アクチュアリティ、地球温暖化と激安インターネット
地球温暖化の確証 - フランスではまだ1月半ばにもかかわらず、あちこちでつぼみが膨らんでクロッカスなどの花が咲き始めており、早すぎる植物の生育に、春先の農作物の霜被害が懸念され始めている。「農作物が休みを取らずに発育してしまうといいものができないばかりか、霜が降りたら対応できません」と農業経営者。また養蜂農業では、働き蜂が冬眠せずに働いており、早死にする蜂が増加し始めているという。…
アクチュアリティ、新たな原子力の安全規制
フランス原子力発電の安全性へ、ASN(原子力安全委員会)がきのう回答 - 福島第一原発事故後、フランス全土の原子力発電について、フランス政府は原子力安全委員会に安全性に関する調査と今後の対策について詳細の見通しを提出するよう依頼していたが、きのう原子力安全委員会から総合的な見解が発表された。…
New Year Fest 2012
ロンドンの新年 London fireworks on BBC 深夜12時のビッグ・ベンの鐘と同時に始まった花火は、12000本。11分にわたっての大スペクタクル。2012年ロンドン・オリンピックへの導火線ともいうべきイベントとなった。 パリは花火はなく、比較的静かで暖かい新年。ちなみに気象台始まって以来の暖かい元旦だと言う。
アクチュアリティ、環境への意識
年末調査、「環境」 - 2011年はフランス気象庁始まって以来の「暑い」年となった。記録的な気温の上昇を記録した2011年ではあるが、国民の意識は地球の温暖化現象よりもむしろ、世界中で脅威的な猛威を振るう異常気象や大気汚染に関心があるという結果が出た。大気汚染に16%、温暖化現象に13%、絶滅危機種に7%の順。 環境にかんして、1995年は国民の3分の1が 関心があると答えたのに対し、2011年は国民の2分の1という高率。 日常的な水の節約やごみの分別へも積極的なり、普通の野菜より少々高くつくが、無農薬・無添加食品を率先して買うというフランス人は20%に上るという。「私たちの吸っている空気や、食べているものはとても気になります」とは消費者の声。(フランス2TV) My opinion: フランスのごみ分別の普及は日本やドイツのようには行かなかった。フランスのごみ分別の始まりは、オイルショックのあとの1974年ということになっているが、長いあいだ瓶回収などの大まかな分別に留まっていた。環境省による「ごみ分別キャンペーン」は1993年にはじめて行われているらしい。国民の一般家庭レベルでリサイクルされるプラスチックや紙のための新しい分別用ゴミ箱が置かれて現在のような分別が行われるのはそれよりずっと後の2000年前後のことになる。一般家庭のための全国的な分別キャンペーンは再びこれよりまたずっと後の2007年に行われ、ようやく現在フランス国民のあいだに浸透しつつあるというのが現実のはなしである。したがって、今日のニュースの「ごみ分別へも積極的になり・・・」というTVのはなしも、フランスの新しい動向なのだ。(S.H.)
