フランスから―環境とアートのブログ

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スタンダード&プアーズ、許せない過ち - 発行体格を決めるアメリカのスタンダード&プアーズが、「誤って」フランスのトリプルAの格下げを発表。あちこちでフランスの格下げが話題となり、ヨーロッパの経済危機を背景にしたフランスの信用を揺るがす結果となりかねない当社の誤りに、ヨーロッパ議会は騒然とした。怒りを表明するとともに損害賠償を要求することになりそうだ。(フランス2TV)

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コンラッド・マーレー、マイケル・ジャクソンの医師に過失致死罪で有罪判決 洪水 - ヴァール、ペルピニャンで一昨夜からの大雨による洪水で多くの家が浸水。死者5名が出ており、今夜も大量の降水が予想され予断を許せない状況だ。 増税 - 食料やレストランに課せられるVAT消費税(TVA)が5.5%から7%へ。一昨日の増税案9%への非難が多く、訂正されたもの。この消費税引き上げによって、来年政府予算不足分のうちの180億ユーロが賄われる予定。 隕石 - 今夜、35年ぶりに隕石が地球へ接近する。その大きさ400m、接近距離は32万5千キロと、月よりも近い。天体観測にはもってこいの夜となる。この隕石を逃すと、次に新たな隕石が訪れるのは2028年という。(フランス2TV)

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社会党大統領候補選挙 - 今日10月16日は、フランス社会党の大統領候補を選出する第一次選。6人の立候補者から、事実上フランソワ・オーランドとマルチーヌ・オーブリィの一騎打ちとなった。伝統的に社会党を支持する地域に人気のあるフランソワ・オーランドが首位を占めるものの、マルチーヌ・オーブリィとの差は僅少。「オーランドそれともオーブリィ?」の質問に、「サルコジに打ち勝つ候補じゃなきゃいけません」とは、投票に来た有権者の声。(フランス2TV昼のニュース) 選挙結果発表 - 社会党の大統領候補決定戦の軍配はフランソワ・オーランドに。270万人が投票した社会党の大統領候補決定選挙の結果は、マルチーヌ・オーブリィの43.2ポイントに対し、フランソワ・オーランドが56.8ポイントを獲得して2012年フランス共和国大統領選挙へ出馬が決定した。(フランス2TV夜のニュース)

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マルクールの核廃棄物溶融炉爆発事故、レベル1に - 9月12日に死亡事故の起きたマルクール(ガール県)の核廃棄物処理場サントラコの溶融炉で、爆発当時処理されていた放射能汚染鉄鋼4トンは、500倍の放射能があったことが分かった。9月30日のフランス放射能安全委員会(ASN)の調査発表によると、溶融炉内部は当初発表の63キロベクレルではなく、30メガベクレルの放射能があったことが分かり、サントラコに大幅な数字の差について説明を求めたという。原子力安全委員会は29日木曜、この事故をレベル1に査定した。 放射能に関する独自な研究と情報委員会 (Criirad)は、「非常に危惧される状況です。この工場が、核廃棄物の管理や計測能力をきちんと持たずに放射線量の過小評価をしつつ仕事をしたということなのかどうか、はっきりさせなくてはなりません」と鋭く非難した。工場の不透明な管理にたいし、地域の協会が起訴し、10月14日から司法関係での取調べが始まる。「だいたい、こういった廃棄物がどこから来たものか、どういう方法で収拾されてどの程度の量ストックされているのかなど、ぜんぜん知らされていないわけですから、心配は尽きません」と近隣の住民。(TF1TV、ラングドック・ルシヨン・フランス3TV) インデアン・サマー - フランス全国、9月下旬から10月初旬は28度から30度という真夏のような陽気で、7月8月天候不順で足が遠のいていたあちこちの観光地が活気付いている。

