["Nous sommes en guerre" 私たちは戦争状態にある]
11月16日月曜日、フランスの服喪の第一日目、全国で1分間の黙祷が行なわれた。この日、オランド大統領はベルサイユの両院合同会議場で722人の議員を召集して、13日に起きたテロの犠牲者へ追悼を表明するとともに、テロ撲滅へ向けて国の方針を発表した。パリ中心に位置する国民議会ではなく、ベルサイユ会議場を表明の場所に選んだオランド大統領の決意の程はなみなみならない。1月のシャルリー・エブドテロ事件時にテロリスト・ネットワークに関する捜査方法が明らかにされたが、国内で監視すべきとみなされる人間が約4000人おり、188もの調査書類が作成中であるという。こうした捜査の下地の上に、13日にパリを襲ったテロリストたちの調査はパリからベルギー、シリアへと点と点を結ぶ作業が迅速に行なわれている。…
[オランド大統領の意思]
オランド大統領はこの会議を「”Nous sommes en guerre” 私たちは戦争状態にあり、私たちは敵が誰だか分かっている。敵を倒すために戦い続ける」ということばで始めた。すでに大統領は「戦争」ということばを13日にも使いヴァルス首相がこれを繰り返しており、「目には目を」 のロジックでフランスは15日、イスラム急進派のいると見られるシリアのラッカに爆弾を20発落とし、報復を開始したと防衛省が発表している。ベルサイユのこの両院合同会議場は2008年、法改正後に両院議員を集めて大統領が重要発表をするときに使用することができるようになり、ことに憲法改正案の検討をするのに利用される。歴史的に意味の大きい場所でもある。
[発表されたこれからの方針]
国際的な行動
- これから数週間、フランスはシリア攻撃を強化。空母シャルル・ド・ゴールがこの木曜に湾岸到着、3倍の攻撃力を見込んでいる。
- 国連安全協議会の開会を申し込み、暴力的な急進派イスラム国の撲滅協力を世界各国に呼びかける。
- オランド大統領は、オバマ大統領とプチン大統領と会見し、二国へ攻撃の強化を促す。
- ヨーロッパ議会にも呼びかけ。欧州の一国が攻撃を受けた際には欧州諸国が協力し合うという議定書に基づいて、ほかの国へ協力を呼びかける。
- ヨーロッパ国境の警備強化の呼びかけ。
- このテロ事件で大量の移民も足止めされて、シリアから来る移民の彼らも犠牲者の仲間である。だからこそヨーロッパは移民を受け入れるべきであるが、現状を鑑み、周辺諸国のトルコやレバノンへ移民の助勢を頼みいれる。
- 国内では、警察と憲兵を2017年までに5000人増強、司法省関係は2500職を増強、国境警備(国境税関部および警備力)1000増加。
- 2019年までは、防衛関係や軍隊を減らさない(2013年時点では、経済政策のために軍隊の大幅削減と大量解雇を予定していた)
- サイバー・アタックの防止にむけて、オランド大統領は安全増強に数千のポストを増設する大きな予算をつける
- 国内の非常事態宣言は今から3ヶ月延長する。非常事態宣言の延長は、国会で承認させる予定
- 憲法の一部改正。「国の戦争権にそぐう公共の行動能力を高めるために、憲法を進展させていかなければならないと考える」とオランド大統領、「憲法は、非常事態宣言*(第36条が定める)をせずに、(つまり)一般市民の自由を拘束せずに、一定の期間のみ特別の方策を採ってもよいようなツールを与えるべきである」としている。
- テロリストとみなされた人間のフランス国籍を消滅させる。たとえフランスで生まれたフランス人であっても、危険と特定した場合は国はその人物のフランス国籍を取り上げることができる。二重国籍の場合も同様で、国外追放を義務とする。
オランド大統領はベルサイユ会議において、「テロリストはフランス共和国を破壊しない、なぜなら共和国がテロリストを潰すからである」と表明して、その声明を終えた。722人の議員達からの拍手は鳴り止まず。起立した議員達は、全員でラ・マルセイエーズを合唱し、各議員の意見表明へ(下にビデオの完全版へのリンク)。
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(ユーロップ1)