パリ協定、インドが批准
「子供の未来のため、大地の未来を思い」、インドが10月2日(マハトマ・ガンジーの誕生日)、パリ協定を批准した。 大量に温暖化ガスを出す国のうち、アメリカ、中国に続いて、3番目の温暖化ガス排出国である。1997年に採択された京都議定書以来18年ぶりに世界各国が気候変動を抑制するプロジェクトへ合意したパリ協定。現在、協定の施行へ向けて各国の批准が進んでいる。
施行へのプロセス
COP21の議長ローラン・ファビウス(当時仏外務大臣)が採択の時に打った木槌を、「これは小さい木槌だが、大きなことを可能にするかもしれません」と言って涙を浮かべた合意到達。地球温暖化抑制へ向けたプロジェクトは、パリのCOP21(第21回気候変動枠組条約締約国会議)で参加国195カ国の代表が全会一致で合意した。
・パリ協定の内容(公式議定書)http://unfccc.int/resource/docs/2015/cop21/fre/10a01f.pdf
地球温暖化の気温上昇率を、産業革命以前の気温から気温の上昇を2℃以下にとどめることを目的としたプロジェクトを施行するには、参加国のうち55カ国、および温暖化ガスの55%を出す国々の批准が必要とされている。
すでに、ブラジル、メキシコ、アメリカ、中国、アフリカの大半の国など、62カ国が批准しているため、批准国数は足りているが、温暖化ガスの総計は52%で必須条件にはもう一息足りない。温暖化ガス全体の12%の産出をしているヨーロッパ連合がこれに加われば条件を満たすことになるため、欧州28カ国が合意へ向けてラスト・スパート。インドの批准直後の10月4日、欧州議会は全会一致で批准に向けて進むことに賛同し、11月に揃って批准書を提出する見込みとなった。
フランスはすでに6月15日に国連へ批准書類を提出。環境相セゴレヌ・ロワイヤルは9月21日、ニューヨークで開かれた71回国連総合会議へ出席した。会議は、国連事務総長のバン・キムーンの采配のもと、パリ協定を施行に向かわせるために開かれたもので、このとき多くの参加国がパリ協定への積極的な協力を承認し批准国は60カ国を超えた。
近々EUの批准も計算に入れ、モロッコで開かれる次回の11月7日のCOP22でパリ協定の施行宣言の運びとなると思われる。
http://www.actu-environnement.com/ae/news/ratification-accord-paris-soixante-pays-27540.php4
アメリカと中国の参加は大きく、この2カ国だけで温暖化ガスの産出量は38.5%を占める。
他にまだ批准していない国で温暖化ガスの産出量が多い国は、ロシア(5.3%)、日本(2.9%)など。
My opinion: 気候変動への世界的な議論が京都で始まったことは、それが合意に至らなかったけれどもある種の自然や生き物に対する意識の高さが日本から発祥しているようで、なんとなく誇らしかったが。今はどうだろう。日本は、人間の未来も、地球の未来も視野から外れているらしい。(S.H.)