論争「権利」
ロワシー空港、警備員のストライキ - 年末の行き来の激しいパリ国際ロワシー空港で、荷物などを検査する警備職員たちが賃金値上げを要求するストライキに入り、空港では延々と利用客の列が際限なく続いて飛行機の発着に大きな支障が出ていたが、スト6日目の今日、政府に派遣された警察官たちが空港に乗り込んでスト中の警備員の代わりに荷物検査などをして検問に並んでいた利用客の便宜を図り、空港の正常化に勤めた。 警官を介入させた政府の処置に、ストライキ中の空港職員たちはもとより、共産党組合や政治団体が激怒。ストライキは、労働争議の権利として認められており、ストライキ行為による仕事の支障を他の労働力で補填して正常化しようとすることは、争議権を抹殺することにほかならない。国による警官介入処置への組合員や政治団体の抗議にフィヨン首相は、「麻痺した空港を解除するのが目的でしたが、なによりも年末年始の大事な時節をかたにとってストライキをすること事態が許せません」。今朝6時から空港に送りこまれた武装警察官たちは80人。空港周辺の警備に当たっていた警察官とあわせて180人がスト中の警備員の代わりに仕事に取り掛かり、警官は操作免許を持たないスキャナーなどの使用はスト不参加の警備員に任せ、利用客を飛行機に乗せるための荷物検査や身体検査をした。 朝のニュースに引き続き夜のニュースでは内務大臣クロード・ゲアンがフランス2TVで警官の介入について説明。サルコジ大統領自身もこれについての支持意見を表明した。 革命共産戦線(LCR)のオリビエ・ブザンスノは空港で、「警備員の仕事をさせに警察を送り込んで政府はストライキをぶっ壊したんですよ!ストライキの意味をぶっ壊すのは、権利をぶっ壊すのと同じです」とし、また共産党組合の支持に訪れたフランス共産党のマリー=ジョルジュ・ビュッフェは、「警察が出てくるのは予想がついていましたが、スト中の警備員の代わりに仕事をするなんて、前代未聞じゃあないですか」。 労働争議権の遵守か、クリスマスで帰郷を急ぐ人たちへのサービスか。スト不参加の警備員による乗客検査を待つ利用客の列は平均45分待ちで、警官の「援護」が加わっても待ち時間はたいして変わらなかったという。 豊胸整形手術用の不良シリコン、外国での問題 - 20日のニュースに引き続き、フランスのPIP社の豊胸手術に利用するシリコン製品の問題で、PIP社の製品の84%がスエーデン、イギリス、ベルギー、ドイツなどに輸出されているため、外国での問題をあきらかにするために、フランス2TVはPIPのシリコンで災難にあったイギリス女性を発見し取材した。 この女性によれば、シリコンの外膜が破れて摘出したところフランスのPIP社のものと判明し、弁護士に言われて証拠品として保管していたが、当のPIP社が弁済不能状態のため、整形手術をしたクリニックを相手に訴訟を起こした。同業者の医師によれば、「PIP社のものは手にとって曲げてみると周りの皮膜に変な折り目がついてしまうなどし、不良品だということがすぐ分かります」。(フランス2TV) 23日朝のニュース: 3万人の女性の胸から不良製品のシリコンを摘出することをこれから半年以内に国が推進する方針を決めた。一方で、専門家によるとPIP社のシリコンだからと言ってすぐに発がんの危険性があるわけではなく、摘出をしたくない女性はそのままでいてもいいのではないかという。国民保険が3万人の手術に見込んでいる予算は、6000万ユーロ。 My opinion: サルコジ政権になってからの特徴は、国が小さい問題に関与しすぎる傾向にあることだろう。誘拐事件や殺人事件などのたった一人の犠牲者の葬式にも大臣が参列したりしている。クリスマスの帰省時期のストライキという理由で警官を出して争議権に抵触したり、医療費の高騰、国民保険の赤字、医療施設の激減や適切な医療を受けられない地域や人々の増加などの医療の大きな問題を国が孕んでいながら、美容整形者全員の不良品摘出手術代を国が負担することを決めたりするのは、異常の判断としか思えない。PIP社の不良シリコン事件は、現政府の「問題の取り上げ方」自体を疑問視する好材料として、ここ数日頻繁にメディアが取り上げているものと解釈していい。 債務不履行で社長を始めとして幹部全員が姿をくらましてしまったPIP社の事件は、その製品の大半が外国へ輸出されていたことから国際事件へ発展した。社長は南米に姿を隠していると言われ、また3万人の手術の補償をしなければならない国民保険は訴訟を起こす方針だという(24日付ニュースから)。(S.H.)
