11月13日のパリで起きた同時多発テロからここ数日、日本の知り合いや友人から安否を気遣うメールをいただく。心から感謝をするとともに、友人の一人から来たメールとその返信の一つをアップします。(S.H.)

―――――

Sent: Monday, November 16, 2015 10:23 AM
Subject: 大丈夫ですか
 

平川さま

パリが大変なことになっていますが
大丈夫ですか?
自分には思想的なことはよく分かりませんが
何故人が人を殺めなければならないのか
分かりません。

一日も早く穏やかに生活出来るよう
願うだけです。
他人事では有りませんが、十分気をつけて
下さい。
パリの報道を見て、思わずメールせずにはいられませんでした。

―――――

返信:

Sent: Tuesday, November 17, 2015 12:52 AM
Subject: Re: 大丈夫ですか

某 様
ご丁寧にお気遣いのメールをいただき、ありがとうございました。
こちら至って元気ですので、ご心配なく。

イスラム国急進派が生まれてこうしたテロを行なっているのは、2003年にアメリカがイラクやシリアを原油欲しさに9.11にこじつけてイラク侵略をしたことに始まっています。

フランスはアメリカとの有志連合国にもかかわらず、あのとき国連でイラク侵略に大反対をしました。が、アメリカにひどく嫌われ、折れてアメリカの言うなりになり、とうとう「戦争の論理」の中に取り込まれてしまったわけです。
アメリカやイギリスによる攻撃で、イラク市民の死亡は百万人に上るとも言われています。アメリカ兵の4000人死亡の20倍あるいはそれ以上です。こうやって自分の国を破壊されたらどういうことになるか・・・・

「戦争の論理はやったらやり返す論理」です。

1991年のイラク戦争にもフランスは嫌々参戦しましたが、そのときの報復は94、95年のパリのテロでした。2003年はスペインも参戦し、覚えておいでと思いますが、スペインは翌年、電車でテロ爆発が起き2000人の犠牲者がでました。
今年は1月のシャルリー・エブドの事件で、フランスがシリア空爆を数度繰り返したので、先週のテロはその報復、ということになっていますが、大本は、ご覧のような経過が生んだものです。

この30年のフランスの歩みと被害をみて、とにかく日本が同じ道を辿らないようにと願うばかりですが、安倍さんは皆さんが知らないうちに、アメリカとの有志連合に加盟してしまいました。まだ自衛隊を実戦に出していないから、食い止めるなら今しかありません。

まあ、日本の外でいろいろ言っても仕方がないとは思いつつ。日本は、日本の皆さんが何とかするしかありませんから。

寒くなったでしょうね。お大切に。

平川滋子