政治界のセクハラ
2016年5月15日のJournal de dimanche(JDD 日曜新聞)は、左派右派を問わず17人の元女性大臣が進んで署名し、現職時代に遭遇した男性議員や大臣からのハラスメントに言及しつつ、セクシズムについてそれぞれの経験や考えを表明していくと発表した。
フランス・アンテールなどのメディアが5月8日、国民議会の副議長であるエコロジー党のドニ・ボーパンDenis Baupin(住宅大臣エマニュエル・コスの夫)が複数の女性議員にセクシュアル・ハラスメントをし、時には暴力的行為に及んだと暴露した。ドニ・ボーパンは事実無根として公表内容を否定しているが、日ごろの人柄からは程遠いイメージはエコロジー党や左派に大きな波紋を投げかけている。
「私たちはもう黙ってはいない」。元女性大臣17名がJDD紙に、これからは、「無礼な態度や場にそぐわない行動など、気がついたことはすべて」糾弾していくと報じた。
セクハラ撲滅へ向けて署名した元女性大臣17名はそれぞれの経験をJDD紙に語っている。時には何十年も胸にしまっておいた痛い経験であったりもする。
リストの17人の元大臣は以下のとおり。
Roselyne Bachelot, Michelle Demessine, Cécile Duflot, Elisabeth Guigou, Aurélie Filippetti, Chantal Jouanno, Nathalie Kosciusko-Morizet, Christine Lagarde, Marylise Lebranchu, Corinne Lepage, Monique Pelletier, Fleur Pellerin, Valérie Pécresse, Yvette Roudy, Catherine Trautmann, Dominique Voynet, Rama Yade.
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ことば
「いい胸をしているほかは、彼女はどんなことができるんだい?」
セクシズムはもちろん会社、大学、報道、そして政治の場などいたるところで起きる。この17人の元大臣は、セクシズムの犠牲者をよりよく保護するための大事なアドバイスも行っている。
「すべての女性がこれからは、以前男性だけが牛耳っていて私たちは性差別に屈しあるいは戦わなければならなかった世界へ進出していく。女性だけがそうした世界へ適合していかなければならないのではなくて、男性の行動が改められ変わらなければならない」。
「政治の世界だけがそうなのではなくて、どんな世界にもセクシズムはある。政治の世界は、そうしたほかの世界のモデルになる使命がある」。
もう、免責(免罪)される問題ではない
「セクハラや性的暴力を糾弾する法に訴える手続きを助けるような協会組織をつくることも可能だ。これまでのように結局罪を償わずにすんでしまうような妙な寛容は、もう終わりにしなくては」。
・カトリーヌ・トルートマン、「女性の沈黙は問題です。彼女たちが発言できるように助け支えていかなければなりません」。
Ajoutée le 15 mai 2016-iTELE-Catherine Trautmann
セクシズムへの闘い。女性の沈黙が問題。心を開いて無礼な行為、セクハラの事実を公表できるように勇気付ける方向へ持っていかなければならない。公表することが自己を解き放つことにつながる。…
http://www.lejdd.fr/Politique/Jouanno-Le-machisme-ordinaire-est-frequent-en-politique-785737