巨大な負債、日銀総裁の直訴が議事録から削除、闇へ?
更新2015年2月23日: 2月18日、テレビ朝日やフジテレビなどが総理官邸における黒田日銀総裁の「直訴」について取材をした。2月12日、総理官邸において経済財政諮問会議が開かれ、この際、黒田日銀総裁が約5分にわたり、日本経済への強い危機感を示したという。各社報道によれば、日銀総裁は、日本がOECD加盟諸国の中でも「群を抜いて負債が多い」こと、また昨年12月にアメリカのムーディズ格付け会社が、日本国債の格付けをAa3からA1に格を落とし、隣国の韓国や中国より下にランク付けをしたことで、日本国債の信用度が薄れたこと、また信用の下落によって国債が暴落する危機が高まり、国債を大量に抱え込んでいる日本の銀行が危険な状態に陥る可能性が高まることを指摘し、首相へ経済健全化へ向けて本腰を入れるように申し出たという。 これに対し安倍総理はランク付け会社と交渉を、と黒田総裁に促したが、黒田総裁はすでに格付け会社と意見交換をした結果、格付けは変更できないものと答弁した。すでにヨーロッパは格付けにしたがって経済政策を見直す方向にあるという。
アクチュアリティ・日本
お馴染みになった大阪毎日放送、「報道するラジオ」。福島第一原発の収拾もまったくといっていいほど目処が立たない今日、東京電力は新潟の柏崎原発の再稼動を急ぎ、また一方で東電は自社単独で4号機プールからの使用済み核燃料の取り出しを始める決定をした。この東電の二つの動きについて、新潟県知事の主張する安全の論理を実声で聞き、また、4号機プールの使用済み核燃料取出しは一度エラーを起こせば周辺の人間が即死するほどの放射能拡散の危険をはらむものにもかかわらず、そうした危険へ対処すべき国がどうして関与せずにいるのかを問う。専門家たちの検証は、あらためてメルトダウンした核をかかえる日本の危うさを認識させるものだ。ここで、報道するラジオがタイトルにつけた「原発ムラとの攻防」からは、新潟県知事の正当な主張を妨害する黒い霧のの蔓延を危惧させずにはおかない。(S.H.)…
アクチュアリティ・日本、マイナンバー制 etc.
NB:2013年6月1日、ニュース追加(下方) マイナンバー制、5月24日参院可決。2016年から施行へ。 昔、「国民総背番号制」と呼んだ法案が「マイナンバー制」と名称を変えて、今の政権下で立法化されようとしている。総背番号制が国民に嫌われたのは、人間を画一化してしまい、情報を一箇所に集めることによって、国が国民を統制しやすくする、いわば国側の利益のためのシステムであることを国民が把握しその将来を懸念したからだ。名称が「マイナンバー」になってもその危険性には変わりがないはず。ことに現在、IT化される個人情報は、ハッキングされ悪用される可能性があり、個人財産も危険に晒される可能性が非常に高い。こうした個人情報の漏出が心配されるシステムの立法化を、国に敢行させてしまっていいのだろうか。保険番号がマイナンバーのような役目をするアメリカでは、個人情報の盗用や悪用で年間数兆円の被害があるという。そのはなしを聞く。(S.H.)
アクチュアリティ・日本 「どこに向かう日本」たね蒔きジャーナルから
「政治が面白くなってきた」とは、関西方面の複数の放送局から聞こえてきた言葉。確かに、これだけ日本の個々人が政治に向き合うようになったのは戦後1960年の日米安全保障条約反対運動、そして1968年学生運動以来のことなのかもしれない。 ただし、60年安保や学生運動は激化してデモ隊と警察の物理的な衝突が結構長いあいだ続いた。60年は警官隊ともみあい怪我人や死者まで出た。大学があちこちでバリケードを組み、武装した学生がたて籠もるなどした68年は催涙弾が飛び交って東京都内を警察の装甲車が横行した。あれから40年以上経った2012年の脱原発・反核デモは、子供や家族連れが多く参加し、仮装をする人々や合唱をする人々がいて、日本経済の頂点やバブル、また、飽食の時代を生きてきた世代の余裕がちらつく平和的なデモである。フランスのメディアはBFMTVが二度ほど日本の官邸前のデモを取材したが、一度は家族連れや音楽入りの仮装の人々を映し出して、「どちらかというとフェスティブ(お祭り気分)なデモでした」というコメントで終わり。もう一度は7月13日のデモの際に、日本在住のフランス人小グループが参加したので、フランスのTV駐在員がインタビューをしに行ったという部分に限り、デモそのものの意味については掘り下げられる時間も無かった。…
アクチュアリティ