論争「女性」
2011年の話題の女性第一位 - 2011年12月19日、フランスのTerrafeminaによる今年一番話題になった女性についての世論調査で、ドミニク・ストロス=カンの妻でジャーナリストのアンヌ・サンクレアが選ばれた。第2位は、ドミニク・ストロス=カン退陣後に国際通貨基金のディレクターに就任したクリスチーヌ・ドラギャルド、3位は社会党のマルチーヌ・オブリィ、4位は歌手のノルヴェンヌ・ルロワ、5位はFN国民戦線のマリーヌ・ル・ペンという順位。アンヌ・サンクレアは、夫ドミニク・ストロス=カンの婦女暴行容疑逮捕以来、夫を支え続け、裁判や莫大な保釈金の肩代わりをした。 この世論調査に19日付のヌーベル・オプセルバターで、ヨーロップ・エコロジー・レ・ヴェールEELVの大統領候補エヴァ・ジョリィは、「(アンヌ・サンクレアが一位に選ばれたのは)悲しいですね。国際通貨基金のディレクターや、政治の第一線で活躍する女性や技術者が一位に選ばれるべきではないですか。あまりに前時代的な感じで、がっかりです」と発言した。 ちなみに内訳は、アンヌ・サンクレアに投票した大多数は女性という結果が出ており、2位にマルチーヌ・オーブリィを選んでいる。一方、男性の選択は、国際通貨基金のクリスチーヌ・ドラギャルド、2位に国民戦線のマリーヌ・ル・ペン、3位に社会党のマルチーヌ・オーブリィの順となっている。(ヌーベル・オプセルバター、シュッド・ウエスト紙、フランス2TV、TF1TV、BMFTV) 豊胸手術に発がん物質、国民保険が補償 - 豊胸整形手術のさい胸に埋め込むシリコンに用いられるPIP社製造のシリコンが、実は人体への使用に不適当な産業用シリコンを使ったものであったことが判明し、整形手術を受けた女性の団体が世論へ危険性を訴えていたが、シリコンを包む皮膜が破れるなどの事故が相次ぎ、12人が乳がんを発病して死亡するなどしたため、国は「予防の原理」を適用する方針を決めた。PIP社の シリコンと乳がんとの関係についてはまだ明らかにされてはいないが、 シリコンを取り除く手術を国民保険が支払う。PIP社の製品で整形手術をした女性は3万人にのぼり、そのうち80%は美容のための整形で、のこり20%は乳がん手術後の整形に利用されたと言われている。80%の美容整形者については、 シリコンの摘出にのみ国民保険がきくことになる。 PIP社は年間10万個のジェルを産出する世界三番目の大手会社で、製品のほとんどは海外へ輸出されていた。ジェルを包む皮膜の破裂などの問題が頻発して社員組合が動き出していたが、PIP社の幹部は社員を置き去りにして全員姿をくらましてしまったという。(フランス2TV) My opinion: アンヌ・サンクレアは、ポール・ローゼンベルグという20世紀初頭の大画商の孫に当たる。ポール・ローゼンベルグは、ピカソやマチス、ブラックなどを扱い、カーンワイラーと並ぶ有数の画商だった。アンヌ・サンクレアは遺産の絵画をいくつか引き継ぎ、億万長者というよりもその財産は計算できないくらいに膨大であるらしい。夫ドミニク・ストロス=カンの保釈金やニューヨークのアパート代警備代その他の莫大な出資はみな、アンヌ・サンクレアが引き受けたというはなしだ。婦女暴行容疑と汚名、その後次々と明らかになる夫ドミニク・ストロス=カンの不倫にもかかわらず、公衆の面前では夫を支え続け資金をつぎ込んで惜しまなかった。これを家庭崩壊を避けるために世間の目や夫の行状に耐える「けなげで忍耐強い主婦の鑑」と判断するか、「意志の強い女性」と判断するか。ともあれ世間はいろいろで、「分かれないのが不思議」という人も実はかなり多い。女性の投票が多いのは、どちらかと言うと「よく我慢している」という驚嘆によるものではないだろうか。いっぽうで、男性が国際通貨基金のクリスチーヌ・ドラギャルドを一位に選んでいるところを見ると、男性軍は、この機構の世界初の女性ディレクターをしっかり評価し、選考基準に社会的評価を先行させていることがみてとれる。エヴァ・ジョリィに反論する気は毛頭ないが、内訳をこういうふうに解釈すると、なかなか捨てたものではない。 PIP社の産業用シリコン事件は、がんとの因果関係がはっきりしていないことから国が補償する対象とすべきなのかどうか、世論は疑問視する傾向にある。発がん性の可能性のある産業用のシリコンを体に埋め込んでいる事実を知った女性たちは、身の危険に苛まされていることだろう。それにしても、PIP社の輸出先のシリコンについてはどうなる?(S.H.)