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上院議員選挙、左派歴史的な勝利 - “Le gauche frappe un grand coup”(左派、大一撃)。9月25日、上院議員選挙が行われ、第五共和制史上はじめて社会党野党連合が与党に2議席上回って勝利した。上院の過半数を左派が占めて野党の進出が裏付けられ、与党の敗退は来年の大統領選挙にむけて大きな障碍となると予想される。 新しい議席数は、左派177、中道22、右派与党148。与野党の過半数転覆のインパクトは政府構成に影響して一部の内閣改造があり、今日スポーツ大臣にダヴィッド・ドゥイエ(元柔道家)が任命された。 #拡大鏡# 議席を伸ばした左派のうち、ヨーロップ・エコロジー・レ・ヴェール(EELV)は4議席から10議席へ。中でも特筆すべきはソウルで生まれてフランスの家庭に育てられフランスへ帰化した43歳のジャン=ヴァンサン・プラセが上院に初当選。共産党古参のロベール・ユー(63歳)、社会党のセルジュ・ダソーが最高年齢の86歳で再選されたほか、上院における社会党グループの議長に、ジャン=ピエール・ベル(59歳)が抜擢された。 与野党の議席数転覆で、ニコラ・サルコジが憲法に導入しようとしていた「黄金率」と銘打った予算組み立て再考法案は規定の5分の3議席が取れなくなり、自動的に流産した。(フランス2ブログ、ル・メトロ) 教育 - 14000人の教員削減が予定されている2012年度に予想される教育条件の悪化を訴えて、現場の教職員の25%(教員組合の把握では50%)が27日に全国デモをおこなう。すでに出産率の増加で小・中学生生徒が激増して教員不足。たとえば小学校では、ハンディキャップを負った子供や落ちこぼれの補修などの専門的な知識を備えた教員が普通教員の補佐をして従来の授業時間のやりくりができていたが、教員削減はこれらの専門教師の職を奪うことが必定となリ生徒側の要求にもこたえられなくなっていくのは明白であるという。 2007年から2010年にかけてサルコジ政権下ですでに5万人の教員削減が行われており、教育の現場ではその対応に追われてきた。これ以上の大量削減は、教室の合併や補習授業の削減などの実質的な支障に拍車をかけることになる。教員の養成に努め教育の質の向上をめざすドイツと比較しても、近年フランスの子供の学業成績は低下の傾向。 サウジアラビアの革命的法改正 - 昨日サウジアラビア国王アブダラが、女性の投票権ならびに地方選挙への参政を承認。(選挙は地方選挙のみ存在する。)この国の歴史上はじめて女性が政治に参画できることになった。女性は運転禁止、手術をしたり旅行をするのも家庭の男性の許しがなければできない。地球上のウルトラ保守の国もようやく近代化へ。(フランス2TV) My opinion: フランス中心のフランスが大きく変化していく。ヨーロップ・エコロジー・レ・ヴェール(EELV)には、フランスで生まれてドイツ国籍を持ちフランスとドイツの両方からヨーロッパ議員に選ばれているダニエル・コン=ベンディット、ノルウエーのオスロで生まれてフランスでキャリアを積み、2012年のフランスの大統領候補としてEELVから出馬するエヴァ・ジョリィ、そしてこのフランス国籍を持つソウル生まれの生粋の韓国人ジャン=ヴァンサン・プラセと、インターフロンティアのメンバーの躍進が目覚しい。国籍だの血統だのなんだかんだの常識がどんどん急速度で覆っていくのを見ることができるのは、こうした「地球全体」を考える時代の寵児のおかげだと言って過言ではないだろう。(S.H.)

9月の記念日

1981年9月18日、死刑廃止、今年30年目 - 1981年に社会党のミッテランが大統領になった年の10月、刑事判決の極刑である死刑廃止案が国会を通過。賛成363票、反対117票で可決して死刑廃止が決定した。このときから御用済みになったギロチンが博物館入りする。ちなみに世論調査で、この時国民の63%は死刑廃止に反対だったという。 2001年9月21日、AZF爆発 - トゥールーズの工場AZFに貯蔵されていた300トンあまりの硝酸アンモニウムが爆発。31人が死亡、2500人が重軽傷を負ったこの日から10年。硝酸アンモニウムは化学肥料の一部として悪条件の中でストックされていたもので、爆発はマグニチュード3.4の地震に匹敵する揺れを記録し、爆発音は80km先まで聞こえたという。大概の負傷者は吹き飛んだガラスによる擦過傷、爆風による聴覚障害で、ノイローゼ鬱病などの後遺症をかかえる人が多いという。このAZF工場の爆発で、フランス全国の似たようなずさんな管理の工場に関する危険地帯が言及されたが、あれからあまり改善されたという話を聞かない。 1981年9月22日、パリ・リヨン間TGV開通30年 - パリ・リヨン間のTVG開通に際し、運転台にミッテラン大統領が乗って話題になった。このときの時速252km。勢いがついたTGVは速度を倍増して軍用飛行機と競争するなどしている映像が残されている。

