今年は火の年? アマゾンの大火災、中央アフリカの大火災、温暖化が起こす干ばつは火を呼びやすくし、カリフォルニアでは大火災で街が消滅するなどの災害が毎年のように発生するようになり、異常事態がそこここで日常となりつつあるのを目の当たりにしている。2019年11月26日、国連は気候変動が最悪の状態を招いていることへ警鐘を鳴らし、世界各国の温暖化ガス削減への努力を啓発した。
その数日後の30日、なんとブラジルのジェイル・ボルソナロ大統領が俳優のレオナルド・ディカプリオを「金を出してアマゾンの森林に火をつけて回ろうとしている」と公に糾弾したという(NBC、ABCニュース)。今年8月に起きたアマゾンの森林大火災には世界中が震撼とした。あまりの悲惨さにレオナルド・ディカプリオは、復興に寄せて森林を守る人たちへ500万ドルの寄付を決めた。それをブラジルの大統領が「火をつけるための金」というクレームをつけたのだ。近年毎年、アマゾンでは森林伐採のたびに焼畑が行われている。伐採した後の土地をパルムオイルなどの畑にするためで、今年の火災は、ボルソナロ大統領が許可を与えたせいで、いつもの2倍の森林伐採が行われ従っていつもより広範囲で火が放たれたことが大きな原因と言われている。
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国連の世界気象機関の報告によると、温室効果ガスの濃度は過去最高
国連の報告によれば、今年の災禍をまだ考慮に入れていない2018年に測定された主要な温暖化ガスは急増。過去10年間の平均を上回るという。これは、気候変動の緊急事態に対する政策や行動がまったく功を奏していないことを示している。 WMO(国連、世界機構機関UN’s World Meteorological Organization)は、「削減どころか悪化の一方。温暖化ガスの濃度上昇は最悪を記録し、目標と現実の差は開くばかり」と発表した。
先週月曜日に公開されたWMOレポートでは、CO2の世界平均濃度は、2017年の405.5ppmから2018年には407.8 ppmに達したことがわかった。この数値は、産業革命が石炭やオイルとガスの世界的な利用を促す前の1750年より50%高い。
WMO事務局長のペッテリ・タアラスは、「気候変動に関するパリ協定の下で世界中の国が契約をしたにもかかわらず、温暖化ガス排出を減速するどころかその兆候もありません。未来の人類の幸福のために、各国の意気を引き上げる必要があります。地球が、現在の二酸化炭素濃度に匹敵する環境を経験したのは3〜5百万年前でした。この時代、気温は今より2〜3℃高く、海面は現在より10〜20メートルも高かったのです」。
過去最悪と評価された2018年。世界の科学者たちは、2030年までに温暖化ガスの排出を半分に削減できなければ、今世紀末の気温上昇を1.5℃に抑えられず、何億人もが増加する熱波や干ばつ、洪水や貧困に苦しむことになると警告している。(emissions must fall by half by 2030)
11月に発表された確かな専門家の分析によると、2015年のパリ協定に基づいて約束された4分の3の温暖化ガス削減目標は、「完全に不適合」であり、これでは世界を気候災害への道に導くという。また別の報告は、2030年には化石燃料を利用する国が二倍に増えるともいう。
グリーンピースUKの事務局長であるジョン・ソーベンは、 「CO2濃度の針はまさにギリギリを指しています。私たちの文明を存続させ、種の大量絶滅を防ぎ、子どもたちに健全な地球を残すのは、今まさに私たちの力にかかっているのです」。
(The Guardian)
・How Climate Change Makes Wildfire Season A Constant Reality In California | NBC News Now
1 061 vues•29 nov. 2019
 
U.N. Calls Climate Outlook ‘Bleak’ In New Report | MTP Daily | MSNBC;
Climate Central CEO and Chief Scientist Ben Strauss says the “problem is too big for any one entity to do on its own”. Aired on 11/28/19.
