フランスから―環境とアートのブログ

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Posts tagged "クロロキン"
ヒドロキシクロロキンの怪、その2

ヒドロキシクロロキンの怪、その2

先のブログを書き終わって数時間も経たない22日、The LANCETから、クロロキンとヒドロキシクロロキンの実用について数カ国レベルで大々的に検証したという報告書が発表され、フランスのみならず、アメリカを驚かせた。マルセイユの伝染病大学病院で数千ケースに処方し良好な結果を出したというのと、アメリカのトランプ大統領が服用しているという以外に、統計的な検証はまだなされていない、という報道直後のこの報告書は、「クロロキンとヒドロキシクロロキンは病院の患者に服用させても効果はなく、それどころか死亡率を高めた。… よって、私たちは、これらの薬品は何の効用もないと宣言する」というものだ。当然、論争の嵐に火を注いで、フランスのメディアは数日これ一色になった。
ヒドロキシクロロキンの怪、果たして真実は その1

ヒドロキシクロロキンの怪、果たして真実は その1

「できるだけ多くの検査をして初期感染者を見つけ、抗生物質と組み合わせたヒドロキシクロロキンを処方すると、重症化も後遺症も避けることができる(5月のBfmTV説明のラウト処方箋)」と、マルセイユの地中海感染症大学病院インスチチュートのディディエ・ラウト医師チームが新型肺炎コロナウィルスCovid 19の対処法を公表したのは2ヶ月前。同時期に政府は、この薬を「病院に収容された重篤患者のみに使用すべき」という政令を出してこの薬の利用に足枷をした。以来今日まで、クロロキン、ヒドロキシクロロキンの効力の検証がきちんとされずに論争が続くフランスは、Covid 19による死亡率が群を抜いて他の国より高い。ラウト医師は、「外出禁止をする必要などはなく、他の国を見ても生活に制約を加えず普通に暮らしている国の方が、外出規制をしている国の人間よりウィルスに強いし、死亡率も低い」と批判。

先の見えないパンデミックの収束と経済予見

昨日の政府発表によると、コロナウィルスが原因で人工呼吸器を取り付けられているフランスの重篤患者数は 7148人に上るという。これらの人々は全身麻酔で人工的に昏睡状態に置かれ、肺に管を通して四六時中空気を送られている。この状態が2週間以上続くことがあるらしいが、患者の肉体的負担は大きく、心臓や腎臓などの臓器を弱めるという。人工呼吸器を装備したベッドはフランス全国に 5000あるというが、ここ数日は増加数が少しずつ減ってきたとはいうものの、4月2日の 6000人から8日の 7000人以上へと昏睡状態の重篤患者が1週間で1000人増加し、満床の飽和状態をとっくに超えたフランスの医療状況は想像を絶するものがある。