ケブランリー美術館からパレ・ド・トーキョーへ
ケブランリー美術館 パリ郊外線RERC線のポン・ド・ラルマ駅。エッフェル塔に抱き込まれるように建てられた細長いケブランリー美術館で現在、開館10周年記念展が行われている。 フランスの脱植民地化への時代の流れとともに、西欧やフランスからは植民地の民芸として紹介されてきた第三世界の作品たちが西欧諸国の芸術と同列に肩を並べるよう、芸術の平等への思い入れを込めて創られたケブランリー美術館創設への動きが、ジャック・シラク元大統領の足跡とともに時系列で示されている。 ケブランリー美術館10年展、展示パネルの一つから「2002年」 「ヒューマニズムとしての芸術文化、
リポート2004、No.1「グローバリゼーション、歴史の縦糸と横糸」
2003年、ちょうどフランスで作家活動をし始めてから20年目。よその国の文化の中で制作をし活動をするたびに露になる問題を、自分なりにバイカルチャー(二重文化)と呼んで浮き彫りにし、欧州大陸を出てもうひとつの大陸アメリカでこの問題を洗いなおそうと試みたことがあった。日本人がヨーロッパからアメリカ文化を見るという稀ながらもほんのナノサイズの視点の文章だが、その中に引き合いに出したキーワードとの接触は13年後の今も少なからず続いている。現在グランパレ国立ギャラリーで行われているジャン=ユーベール・マルタン企画の「カランボラージュ」展で思い起こすくだりを、2003年の研修直後のリポートから引用してみることにした。 ----- [平川滋子、リポート2004、P47-] 文化のグローバリゼーション、二つの観方…