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気候:失われた10年、各国は排出量を劇的に削減しなければならない
地球温暖化を持続可能なしきい値に抑えたい場合、各国は2020年から2030年の間に炭素排出量を毎年7.6%削減する必要がある。しかし、排出量は抑えられないほど増加の一方。投稿者:Audrey Garric投稿日:2019年11月26日09h11-更新日:2019年11月27日6:40 am
https://www.lemonde.fr/planete/article/2019/11/26/climat-apres-une-decennie-perdue-les-etats
完璧な数字の現実がわれわれの眼の前で展開されている。
時間がたてばたつほど、気候危機の拡大を抑える努力もますます必要になり、実現させるのがどんどん困難になる。国連は、「失われた10年」(2009年から2019年« une décennie perdue »の間、温室効果ガス排出量の抑制にみんなが失敗)の後、今や各国は、2020年から2030年までの毎年の二酸化炭素排出量を7.6%削減しなければならないと警告した。この条件のもとで、地球温暖化を+ 1.5°Cに維持するというパリ協定の目的を達成することができるのである。これは、2010年からタスクを履行していた場合の二倍の努力を必要とすることを意味する。また、もっと大変なのは、現実には過去10年に比べ、温暖化ガス排出が毎年1.5%も増加していることだ。
これが、国連環境計画(UNEP)が11月26日火曜日に発行した第10版「排出ギャップレポートla 10e édition de son « Emissions Gap Report »,」で発表した警告である。12月2日から13日にかけて、マドリッドで196か国がで会合して行われる第25回世界気候会議(COP25)に向けた報告だ。サミット議長国のチリは、世界中で洪水や巨大ハリケーンの発生増加や熱波などに見る気候変動に向けた一層の努力を加速するようサミットで各国に申し入れる方針だ。
(ル・モンド電子版)
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ブラジルのボルソナロ大統領、俳優のレオナルド・ディカプリオが金を出してアマゾンの森林に火をつけて回ろうとしていると非難
大統領は証拠もなく公言。以前、大森林を壊滅した今年の火災を発生させた大統領の政治方針を批判したNGOを糾弾したことがあり、どうやら、NGOが援助金欲しさに火をつけたと嫌疑をかけてボランティアの消防士4人が逮捕されたことから、こうした発言へ発展したらしい。権利団体、NGO、批評家らは、警察の彼らに対するこうした行為は政治的なもので、環境団体に嫌がらせをしようとしていると主張した。
今年8月の大火災においては、「地球の肺」と呼ばれる地球の生命線の危急を世界が憂慮した。
俳優でありかつ環境アクティヴィストのディカプリオは大統領の糾弾に対し声明を発表した。「ONGはもちろん支援する価値があるが、私たちは現在攻撃を受けている組織に資金提供はしていない。かけがえのない生態系の未来が危機に瀕しているので、私はそれらを保護するグループの一員であることを誇りに思います」として、彼はブラジルの自然と文化遺産を守るために働いている人々を称賛した。
ボルソナロ氏の発言にランドルフ・ロドリゲス上院議員は、「怠慢で無能な大統領は、ディカプリオを非難するだけで自分の政策を顧みず、何かを破壊することなく前進することもできないとは、実に絶望的だ」と苦言した。
https://www.bbc.com/news/world-latin-america-50613054
(BBC)
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My opinion: 一人や二人のディクティター(専制[君主])が出現するだけで、世界人口70億と次の世代が危機に陥る。そういう構図を見る。節約や自然博愛は、政治レベル、国レベル、世界機構レベル、地球レベルで動かないと、どうにもならない。そのレベルの権力者の中にアメリカの現大統領(パリ協定から脱退して石炭を掘り石油を掘り、自然保護地を企業に渡すなど)、やブラジルの現大統領(地球で最も重要な森林を持つ国。森林伐採、焼畑励行、ついでに森林に依って生きる原住民を追い出す)が 割り込めば、せっかくの世界機構の政治アクションが頓挫する。続いてはいけない失われた10年はこれからもこうして悪政の元で続くのだろうか。大局的な目を養い続けるために、科学者の分析はフォローしていかなければならない。S.H.
https://www.bbc.com/news/science-environment-50547073