欧米の大消費社会は、そのゴミ処理の大半を長いあいだ中国に頼ってきた。しかし、2018年1月1日、中国は外国のゴミ輸入を停止。ヨーロッパは早急に対策に向かって稼働

中国は西側諸国から毎年数百万トンの廃棄物を輸入し、主に低階層の小企業が回収物を引き受けて仕分けし、リサイクルできないものは焼却するなどしていたが、そうした構造が巨大な大気汚染の根源となり、地域社会に深刻な健康問題を引き起こしていた。しかし近年、中国が裕福になり、かつ、2015年12月にパリで開催されたCOP 21の参加、および、第3次5カ年計画(2016-2020年)推進の双方で国際的にも国内政治においても「緑化」を目指すことを主眼にしたことで、外国から輸入するゴミ処理産業を放棄し、国内の環境規制整備を強化することになった。

世界の廃棄物市場、再構成を余儀なくされる

中国政府が、1月1日からプラスチック、紙、布類など24種類の固形廃棄物の輸入を停止するという内容は、「緑化目的」という理由で施行僅か6か月前に、中国政府からWTO(世界貿易機関)に知らされたものだ。

中国政府は、「消費者社会に向けてひた走りする中国は豊かな国になっており、今後は、優先的に自国の廃棄物を処理し、しかも可能な限りクリーンな処理方法を開発していかなければならない」、また、「廃棄物処理の効率を高めるために、先端技術をさらに高度にする専門的能力を導入することを目指す。また一方で、地方自治体は、都市管理計画にリサイクルをもっと包有していかなければならない」とし、一挙に国内の環境規制強化と汚染軽減へとシフトしようとしている。

一方で、それまで中国を単なる廃棄物市場とみなしてきたアメリカやヨーロッパの企業には、大きな衝撃波が走った。アメリカは2016年、鉄以外の金属、紙、プラスチックなどの廃棄物の半分、つまり、1620万トンを中国に輸出した。欧州連合は、回収されて仕分けされたプラスチックの85%を中国に輸出しているのだ。
アメリカの担当者は中国の市場閉鎖を受けて、「インド、パキスタン、カンボジアなどの国が処理能力があれば、新しい代替市場になるのではないか。しかし、処理能力が今までと同じかどうかは疑問で、特にヨーロッパでは廃棄物の蓄積は大きなリスクとなりそうだ」と警告している。
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My opinion: 中国が背を向けると欧米が走り回る、中国のワールド・リーダーシップの掌握はこういうところからも始まるのかもしれない。

関連ページはこちら:「EU、使い捨てプラスチック殲滅への挑戦」