論が8月22日付で大多数の55%を占めるという統計がでており、社会党に限らず野党勢力全体が早くもつぎの大統領選にむけて活気づき始めているというのが現状だ。 強制送還後のロム: チャーター機でブカレストへ着いたロムたちは、ルーマニアでも歓迎されていない。23日付のフランスTV のルポルタージュは、ルーマニアでも差別視されるロムの姿を追った。「彼らがルーマニアの名前を利用して庇護を請うのは、まったく好ましくないわねえ。イメージ悪いわよ」とはルーマニアの首都での通りすがりの女性の意見。「商売をする脇でほったて小屋を建てられたらたまったものじゃない」とは新聞を売るキオスクの男性の意見。現代における「放浪・Nomade」とは、何なのだろう。24日現在もマルセイユ、ヴィルヌーヴダスクなどの町でロムの強制撤去が進んでいる。 ・ダニエル・カン=ベンディットのビデオ(2010年8月18日オンライン) サルコジ、無責任! ・ロム Rom ・旅行をする人々 Gens du voyage ・8年* 2002年、ニコラ・サルコジが、シラク大統領ラファラン内閣のもとで内務大臣に就任。国家警察力を掌握した。