アクチュアリティ
教員、大幅人員削減 - 2012年度に1万4千人の公立小中高校の教員削減が行われることになっているが、昨日、教育省から教員削減の対象となる市が発表された。800から900人以上の教員のポストが消滅する町は、ベルサイユ、クレテイユ、ナンシィ・メス、リルの4市。その次に挙げられているのはコルシカ、ポワチエ、レンヌ、ナントの4市となっている。内訳は、小学校4000、中学校5700、高校6550の教員の雇用削減となる。 教員削減に反対の多い世論に対し、リュック・シャテル教育相は「20年前と比べたら格段に教員の数が多くなっているため、今回の削減は教育の後退ではない」と発表した。しかし、近年のフランスの出生率増加で子供の増加は、小学生は6000人、中学生2万1200人、また高校生6600人となっており、20年前の教員数のみを引き合いに出して比較できるのかどうかは疑問だ。 教員削減法案が提出されてから、多くの法案反対デモが行われてきた。2007年以降、すでに5万近くのポストが削減されており、今回のさらなる教員削減は、現在一クラス少人数制が適用されて、教師の目がすみずみまで行き届いている授業に、クラスの合併で人数増大、落ちこぼれの生徒のための課外授業廃止などのかたちで大きな影響が出てくる。「NON à 30 élèves par classe ! 一クラス生徒30人に反対!」とは現場の教師たちのみならず、生徒たちの切実な願いだ。(フランス2TV) My opinion: 「一クラス30人に反対!」とだけ聞くと、意味が分からないかもしれない。フランスではクラスで教師が目が届く人数は20数人といわれる。そしてこの数が公立小中高校では一般的でもある。したがって、一クラス30人を超えると教師の目がすみずみに届かなくなり授業に支障をきたし始めると考えているようだ。日本の学校の40人から50人のクラスのあり方と比較していくと、フランスの20数人のクラスのあり方は、はたして何が違うのだろうか。教師と生徒の関係は、生徒の数が少ないほうがより緊密であるに違いない。教師1に対し生徒50は、初等教育というよりも、すでに大学の大講義室の聴講型の割合にちかい。日本の家庭教師や塾が一向に廃らないのは、教師との緊密さを求める家庭や子供の欲求が大きく反映しているからだろう。
アクチュアリティ
暴風雨ジョアキム - 大西洋からの大きなジェットストリームが暴風雨を運び、現在、西南のジロンド県から東部アルザス地方やアルプス方面へフランスをたすきがけに横切リつつあり、全国各地で立ち木が倒れたり浸水などの被害が続出している。フランスの半分がレベル2、またもう半分はレベル3(最大レベル)の暴風雨警報・注意報が発令された。最大風速を記録したのは、ピュイ・ド・ドーム県で毎時210km。パリは毎時95kmだが、ロワシー・シャルル・ド・ゴール空港の飛行機の発着に影響が出て130便あまりが遅れ。また線路に落ちた無数の枝の処理でフランス鉄道SNCFの運行にも1時間から2時間の遅れが出た。モルビアンの海岸では貨物船が岸に吹きやられて座礁し、重油が流れ出して海岸を汚染。また大規模な低気圧の通過で気温が下がる見込みで、マッシフやアルプス方面で今夜は30cmの積雪があるもよう。停電に見舞われている30万世帯が寒い夜を越す。 数字 : ・2012年大統領選に向けての世論調査で、野党社会党候補フランソワ・オーランドが36ポイントの世論を獲得しているのに対し、現職大統領のニコラ・サルコジは25ポイントと大差が開いている。市民の購買力の低下、失業者増加、フランス経済建て直しの見込薄、また暴動や強盗の増加による社会不安などによる現大統領の不人気が大きく影響をしている。 ・2011年9月、フランスの失業率は9.7%。