[ウィークエンドの主な出来事]

    1. フランス軍2500人を投入、マリ北部を爆撃、イスラム武装過激派に打撃を与える。フランス国内へテロの脅威、警戒厳重。
    2. 13日(日曜)、パリで「皆に結婚の自由」法案に反対する80万とも100万人ともいわれる大々的な集会開催。
    3. 12日(土曜)、ヨーロッパ文化首都、「マルセイユ・プロヴァンス2013」が無事開会式を終えた。ジャン=マルク・エロー首相と、オレリー・フィリペッティ文化大臣が出席。オーランド大統領はマリ出軍の関係で、異例の式典欠席。

Le président malien par intérim Diocounda Traore le 11 novembre 2012. (Photo Pius Utomi Ekpei. AFP) フランスへ軍事介入を要請するマリの大統領(リベラシオン紙)

 

[フランス軍、マリ北部を爆撃]

イスラム武装過激派が占領するマリ北部へ爆撃するために、アルジェリアがフランス爆撃機の領空内の飛行を許可した。

フランス国内へのテロへ備え、「プラン・ヴィジピラット」と呼称される国家安全警備対策が強化され、段階では一番上の警備体制をとるよう命令が下された。軍や警察、憲兵隊が人の集まりやすい場所などの警戒を最大限にする。

 

[1月13日、日曜日、パリで同姓婚に反対する80万人が集会]

人の波、波・・・。「マリヤージュ・プウ・トゥース(皆に結婚の自由を)」と呼ばれる法案が通過することに反対する市民が、地方から900台のバス、およびTGV3列車を利用して三々五々、パリに集結。その数、警察の調べでは34万人といわれ、また政府当局の調べでは85万人とも言われる。多くが家族連れで、「子供はパパとママのいる家庭で育つことが一番幸せ」と書いたプラカードを掲げてパリを練り歩き、最終的にはアンバリッドとエッフェル塔のあいだにあるシャン・ド・マルスに集まった。

「マリヤージュ・プウ・トゥース(皆に結婚の自由を)」法案とは、同姓同士が結婚することを認め、結婚で家庭をもったホモセクシュアルのカップルが子供を人工授精や試験管ベビーといったかたちで作ることを許す法律で、この法案を通すことはオーランド公約の一つでもある。ヨーロッパのほかの国ではすでに同姓婚を法的に認めた国があり、フランスは世論調査では57%近くが賛成しているが、政治方面では右派、また宗教的にカトリック信者などが強力な反対運動を展開している。「フランスの同姓婚への反対は、非常に激しくてショッキングですね。ほかの国などと比べると30年は遅れているんじゃあないですか」とは、オランダの新聞記者。(フランス・アンフォ・ラジオ)

キリスト教民主党のクリスチーヌ・ビュタンは、「ちゃんと討論がなされないまま法案が可決される方向にあります。法案がフランスにとって正当性があるものなのかどうか、国民に問うべき」とBFMTVで意見を表明した。集まった人々の多くには国民投票をすべきと言う意見があり、13日のデモには、野党第一党のUMP議員、ジャン=フランソワ・コペやクロード・ゲアンなどが合流した。


Youtube: 男性と女性が家庭を作る自然の形が一番大事、という同姓婚反対の人々の13日のデモのようす。ビデオはLe Pointから。

同性愛という愛のかたち自体がこれまで差別視されていたが、法的に正当性を与えることで、陰湿さや社会の差別を解消しようとするものだ。同姓婚で増える可能性のある人工授精児や試験管ベビー、また養子縁組などの子供の問題は、しかしながらまったく未知の部分ということができ、それだけにパパとママのいる普通の家庭で育つ子供と、同姓の両親の元で人工授精という特殊な形で生を得て育つ子供とが、どのように社会で共存していくか、確かに不安を投げかけずにはおかない問題といえるようだ。(S.H.)