サルコジ大統領からオーランド大統領へ。

昨日は首相にナント市の市長を23年勤めたジャン=マルク・エロー(Jean-Marc Ayrault、62歳)が指名された。オーランド大統領はシャンゼリゼ通りを車で行進したあと、早速アンゲル・メルケルとの会談のためベルリンへ出向。オーランド大統領の飛行機が離陸4分後に落雷にあい、一旦飛行場へ引き返して点検をしなおすなどのハプニングが起きたが、無事ベルリンへ到着しメルケル首相とながながと会見して記者会見に臨み、一路ブラッセルへ。大統領就任早々忙しい一日を過ごした。 …

5月16日20時、新内閣発表。大きな特色は、34閣僚のうち女性大臣17名、男性大臣が17名。社会党が約束していた「男女同数」をめざした政策(パリテ)をはじめて実現した。また女性差別を改善する目的で「女性の権利省」が1981年ミッテラン政権確立以来はじめて敷設され、社会党の広報で活躍したモロッコ生まれのナジャット・ヴァロー=ベルカセム(Najat Vallaud-Belkacem、34歳)が抜擢された。

ジャン=マルク・エロー内閣、閣僚の面々 (国民議会以後の現内閣構成ページ)

オーランド政権は、選挙公約を果たしていくことを目的とし、組閣早々政府機関の出費を軽減する目的で、大統領を含め閣僚の給料を30%減らすことを宣言。オーランド大統領の給料は今までの月額2万2千ユーロから1万6千ユーロ強となる。また、教育省はこの秋から2万人の教員増員を目指して教育制度の改良を目指し、またガソリン代据え置き、サルコジ政権が60歳定年から62歳に引きあげた年金制度の見直しを図る。

この内閣は、6月の選挙を前に、「暫定内閣」であることを否めない状況にあることを明らかにしておかなければならない。34閣僚のうち、26人の大臣が6月に予定された国民議会選挙に出馬することが決定しており、エロー首相はすでに「敗北者は内閣には残れない」と閣僚に言い渡した。すでに5月上旬の段階で保守との激戦が予想されているこの国民議会選挙で、勝利をもたらさなければ、昨日組閣を終えたばかりの内閣は即再編成を迫られるか、万が一議席数が足りない最悪の場合は、保守との両党政権(コアビタシオン)に入ることも考えられる。社会党政権は誕生したばかりですでに大きな正念場を迎えており、問題はこれからである。(JDD)