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DSK、TV出演 - アメリカから帰郷したドミニク・ストロス=カンは9月18日日曜、フランスの民放TF1の夜8時のニュース番組に招待され、初めてフランス国民の前でこの5月に起きたニューヨークのソフィテルでの婦女暴行事件に関する釈明をした。ナフィサトゥ・ディアロとの関係についてDSKは、「暴力的なことなどは一切起きなかった」としつつも、「この関係は、倫理に欠けていたことから発したもので、自慢ができることではない」と、TV視聴者の前で一種の告白ともいえる発言をして、DSKとナフィサトゥ・ディアロの間に何かがあったことが周知の事実となった。TV局の外では、暴行事件の被害者団体の女性たちが集まり、DSKの非難を大声でするなどしていた。実際、DSKが逮捕されて以来、各地の婦女暴行被害者組織やフェミニズム団体の活動が活発化している。 DSKの初のTV告白があったこの日のニュースは、全国の視聴者数が1400万人に上ったとされ、最高の視聴率を記録。フランス人の20%以上がこの生放送を見ていたことになる。(TF1TV、BFMTV) イタリアの経済危機、ベルルスコーニ首相の信用失墜 - 発行体格付けをするスタンダード&プアーズ(スタンダード・アンド・プアーズ、Standard & Poor’s、S&P)社が今日、イタリアの格下げを決定。ヨーロッパ経済への心理的影響が大きくなった。 二度にわたる救済策と大きな犠牲にもかかわらずギリシャの負債が緩和できずにいるヨーロッパ連合は、この10月にギリシャ救済を続けるかあるいはギリシャの倒産を認めてユーロ圏から脱退をさせるかの瀬戸際にあって、大きな破綻があきらかになったイタリア経済の危急でさらに足を引っ張られる形になっている。格下げの原因は、シルヴィオ・ベルルスコーニ首相の統率者としての能力が疑われていることによるものだ。 イタリアのあとはフランスが経済危機の大波を真正面から被るというのがもっぱらの経済評論家たちの予想だ。 ギリシャ国内では、消費税高騰23%へ。所得税増税など。にもかかわらず政府の金作の滞りは、国内6000の企業がほとんど納税せず、収入の違法処理が増加しているためと言われる。アテネの道行くギリシャ人は、「ギリシャが倒産なんて、大嘘さ」「どっちみちどうにかなるわよ」とヨーロッパの心配をどこ吹く風。 S&Pによる発行体格付け: フランスAAA、アメリカAA+、イタリアA+からAに、アイルランドA-、ポルトガルBBB-、ギリシャは最低のCC。 フランスの大手銀行の行方 - ギリシャやイタリアへの巨額貸付にかんする返済の見通しがきかないフランスの大手銀行は、フランス国内の企業への貸付金を出し渋る傾向にあり、国内産業の進展に大きな障碍となり始めている。 Les Restos du coeur - レスト・デュ・クール(心のレストラン)と呼ばれる貧困者救済レストランは25年前にコメディアンのコルーシュの呼びかけによって設立し、母子家庭や失業者、移民などの貧困者の食事を賄う。昨日、ヨーロッパ連合はレスト・デュ・クールへの援助を30%カットすることを決定し、大きな衝撃を与えている。貧困者への食料費カットに、フランス農業及び食料大臣、ブリューノ・ルメールが早速ブラッセル入りし、EUの決定に抗議を申し込んだ。EUの食料量援助に頼る人口は、ヨーロッパで1800万人、フランスには400万人いる。ブラッセルのヨーロッパ議員はこのまま食糧援助をストップしたい意向らしいが、多くの食料援助依存者のいるフランスは、10月上旬のサミットで再検討を申請する。 アルツハイマー治療に光明 - アルツハイマー病における最初の病変部位で知られる大脳辺縁系の一部の海馬の萎縮をストップさせる希望の分子構造が明らかとなった。アルツハイマーの初期に当用すると45%の記憶回復の希望があると言う。この分子構造は新しいものではなくすでに重症患者に利用されていたが、あまり効果がなく軽視されていた。研究者が174人のアルツハイマー初期患者に当用して好結果を得たもの。 世界の天候 - 台風一過、また日本の本州南部に台風接近。(フランス2TV)