2012年6月には10%を越すという。 ・2012年上四半期は、-0.1%の景気降下がINSEEからはじき出され、公式にフランスの景気後退が発表された。 ・2011年下半期で、1万4千の雇用が消滅。 ・大手クレディ・アグリコル銀行、アレバ社、プジョー・シトロエンPGSで大量の人員整理が行われることが確定。クレディ・アグリコル銀行は、ソシエテ・ジェネラルやBNPパリバと並ぶ大手で、他の二行が雇用削減をしたのに対し影響がないといわれていた最後の砦ともいうべき銀行。アレバ社は、福島原発事故の影響を受けてとくにドイツの原発全面廃止政策による将来の見通しの悪さによるもので、退職者がでたあと新人採用をしない方向で削減が始まるもよう。 ・暴風雨を買う?! 1950年代から暴風雨に名前がつけられるようになったが、近年は暴風雨を買って自分の名前をつけることができるのだそうだ。暴風雨ジョアキムも、ジョアキムさんが1年前に買収したもの。ちなみに暴風雨の値段は199ユーロ。 (フランス2TV、TF1TV) ・農耕地の消滅も駆け足 -この数十年のフランスのアーバニズム(都市化)は駆け足で進み、農業用地が激減している。なんと、一秒で26平米の農耕地が消滅していく計算だと言う。(2012年12月21日追加、フランス2TV、フランスアンフォ・ラジオ)
アクチュアリティ
ユーロ圏6カ国が発行体格引き下げの監視下に - 負債が拍車をかける経済危機の真っ只中にいるヨーロッパ連合の、現在発行体格をAAAをつけられているフランス、ドイツ、オランダ、オーストリア、リュクセンブルグ、フィンランドの6カ国が、世界市場における格付けを認証するスタンダード・アンド・プアーズ社の監視下に入った。先にスタンダード・アンド・プアーズ社によって、すでにアメリカの発行体格がAAAからAA+へ引き下げられており、今回スタンダード・アンド・プアーズ社は、これから90日を目処に発行体引き下げを決定するかどうか慎重にヨーロッパの行方を監視していく方針だという。ヨーロッパの経済危機が深刻になるなかで、ドイツとフランスがイニシアチブを採りながらあらゆる方策が練られつづけているが、先の見通しがなかなかつかない市場不安に、発行体格の格引き下げの射程内に入ったことでヨーロッパではさらなる危機感が募っている。特にフランスは、AAAからAAに、つまり二段階の格下げが行われるのではないかと危惧されている。 ベルギー、541日ぶりに首相誕生 - オランダ語圏とフランス語圏の対立で首相が辞任してから無政府状態が続いていたベルギーで、541日目の昨日、ようやく新しい首相が就任して政府の国務再開の見通しがついた。新首相はフランス語圏の社会党で、エリオ・ディ・ルポ(Elio Di Rupo, 60歳)。 もう一つの太陽系で、居住可能な惑星発見 - NASAの発表によると、2009年にNASAが打ち上げた探索機が地球から600光年のところにあるケプラー(Kepler)22-bと名づけられた太陽系で、地球環境に似た惑星を発見したと言う。気温は22度あまり。ガスがあり水があることが判明しているが、地球のように硬い地面があるかどうかはまだわかっていない。 (フランス2TV)
2012年、大統領選挙の大きな焦点
