COP21-パリ協定推進に向けて、60カ国の首脳や政府代表が参加

ワン・プラネット・サミット公式サイトはこちら:https://www.oneplanetsummit.fr/fr/

2017年12月12日、エマニュエル・マクロン仏大統領、ジム・ヨン・キム世界銀行グループ代表、および、アントニオ・ギュテール国連事務総長は、地球環境の緊急事態に際して世界各国から集まった首脳並びに活動家たちとパリで会合した。歴史的決定をしたパリ協定締結から2年が経ち、実現へ踏み出すときがきている。目標達成のために、すでに変革への道のりを提示しているものもあれば、これから具体策を練り出さなければならないものもある。

エマニュエル・マクロン仏大統領、ジム・ヨン・キム世界銀行グループ代表、および、アントニオ・ギュテール国連事務総長の三者から12日午後、「適合」「緩和」「動員」の三つのキー・ワードが提示された。気候変動と闘い地球を危機から救うために、不可避的な変化に生活様式を適合させ、温暖化ガスの排出減少に拍車をかけ、世界財政の中で気候問題に適合する資金の新しい構築方法を見つけるのが今回の狙いだ。

結 果

公共事業や団体、企業などが世界各国から集まり、それぞれが積極的な姿勢を見せ意欲的に資金供出に力を貸す姿勢を見せたが、2015年採択のパリ協定が実行に移されるには、深刻な資金不足を解消しなくてはならない。

「闘いはすでに劣勢」とマクロン大統領。「劇的なのは、実行に移すのに時間がかかりすぎることだ。もっと動かなければ」。

この会合で参加者から、気候調査サテライトを打ち上げることや、34カ国に主に海上運送で排出されるCO2ガスの制限など、12項にまとめられた30のプロジェクトが提出された。また、ビル・ゲイツ基金、欧州委員会やフランスを入れた数カ国が、地球環境保護のため農業革新への援助に向けて6億5000万ユーロを供出することを決めた。

また驚きに値するのは、世界銀行が、2019年以降、石油や天然ガスの開発やそれに関連する搾取事業への資金援助を停止する、としたことだ。多国籍銀行がこうした約束に踏み切ったのは世界初である。

(ワン・プラネット・サミット公式サイトから)

>> À lire sur France 24 : “La diplomatie climatique d’Emmanuel Macron, décalage entre discours et réalité”

 © Ludovic Marin, AFP | Emmanuel Macron, mardi 12 décembre 2017, au One Planet Summit près de Paris.  12/12/2017 

パリのCOP21で2015年12月12日、195カ国が昼夜を厭わぬ努力の末に締結したパリ協定。その目標は、産業革命以前から2100年の間をめどに世界の気温上昇を2°Cから 1,5°Cに抑える、というものだ。しかし、この10月国連は、今世紀末には3,2°C 気温上昇があると警告。また、カリフォルニアの研究雑誌「ネーチャー」は、パリ協定の設定数字は過小評価であり、少なくとも15 %多い気温上昇があるだろうとしている。

ワン・プラネット・サミットは、今年7月のG20サミットでマクロン大統領が提案したもの。その直前の6月1日、アメリカのトランプ大統領がパリ協定脱退を宣言した。パリのサミットはその空洞を埋めようとするものだ。

しかしながら、なぜ、ボンで開かれたCOP23の3週間後にパリでサミットを開催しなければならないのか。ワン・プラネット・サミットをわざわざ「緑の資金構築」と題したのは、COPとフランスの立場を競合させないようにということらしい…。

(ル・モンド電子版の一部、2017年12月11日)