ヨーロッパ文化遺産の日

第28回ヨーロッパ文化遺産の日、2011年9月17日、18日のウィークエンド - 恒例のヨーロッパ遺産の日はこのウィークエンドが第28回目。毎年国民に大人気のこの日、フランスの15000の文化、歴史、政治、産業の要地が一般公開される。人気の大統領のオフィスであるエリゼ宮、アンドレ・マルローが仕事をした文化省、国会はもちろんのこと、社会党書記長のオフィスその他歴史的な政治の現場も公開。前回の開催では、1200万人の参観者を動員した。 フランス文化省のサイト: http://www.journeesdupatrimoine.culture.fr/

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マルクールの核廃棄物溶融炉で爆発、一人死亡4人重症 - 9月12日正午ごろ、フランス電気EDFの関連会社でガール県マルクールにある低レベル核廃棄物を処理する施設サントラコの溶融炉が大爆発し、職員一人が死亡、4人が重軽傷を負った。この施設は、放射能防護服やその他軽機材の焼却および、原子力発電所施設解体などから出る核廃棄金属を溶かしてリサイクル可能な鉄を抽出したりする溶融炉をもっており、溶融の際に出る放射性物質が多量にストックされているはずという。爆発直後、施設から2kmはなれた人口2000人の村々では住民がパニック状態になり、幼稚園の保育係が子供を屋内へ退避させるなどの自発的な非常措置を取った。この事故に際し仏原子力庁は、建物は密閉されており現在のところ放射性物質が建物の外へ漏出することはないと発表。エコロジー大臣が現場へ赴き、原子力事故としてではなく、通常の産業事故として対応に当たるように強調した。一般への通達は爆発から2時間後で、情報の遅滞に地域は業を煮やしている。 フクシマ原発事故以降、フランスでの原子力施設での爆発はこれで二度目。ほとんど発表されないが、全国で平均一日に3つのアクシデントが起きるという。(フランス2TV) フェッセンハイム原子力発電所 - エコロジストや原発反対者が一番に廃炉にすべき原発として先ごろから槍玉に上がっているアルザス地方のフェッセンハイム原子力発電所。1977年に建てられたこの発電所は、地震発生地域にあり、持ち主のEDFの案内でエコロジストと地域の議員らが視察した際に、核格納容器のすぐ下にあるコンクリートの床が、1.5mの厚みしかないことに言及し、建設コンセプト自体に欠陥があったことがわかった。EDFは、中からコンクリートを流し込んで厚みをつける予定だという。ちなみに福島第一のコンクリート床の厚みは6m。このコンクリートが、メルトスルーをしたときにマグマを受ける。(LCP TV) またしても株価暴落に戦々恐々 - ギリシャ負債を背負ったフランスの銀行が軒並み株価下落。大手BNP、クレディ・アグリコル、ソシエテ・ジェネラル3社は、ギリシャのみならずイタリア、スペインにも数百億ユーロを貸借しており、フランスの銀行倒産がだいぶ危ぶまれ始めている。(フランス2TV) My opinion: ブログが原発事故の記事だらけになってしまった。本来、なかなか日本に届かないフランスの現代文化の話を書けたらいいと思ってはじめたブログだったのに、サルコジの文化嫌い(フランスも朱に染まれば赤くなり)で、文化省が「大」縮小。予算は増大の一途だと偉ぶっていた文化大臣の下でいつのまにか文化予算が失業手当代わりに使われていたり、現代文化政策30年がすっかり捻じ曲げられてがっかりしたり。そして今年の日本の大災害。「文化は戦いだ・・・」、とこのブログで書き始めたけれど、これだけリアルタイムに戦わなければならないものを目の前に突きつけられたら、しばらくは成り行き(自発性というべきか)に任せるしかないとも思う。これもまた人生の戦い・・・。別に戦いが好きなわけではないんだけれど。(S.H.)

