外交、内務、防衛の三大臣に極右政治家

 

保守党ÖVPセバスティアン・クルツと極右の自由党FPÖ代表ハインツ=クリスティアン・シュトラーヒェが12月16日(土)、オーストリアの新政府の重要な三主権府を極右政治家が占めると発表した。内務大臣にハーバート・キックル、防衛大臣にマリオ・クナセク、国際法律家のカリン・キネシルは党に属してはいないが極右政党FPÖの支持で外務大臣に就く。 

オーストリア新政府、重要閣僚に極右政治家

閣僚14名のうち、セバスチャン・クルツ(31)新首相(上写真左)を筆頭に、8名が保守党ÖVPから任命され、6名がFPÖから任命された。「我々が推測するようにすべては順調に進むだろう。将来の政府に反対するものは何もないはずだ」と、政府の任命及び解散の権利を持つアレクサンダー・ファン・デル・ベレン大統領は、二党の指導者を受け入れて述べた。
自由党(極右政党FPÖ)は、ヨルグ・ハイダーが党首だった時期以来初めて、内務省と外務省を掌握することになる。保守党ÖVPは、移民政策に焦点を当てたキャンペーンの末、31.5%の支持を獲得しで10月15日の総選挙に勝った。 極右政党FPÖは26%を占め、クリスチャン・カーン元首相率いる社会民主党(27%)に次いで3位についた。国民を安心させるためか、極右FPÖは従来の反欧州連合(EU)姿勢を顕著に軟化させた。EUからの脱退を決める国民投票はしないが、社会問題に関わるEUのさらなる統合には反対する方針だ。
ヨルグ・ハイダーのFPÖが2000年に政府に入閣した時、当時のEU加盟国14カ国は、仮にそれが象徴的なものであったにせよ、ウィーンに外交制裁を課した。しかし、反移民受け入れ策や反体制の勢いが大陸における地位を強める今日、こうした極右台頭へのEUの制裁は起こりそうもない。オーストリアの首都ウィーンではしかし、極右政治家による権力掌握に反対する6つのデモが計画されているという。

(Texte par FRANCE 24  Avec Reuters et AFP)

http://www.france24.com/fr/20171216-autriche-gouvernement-fpo-ovp-kurz-strache-affaires-etrangeres-interieur-defense?ref=fb_i