「デブリ取り出し」と一言でいかにも簡単に表現されてしまうが、実際には人が近づけない高放射性物質の塊が800から900トンという量で存在している。どういった状態なのかまだ正確に把握されておらず、事故後7年たってようやく2号機の中に入ることのできるロボットが完成し映像が撮られたというその時間からして推しても、「取り出し」作業の実際や、取り出して危険な移送を行い保管をするまで途方もない時間がかかるに違いない。低放射性物質の保管は300年程度といわれる。高放射性物質のデブリを性急に解体して取り出し再び大気を汚染するのか、はたまた石棺を作って被い放射線量が天然ウラニウム程度になる10万年を待つか。もともと山積の問題の上に絵空事のように打ち立てられた「デブリ取り出し」。真実から遠い言葉は繰り返される。

事故後10年経過した今の状況を少しでも。

 
ANNnewsCH 特集 2021年3月