アクチュアリティ、フランスにおけるチェルノブイリ原発事故のその後

免訴判決に甲状腺がん患者の会、失意 - 1986年4月26日に起きたチェルノブイリ原発事故の三日後、当時の放射性イオン保護対策センター長、ピエール・ペルラン(Pierre Pellerin,  Service central de protection contre les rayonnements ionisants (SCPRI) )がテレビで、フランスにはまったく放射能の影響はないと発表。同日フランス3TVの天気予報も、フランスを被った高気圧が放射能の雲を押し返しすためにフランスには原発事故の影響はまったくないという放送をした。ところが事実は翌4月30日、SCPRIが全国に布いている探知施設が放射能に反応し始め、ピエール・ペルランが3度にわたって調査をしているがこの際も報告書には放射能の影響は僅少、として国民に知らせることを怠り、政府も何もなかったように、ほかの国がしたようなヨウ素剤を配ったり野菜や乳製品を市場から回収するなどの緊急時における国民の保護措置をまったく取らず、そのまま放置した。同年5月12日、フランス日刊紙リベラシオンが、放射能の雲が国境から入らなかったとは真っ赤な嘘で雲はフランスを被って汚染しており、当局は雲の通過路に関して嘘をついた事実をすっぱ抜いた。 数年後、高度の放射能汚染のあったとみられるコルシカ島で甲状腺異常や甲状腺がんが激増し、2001年5月、 フランス甲状腺疾患患者の会 (AFMT)、放射能に関する独自な研究と情報委員会 (Criirad)、および甲状腺がん患者51人が、放射能の拡散を過少視したために甲状腺疾患が増えたとして、「過失傷害罪」で政府を相手に訴訟を起こした。しかし裁判官の オディール・ベルトラ=ジェフロワ は、「放射能とがんには、石綿のようにはっきりがんの原因となるという因果関係はなく、少量の放射能ががん患者を増やしたということは証明できない」と判決をくだした。控訴院はすでに1999年、当時の政府責任者であったシャルル・パスクワ内務大臣Charles Pasqua、アラン・コリニャン環境大臣Alain Carignon、およびミシェル・バルザック健康大臣 Michèle Barzachの3人にはすでに責任を問わないとしていた。 2011年9月7日の裁判はしたがって、 人心を惑わした容疑でもと放射性イオン保護対策センター長、ピエール・ペルラン(現在87歳)一人が訴追の対象。ピエール・ペルランの弁護士は免訴を要求して裁判所は予審が終わらないうちに免訴判決を下した。この決定に対し、フランス甲状腺疾患患者の会 (AFMT)の弁護士ベルナール・フォーは、「予審がきちんと終わる前に免訴判決が出たことで、甲状腺がん患者たちは見捨てられた思いになることは間違いなく、またそうでなくても、世論に事実隠蔽の疑いをもたせることになるでしょう」。(フランス2TV、ル・モンド紙)

アクチュアリティ、アメリカ 9.11

健康保険赤字、二年で3倍 - 健康保険の2010年度赤字が300億ユーロを記録。 9.11、アメリカ軍の共謀説いまだ有力 - 2001年9月11日にワールドトレードセンターがテロにあって今年ちょうど10年。フランスの調査では16歳から24歳までのアメリカ人の4分の一、一般市民の7分の一がアメリカ内部、特に軍部の陰謀が絡んでいると疑っているという。テロの映像分析がインターネットで何十万回も再現されるなどし、アナリストも多いのと、イラク戦争へのブッシュ政権の嘘が裏打ちしているものと思われている。9月11日日曜日は、フランス2TVで9.11、10年目の特別番組を組む。(フランス2TV) 9.11 Loose Change Final Cut (2010) 9.11アメリカ内部陰謀説をとなえるビデオのひとつ。Dailymotionから。 911 Mysteries – stfr par pillulerouge

建設中の原子炉に欠陥

2016年の完成を目標に建設中の英仏海峡に面するフラマンビルの最大規模といわれる新型原子炉内で欠陥が見つかった。問題の箇所は、ブイグ社が納品したコンクリートで作られた核燃料プールの壁面で、内臓の鉄骨が見えるほどコンクリートが崩れ落ちた箇所がある。核燃料プールは原子力発電所の中枢にあたり、この部分の欠陥が発見されたことで、建物全体の再点検と再建築が必須となる見込み。2012年完成予定が4年延びて2016年となり、予算も最初の30億ユーロから60億ユーロに膨らんでおり、これ以上の財政投入が今後どう検討されるか不明。 この報にグリンピースは、「建設中にこんな重大な欠陥が見つかったからには、あちこち同じような問題が隠れているはず。完全に問題を解消できないないなら、さっさと建設を中止すべきです」。周辺の騒ぎにもかかわらず、フラマンビルの原発の持ち主フランス電気EDFは、一切ノーコメント。(フランス2TV)

