アートプロジェクト「10万年の迷路」ー 平川滋子
新たなプロジェクトに向けて あるテーマについて、2018年4月から9月にかけて、フランス、ドイツ、アメリカ、イギリス、日本など保有国のルポルタージュを中心に、密度の高いドキュメンタリー映像を 59本を視聴した。歴史と科学に触れ、事実に迫り、視野を広げなければならなかった。何よりもそれはまた、これを一つのプロジェクトとして立ち上げる際の、作品世界の「立ち位置を決定する」唯一の導線だったのである。
2019年、明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。 2018年夏のロンドン旅行の際の撮影 / We are here ロンドン地下鉄の出口で/ Mastaba アートの反射、クリストの作品 / 2019 ? / EARTH STATUS – MOVING LAND, MOVING ANIMALS /
フランスの文化支出、59%の地域で減少
2017年2月23日、文化政策監視機構(フランス文化省付)は2015年から2016年度の1年間の「地域の文化支出にかんする報告書」を発表した。文化省は日頃、4年をめどに変動を発表しているが、同機構は初めて2015年2016年の年度で集計。フランス国内の文化予算変動に関する一番新しい報告書となる。減少傾向にある文化予算だが、地域によって差異があることがわかった。 ニュースソース: 文化政策監視機構 L’Observatoire des politiques culturelles (OPC) 「地域の文化出費にかんする報告書」« note de conjoncture sur les dépenses culturelles des collectivités territoriales » 数字 全体の59%の地域で減少。 2017年度に向け、さらに25%の地域が予算を減らす意向だ。 (Source : OPC)
なぜ環境問題か、というはなし その1
「環境アート」という主題を自分のウェブにつけたのはもう14、15年も前のことになる。自分が何をやっても結局は自分の身の回りの環境に多かれ少なかれ影響された作品を作っていることに思い当たったときに付けた。したがって70年代で起きた歴史的な「環境アート」とは切り離れてぽつんとある。また「日本にいたらこんな作品は作っているはずがない」と思うことでフランスの環境が私の思考の反射板的となっていることがいつも浮き彫りになった。このことが、2003年のアメリカ行きを決めた要因でもある。「もしアメリカにいたとしても、今のような作品を作ってはいないだろう」という推測は、このとき現地アメリカで大いに確証を得たといっていい。自然環境のみならず、社会が違う。文化や言語のみならず、社会構造から来る気分がまったく違う。アートの成立も結局はすべて環境に帰するという思いを強くしたのはこのときだ。…