UMP党、「共和党」に改名して初めての集会は・・・
保守野党第一党の、UMP国民運動連合(Union pour un Mouvement Populaire)は2015年5月30日、サルコジ代表が党名変更を提案し、党員投票で8割強の賛成が得られたことをうけて、党名を共和党(きょうわとう、Les Républicains)と改称するに至った。先週土曜、共和党はヴィレットで初の党大会を催した、のであるが、6月1日夜8時のフランス2TVは、「土曜の大会の様子はどの放送局も共和党配信の同じ映像が流れて集会は盛会という印象を焼き付けたが、事実はどうやら彼らの作った映像とだいぶ異なるかんじ・・」と切り出し、フランス2は自局が取材した映像を見せ、集会が露呈した内部状況を報道した。
3月22日、フランス全国地方統一選挙(県)
2015年3月24日更新(下段に追記): 3月22日、日曜日は2011年から4年ぶりのフランス98県の県議を選出する全国地方統一選挙が行われ、フランス全国の開票結果が発表された。 下の簡略図は、ル・モンド電子版のフランスの各選挙区域で優勢な政党と政党連合を色分けしたもので、赤・濃いピンク、ピンクなどの暖色系は左派(オランド与党政権は左派社会党)、ブルー系は右派、濃紺は極右政党のフロンナショナル(国民戦線)だ。ブルーに染まりつつあるフランスは右傾化を示している。
欧州議会2014、選挙結果の解析
[フランス2TVが、2014年ヨーロッパ議会選挙結果を解析] ・先週末行われた欧州28カ国、751議員を選出する欧州議会選挙の結果、大津波のようなフランスの極右政党国民戦線(Front National、略してFN)の台頭のニュースは世界各国を駆け巡った。つい最近まで政党とみなされていなかったFNは二代目のマリーヌ・ルペンがその概観を大きく塗り替えたらしい。イタリアの新聞という新聞にはマリーヌ・ルペンの写真が大々的に入り、アメリカでもCNNが「大地震」と形容するなど、ヨーロッパ建設の主役となったフランスとドイツの二人三脚が危ぶまれる結果をかんがみ、ドイツはフランスの極右政党の台頭に不安げだ。ドイツ市民は「ヨーロッパを支える力が削げるのが非常に心配だ」。またアンゲラ・メルケルは記者会見で、「欧州各地で右翼政党が優位に立ったが、有権者を親欧州派へ取り戻すために一層の努力をしなければならない。今後フランスにもその努力を期待する」と語った。FNやほかの国の極右政党は、反ヨーロッパ、ユーロ圏脱退、移民をシャットアウトするというほぼ同様のスローガンを持っており、ヨーロッパ建設の基礎を築いた延長線上で体制の維持へ尽力するフランスの現政府とまったく対立する立場にある。選挙明けの今週の月曜、早速FN党首、マリーヌ・ルペンは、フランス国民議会の解散と、選挙区改正を要求した。
アクチュアリティ、ロム
ストラスブール - 欧州議会が、フランス政府のロム(日本語ではロマと訳されている)の強制追放に反対する議員投票を行った。大多数のヨーロッパ議員がフランスの人種差別による強硬手段に怒りを表明。強制追放の即刻中止をフランスに要求して、満場の議員から大拍手が巻き起こった。しかしこれに対し、ルーマニアを訪問中のフランスの移民大臣、エリック・ベソンは「欧州議会のおしつけがましい決断には従わない。追放は続行する」と発言。 議員投票の重大性を認識する欧州議会記者は、「無謀な強制追放の敢行で、欧州のなかのフランスの信頼が大きく揺らいでいる。フランスは欧州議会の意向を尊重すべき」、と述べている。 医療費 - 医療費の払い戻しが目減りし、フランス人の16.5%が歯科や長期の医療など、高価な治療費が必要な病気治療を先送りにしているという事実が判明した。この数字は30年前の4倍にのぼるという。 UMP党会議室捜索 - ロレアルの後継者で億万長者のリリアンヌ・ベタンクールに、レジオン・ドヌール勲章を贈るよう裏工作をした疑いで、UMP党会議室が当局の捜索を受けた。UMP(現在の与党)は、リリアンヌ・ベタンクールから2007年、サルコジの大統領選挙の政治献金を受けたり、ベタンクールの数億に上る脱税に関与したりスイス銀行の預金を見逃したり、この春以来、億万長者と政府のあきれた関係が次々と暴露され疑惑が拡大し続けている。なかでも現労働大臣エリック・ヴァートとその妻が、闇の金銭関係に大きく関与している疑いがもたれている。 ベルサイユ宮殿で村上隆展 -2010年9月14日から、ベルサイユ宮殿で村上隆展が開催される。漫画を主題にキッチュな立体や絵画やビデオなど、作品22点が荘厳なベルサイユ宮殿に展示されるが、この展覧会に際し、フランスでは、インターネットで反対署名運動が展開した。反対署名者の数はなんと10万人にのぼったという。 「クラシック音楽の中でロックを聴いて何が面白いか、ってことですよね。展覧会はナンセンスです」という批評家の意見。元文化大臣のジャン=ジャック・アヤゴンは、「マリー・アントワネットの当時も、新しいものを追い求め続けていたんです。そうした空間に、いまの時代の新しいものを持って来てもまったくおかしくはない」。当の村上隆は、「漫画は現代の風潮です。セザンヌがサント・ヴィクトワール山を描いたように、私も現代を描いています。・・・。今までベルサイユで行われたジェフ・クーンズなどの作品からイメージを得て、作品を展示しました」。フランス人が「カルチャー・ショック」と形容するベルサイユ宮殿を現場にした村上隆の展覧会は、開催前からすでに大きな論争を呼んでいる。