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増税 - 急務、フランスの負債軽減のため、政府はきのう、増税の決定を発表した。不動産はセカンドハウスを中心、タバコ、酒類はもちろん、はじめてコーラなどの清涼飲料水にも税がかけられることになり、一斉に間接税増税。遊園地の観覧料値上がり、また特別税として、年間50万ユーロ以上の高所得者を対象に、所得税増税。VAT税や一般の所得税は上がらないが、保険類にかかるの税金が上がることで家計に負担が出ることは必定となった。今回の増税で政府は110億ユーロの節約を見込んでいる。保守全体は、思い切った増税を賞賛。一方、野党社会党のフランソワ・オーランドは、「やっつけ仕事にしか見えず、政府の想像力欠如がありありだ」と批判。 付け加えるならば、サルコジ大統領は金持ちに有利な税法を作り、国の負債処理をしりめに、TOTALやピノ財団、ロレアルなどのトップレベルの高収入者に巨額の税金を「返済」したばかり。今回の50万ユーロ(約6000万円)以上の高額所得者への増税は、政府節約分の3%しか占めず、金持ち優遇の政府姿勢を保ち続けている。一方で保険類の税金が高騰することで、社会保障のうち健康保険制度が返済しない分を補う共済保険が値上がりし、低レベル所得者の家計へ直接の負担が増えた。健康保険の赤字が大きく、国の健康保険の医療費負担率が激減しているため、共済保険による払い戻し分がますます増え、共済保険料も値上がりしている矢先の増税だ。 失業者、3ヶ月続けて増加 - 先月一ヶ月の失業者数は3万6千人。合計276万人の失業者をかかえ、10年ぶりの最悪を記録。ちなみにこの一ヶ月で女性の失業者1.6%増加したのに対し、男性の失業者1.2%増。景気が悪いと女性の失業者が増える傾向にある。失業期間も男性に比べて長く、また長期採用も少なく、全体に男女差別があることを否めない。長い失業で自信喪失する傾向が強い。 DSK、自由に - 8月23日、ニューヨーク市裁判所がドミニク・ストロス=カンの訴追の全面放棄を言い渡した。5月14日、婦女暴行容疑で捕らえられて以来、DSKのニューヨーク検察側からの追及はこれで終わりを告げたことになる(正確には30日後)。暴行にあったと言い張る被害者のナフィサトゥ・ディアロは、祖国のギニアで集団暴行されたことを理由にアメリカのビザを取得したが、集団暴行はまったくのつくりばなしであることが判明。またアメリカの扶養家族手当を受けるために娘が一人しかいないにもかかわらず、2人の子供がいるという虚偽の申請をしていた。実生活も、麻薬の運び屋との交渉があるなど、交友関係に不審な点があり、また事件の陳実にいたっては、毎回の召還で証言が微妙に食い、検事側に不信感を植え付け始めていた。アメリカの陪審員制度では全会一致が原則で、DNA鑑定などの物的証拠があるにもかかわらず、検察側がリスクを回避したという見解がジャーナリズムの大勢を占めている。 ニューヨーク検察の追及はこれで終わったようなものだが、ナフィサトゥ・ディアロは8月中旬にDSKに対し、賠償金を要求する民事訴訟を起こしており、DSKへの民事追求はこれから賠償問題で続く見込み。 フランスは、ナフィサトゥ・ディアロが検察に召還された22日月曜から、DSKのニュースで沸き立っている。一方でアンケートによるDSKの支持率は急降下。世界のトップの地位、名誉、人気のすべてを喪失した。(フランス2TV、BFM TV)

La bataille de tchernobyl チェルノブイリの戦い(福島に捧げる)

La bataille de tchernobyl: Un documentaire réalisé par Thomas Johnson (94’) – Année : 2006 「ラ・バタイユ・ド・チェルノビル…チェルノブイリの戦い」 - 1時間34分ドキュメンタリー・TVフィルム、トーマス・ジョンソン監修、2006年。 注記: 以下の文章は、数分前に見た「チェルノブイリの戦い」のなかで気にかかる点をいくつか抜粋したものである。2011年は、チェルノブイリ原発事故から25周年。またこのフィルムの制作された2006年は事故から20年の区切りとなる年で、メルトアウトの危機にたいするゴルバチョフの戦いも含め、当時を振り返りまた現在を検証するフィルムとして出来上がっている。福島第一原発事故のあと、このルポルタージュはフランスで何度か再放送され、われわれの将来に向かって重要な示唆を提供し続けている。…