政治の焦点、「原子力発電」- 2012年大統領選挙に向けて、社会党とヨーロップ・エコロジー・レ・ヴェール(EELV)が、野党連合が勝利したときの原子力発電の将来について、現在フランスにある58の原子炉のうち24を廃炉にすることでようやく合意に達した。EELVが原子力発電を完全に廃止する意向を示したのに対し、社会党候補のフランソワ・オーランドが原子力の抑制に明確な態度を示さなかったことで、両党のあいだに大きな溝ができていた。 ル・モンド紙の別冊特集11月号は、福島原発事故を大きな契機として、2012年大統領選挙が原発政策の行方に大きく左右されることになるだろうとして、原子力エネルギーの行方を追っている。 サルコジ大統領はこの11月25日、ドローム県のトリスカスタン原子力発電所で、エネルギー政策について長い演説をした。「蝋燭の時代に誰が戻れますか?発展することに背を向けた国になれますか?・・・われわれの次の世代により近代的な社会を残すのが私の意志です」と、サルコジ大統領は、いまだに「安い原発」、「雇用を生む原発」、「清潔なエネルギー」を盾に、原発推進政策への姿勢を変えるつもりはない。 EELVヨーロップ・エコロジーのセシル・デュフロは、「原発をやめると雇用がなくなるなんていうのは、愚論です。閉鎖される原発周辺の雇用が減るのは当たり前ですが、新しい自然エネルギー開発のために雇用が格段に増加することが予想されており、その数は現在の原発雇用を上回る計算です」、と雇用減少に大反論。「安い原発」については、「核廃棄物処理代、原発管理代、そして何十年も掛かる原発解体作業などの、膨大な費用はまったく計算に入れておられず、原発が安いというのは大嘘です」と理路整然だ。 福島原発事故で原子力発電の世界的な見直しがなされる中、フランスの2012年の大統領選挙は、サルコジ大統領を代表とするUMP与党の親原発派と、原発全面廃止へむけて国政の流れを変えたい野党連合との対決となることは明らかだ。 ドイツ最後の核廃棄物を運ぶ貨物車に押し寄せる核反対派 - ドイツが出した核廃棄物がフランスのラ・アーグ核廃棄物処理場で処理され、そのうち処理できない究極の廃棄物がドイツに返される。ドイツは2022年までに、全ドイツの原子力発電所を廃炉にする。ドイツ「最後」の廃棄物運送列車と名づけられたこの列車は2011年11月18日、ラ・アーグからドイツの核廃棄物貯蔵所のあるゴルレーベンへ向けて出発したが、現在もグリンピースや核反対派のデモに阻まれ、ゴルレーベンにはまだ程遠いドイツ国境あたりの線路で滞留している。 今回列車運送される核廃棄物は、ドイツが1年半の核処理で出したもので、アレバの工場で301本のガラスの円柱筒に詰め込まれ、その量総計14トン。高濃度のきわめて危険な放射物質といわれる。長さ7m直径3mのワゴン数両にふり分けて収納され、核廃棄物を積んだ列車は通常の電車が走るレールを利用してドイツまで行く。現在ドイツ国内をゆっくりゴルレーベンに向かっているが、ゴルレーベンまで一万人以上の核反対派が線路脇で待ち受けているもよう。 My opinion: 廃棄物や危険物は、それを出した国が責任を持たなければならないことになっている。だからドイツが出した核廃棄物は、処理できなければドイツへ戻ることになっている。ドイツの原子力発電の炉数は19基といわれている。19基の原子炉が1年半に出す処理できない核廃棄物が14トンとすれば、単純計算でフランスの58基は43トン、日本の53基は39トンという処理不可能な高レベルの放射性廃棄物を出す計算である。フランスの1年半分の43トン、日本の39トンは、いったいどこへ格納されているのだろうか。ドイツとフランスの共同TVチャンネルであるアルテが、こうした核廃棄物の貯蔵について大きなルポルタージュをしたが、フランスは、広大なシベリアの土地まで持って行き野外に廃棄物のコンテナをむき出しで並べて放置して知らん顔をしているらしい。それでは日本はいったいどこへ貯蔵をしているのだろうか。誰も不思議に思わないとすれば、それこそ、これほど不思議なことはない。福島原発は1968年に基礎を置いた。日本の原発の歴史は長い。廃棄物の量は原発の歴史とその量に比例して多いはずなのだ。(S.H.)
