警戒の内訳、あれやこれや
11月16日のオランド大統領の発表によると、これから警察も軍隊同様の武器の扱いに関する権利を取得し、危険人物などを射撃しやすいようにするという。すでに警察の検挙方法の行き過ぎが取りざたされているが、これからより多くの警察介入による流血がおきるのではないかという危惧に晒されつつある。
オランド大統領の言う「国家予算の安定化より安全が優先」で、警察官や憲兵を5000人・国境警備1000人増強などが決定したが、これは緊縮経済のフランスにとってかなりな出費となり、前から予定されていた軍縮と軍人の大量解雇が実行されずこのまま軍備を温存することになったことも含め、加算による費用のかさみは100億ユーロに上り、国家予算に大きな影響を与えることとなった。
フランスでイスラム急進派に転向してシリヤに行ったフランス人は、1683人。うち、213人がフランスに戻ってきたという。そのうちの135人が現在身柄を拘束されている。シリアの過激派の指揮下でフランスでテロを引き起こす可能性があるとみなされる危険な帰還者たちは、自宅監禁を命じられ、夜20時から朝6時まで外出禁止。一日3回は、自宅にいることを証明するサインを送らなければならない。これに違反したものは3年の禁固刑が科せられる。
これまでフランスの対シリア政策は、アサド政権を倒すことにあった。この13日のテロ以来、急進派イスラム国が第一の敵とみなされることとなり、打倒すべき相手の大転換である。
アメリカのケリー国務長官、来仏。プチン大統領がフランスに協力して過激派イスラム国を集中攻撃することを約束した。
平穏だからといって、何もないと思っては大間違いである。先にテロの被害にあった隣国のロンドンでは、街頭にビデオを設置して住民の一挙手一投足を監視しているばかりではなく、インターネットのインターセプションをする大きなセンターを敷設しわれわれのEメールやSMS、スマートフォンのテキストなどのやり取りをすべて監視している。そのおかげで、この8カ月のうちに、7回もテロを未然に防ぐことができた。
(主なニュース・ソース、フランス2TV)