増税 - 急務、フランスの負債軽減のため、政府はきのう、増税の決定を発表した。不動産はセカンドハウスを中心、タバコ、酒類はもちろん、はじめてコーラなどの清涼飲料水にも税がかけられることになり、一斉に間接税増税。遊園地の観覧料値上がり、また特別税として、年間50万ユーロ以上の高所得者を対象に、所得税増税。VAT税や一般の所得税は上がらないが、保険類にかかるの税金が上がることで家計に負担が出ることは必定となった。今回の増税で政府は110億ユーロの節約を見込んでいる。保守全体は、思い切った増税を賞賛。一方、野党社会党のフランソワ・オーランドは、「やっつけ仕事にしか見えず、政府の想像力欠如がありありだ」と批判。 付け加えるならば、サルコジ大統領は金持ちに有利な税法を作り、国の負債処理をしりめに、TOTALやピノ財団、ロレアルなどのトップレベルの高収入者に巨額の税金を「返済」したばかり。今回の50万ユーロ(約6000万円)以上の高額所得者への増税は、政府節約分の3%しか占めず、金持ち優遇の政府姿勢を保ち続けている。一方で保険類の税金が高騰することで、社会保障のうち健康保険制度が返済しない分を補う共済保険が値上がりし、低レベル所得者の家計へ直接の負担が増えた。健康保険の赤字が大きく、国の健康保険の医療費負担率が激減しているため、共済保険による払い戻し分がますます増え、共済保険料も値上がりしている矢先の増税だ。 失業者、3ヶ月続けて増加 - 先月一ヶ月の失業者数は3万6千人。合計276万人の失業者をかかえ、10年ぶりの最悪を記録。ちなみにこの一ヶ月で女性の失業者1.6%増加したのに対し、男性の失業者1.2%増。景気が悪いと女性の失業者が増える傾向にある。失業期間も男性に比べて長く、また長期採用も少なく、全体に男女差別があることを否めない。長い失業で自信喪失する傾向が強い。 DSK、自由に - 8月23日、ニューヨーク市裁判所がドミニク・ストロス=カンの訴追の全面放棄を言い渡した。5月14日、婦女暴行容疑で捕らえられて以来、DSKのニューヨーク検察側からの追及はこれで終わりを告げたことになる(正確には30日後)。暴行にあったと言い張る被害者のナフィサトゥ・ディアロは、祖国のギニアで集団暴行されたことを理由にアメリカのビザを取得したが、集団暴行はまったくのつくりばなしであることが判明。またアメリカの扶養家族手当を受けるために娘が一人しかいないにもかかわらず、2人の子供がいるという虚偽の申請をしていた。実生活も、麻薬の運び屋との交渉があるなど、交友関係に不審な点があり、また事件の陳実にいたっては、毎回の召還で証言が微妙に食い、検事側に不信感を植え付け始めていた。アメリカの陪審員制度では全会一致が原則で、DNA鑑定などの物的証拠があるにもかかわらず、検察側がリスクを回避したという見解がジャーナリズムの大勢を占めている。 ニューヨーク検察の追及はこれで終わったようなものだが、ナフィサトゥ・ディアロは8月中旬にDSKに対し、賠償金を要求する民事訴訟を起こしており、DSKへの民事追求はこれから賠償問題で続く見込み。 フランスは、ナフィサトゥ・ディアロが検察に召還された22日月曜から、DSKのニュースで沸き立っている。一方でアンケートによるDSKの支持率は急降下。世界のトップの地位、名誉、人気のすべてを喪失した。(フランス2TV、BFM TV)
政府の「安全対策」に反対する、全国デモ
国家の安全を口実に、政府が行う外国人追放、特にロム(ヨーロッパを放浪して歩くルーマニア人など)の強制追放や集中的な迫害に対し、きょう9月4日、ジェーン・バーキンなどの歌手、俳優、野党政治家たち、人種差別やサンパピエに関連する何十という協会や市民が全国で集い、反対デモを行った。 ルーマニアの放浪者たちロムが、フランスでの滞在を不法とみなされ、警察にキャンピングカーや私物を没収されて、ショワズィ・ル・ロワ市の体育館に数週間収容されていたが、いよいよ着の身着のままで強制追放となったのを契機に、外国人を嫌って阻害したり一つの民族を集中して迫害しつづける政府の態度を糾弾するデモが、全国規模で大々的に行われた。パリではその数、5万人(当局の発表では1万2千人)、トゥールーズでは1500人から3000人、全国で総勢10万人が反対デモに参加したといわれる。 「ロムといってもルーマニア人に変わりはなく、ルーマニアは欧州連合の一員で、フランス人と同じ立派なヨーロッパ人です。それをフランスから追い出すなんて、とんでもない。人道に悖る」とジョゼ・ボーべがテレビカメラの前で発言。 フランスの外国人嫌いとロム追放は国連が批難するまでになっているが、今回パリに連動してイタリアでも、イタリア人やフランス関係者をまじえたデモ隊がローマのフランス大使館を取り巻き、フランス政府の外国人政策を批難した。(S.H.)