気候学
62カ国220人の気候学者が、3年の研究成果を発表 - 20世紀は数十億ユーロであった洪水や旱魃などの天災による被害は、2010年は1480億ユーロにのぼった。また2010年のCO2の放出量は史上最悪といわれる。気候の変化に関し、62カ国の220人の気候学者たちの粋を集めた3年間に渡る研究結果によると、これまで北半球に20年周期で到来した熱波は、2050年には5年周期となり21世紀の終わりには2年周期となって格段に頻度が増す。また中央アフリカ、中米、地中海地域で旱魃や大型サイクロンの発生がより激しくなるという。(2011年11月21日、フランス2TV)
Champs-Elysées
Champs-Elysées シャンゼリゼ、クリスマスの装い - あと、ちょうど一ヶ月 今日のPHOTOS: Photos by Shigeko Hirakawa 2011.11.25
アクチュアリティ・日本
3.11の福島第一原発事故以後、現在も科学的な分析を続け、多くの情報を掲載し続ける世界のブログの紹介: 現在あわら市金津創作の森企画で行われている、平川滋子展「空気が危ない? 光合成の森」で、アート・コア・ミュージアムの脇に「うちとそと」と題した一角を設けている。その中に、「外からの目」として、フランスを中心とするヨーロッパのブログで、原発事故以降現在も丹念にニュースを拾い、また科学的な分析をベースに情報収拾に余念のないブログを12ほどピックアップして紹介している。 福島第一原発事故当時、日本国内の情報と日本の「外」の情報が、驚愕するほど大きな差異を示し、外国をしてほとんど非科学的とも言わせた日本の閉鎖性が、周辺の国々にまた外国にいる日本人にどれだけジレンマを感じさせたことか。 展覧会では、事故以来今もコンスタントかつ丹念な「外」の目の科学的なモニタリングのようすを紹介し、少しでも今後の日本の支えになればと考える。(S.H.) <ブログ> ・ブログ(フランス・ベース。仏語)福島第一 http://fukushima.over-blog.fr/ 2011.11.19 コリウムの行方、メルト・アウト、地層と地下水 ・ブログ(英語)、福島・デイリィ http://fukushima-diary.com/ 2011.11.20. 3号機から放射線高値、毎時1.6Sv ・IPPNW ( 欧州核戦争を回避するための国際物理学者の会 International Physicians for the Prevention of Nuclear War European affiliates 英語 ) : Fukushima: 2.5 times more radioactive xenon than Chernobyl (2011.10.24. 福島原発事故はチェルノブイリ事故の2.5倍のキセノン放出) ・ブログ(フランス・ベース、仏語)、scoop.it! Fukushima Information Informations sur l’accident à centrale nucléaire de Fukushima et ses conséquenses (福島原発事故およびその後の情報) ・メディアパート (フランス語)東京、原発反対デモにメディアの反応ゼロ 2011.11.20 ・毎日新聞、電子版(日本、日本語)、福島第一原発:3号機で毎時1600ミリシーベルト
アクチュアリティ
欧州10カ国で、謎の放射能反応 - フランス、ドイツ、ルーマニア、チェコなど各地で放射性ヨウ素が検出された。微量で人体に影響はないというものの、ヨーロッパ各地に広がるほどの放射性ヨウ素の出所は不明だ。どこかの原発で核燃料の事故があったか、あるいは製薬関係の事故が想像されるが、いずれにしてもどこからも事故の発表はなされていない。(フランス2TV) ・2011年11月17日になって、ヌーベル・オブセルバター(電子版)によると、11月11日から通常より多い放射性ヨウ素131を各地で検出した件について、IAEAがハンガリーのブタペストにあるアイソトープ研究所からの放射能漏れが原因である可能性が強いと発表したという。