フランス2TV、7月10日昼のニュースから:

[一才未満の乳児の抵抗力について、フィンランドの調査から]…

一才未満の抵抗力の無い乳児に動物を近づけない、というこれまで一般の考え方は、犬などが持つバクテリア感染を懸念してのことなのだが、フィンランドの最近の調査でまったく正反対の結果が出ていることが判った。家庭に犬がいる場合、たとえば、咳や鼻炎にかかる割合が30%少なく、耳の炎症は50%も少ない。これについてフランス科学アカデミーは、「他の動物に触れることで、抵抗力を早く引き出す効果があることはわれわれのあいだではすでによく知られています。また乳児のみならず、母親の妊娠中に犬などの動物がそばにいる場合も大変効果的であることがわかっています」という。牛や馬のいる農家などの場合はもっと顕著で、多種の動物に日常触れていることによって、体の抵抗力が早く目覚めるという話だ。現代、抵抗力の無い子供やアレルギーの子供が多くなっているのは、どうやら殺菌が習慣になってしまった現代生活のあり方に問題があるのかもしれない。

[地球の老朽化への警鐘]

カナダの研究で、あともどりのできない地球の老朽化が浮き彫りにされている。地球温暖化やそれにつれて毎年ひどくなる気候の変化と天災。地球の50%のエコシステムが侵されて地球の平衡が崩れ始め、グリーンレボリューションなどによる集約農業で土地の再生化が弱まり収穫量が減少し酪農もそれにつれてままならなくなる。食料確保の未来が見えないまま地球の人口は現在の70億から2050年には95億に膨らむことが見込まれている。地球老朽化の予想以外の加速とともに、われわれの未来は?
フランスの環境団体programme mondiale divérsitasは答えていわく、「 私たちは地球資源の限界も、またそれに対してどう対処すべきか、地球環境の回復にむけての技術もちゃんと研究が進んでいてわかっているわけです。足りないのはそれを推進すべき政治の意志と意欲です。このあいだのリオの環境会議でご覧になったように」。地球老朽化への警鐘に対し、先の見通しのない流行り廃りの大きい産業モードを止め、再生可能なエネルギーの開発へてこ入れをし、限りのある自然資源を生かす方向へ、われわれは大きな転換を目の前に迫られている。(フランス2TV)