二つの射殺事件(2)
7月30日金曜、ニコラ・サルコジ大統領がグルノーブルに出向して、国家の安全の名の下に、「フランス国籍を持つ外国人が国を守る警察や機動隊、軍隊などに命にかかわる危害を加えた場合、犯罪者のフランス国籍を剥奪する」という演説をし、即日大きな波紋を及ぼしたことを昨日のアクチュアリティで述べた。大統領演説に応えて、8月1日の今日、オルトフー内務大臣は、フランス国籍剥奪が適応される場合を広げるむね提案をした。内務大臣の提案によれば、現行法に加えて、アフリカに多い女性の割礼や人身売買、重大な非行や犯罪を犯した場合も、フランス国籍剥奪の対象とするという。これをさらにUMPの国会議員が敷衍し、「外国人の未成年が重大な罪を犯した場合、その両親を禁固刑処分にする」法案を提出することを決めた。子供の犯罪による両親の拘置は2年未満という。これらの法案は9月早々に国民議会にかけられるもようだ。未成年の非行が学校で問題化した場合も、この法案が適用され、国籍剥奪の対象となるという。 このニュースをきょうのフランス2のTVアナウンサーは、「突発的な災厄がまた一回り大きくなった」と形容した。国務院が管理する現行法が大統領の意思にそぐわないならば法律を変えてしまおうという現政府の強行な態度のみならず、未成年の犯罪責任を両親にとらせ、犯罪を犯してはいない人間を禁固刑にするなどという法案を発表したからだ。野党社会党書記長のマルチーヌ・オーブリィは、「右派政府、狂気の沙汰!フランスを破滅に追い込むことになる」と糾弾。グランド・バカンスがこの論議で一気に熱湯のように沸騰し始めた。(S.H.)
二つの射殺事件
7月17日と18日にフランスの二つの町で二つの事件が起きた。7月17日はグルノーブルの近郊都市ビルヌーヴで、カジノを襲った数人の若い強盗団が警官隊とぶつかり、27歳の強盗の1人が撃ち殺された。逃走した仲間のグループは翌日夜、仕返しに市内に停められていた車60台に火をかけて燃やし、警察と保安機動隊をめがけて拳銃で発砲した。これら若者グループを制圧すべく、機動隊は150人を投入。追撃は明け方5時まで続き、若者5、6人が検挙された。過去、研究文化の都市といわれてきたグルノーブルであるが、近年その周辺都市が犯罪の巣窟化した現状がこの事件でクローズアップされることになった。 もうひとつの事件は、 ロワール・エ・シェール県(県庁所在地はブロワ)のサン・テニャン市で起きた。7月18日、保安機動隊のバリケードを破ろうとした22歳の若者がその場で機動隊員に射殺された。やはり翌日、殺された若者の仲間が仕返しに車5台に火をつけ、公共の建物の入り口を壊したり並木を切り倒したりするなどの暴動に近い行動に出た。事件後事情徴集を受けた殺された若者の兄は、「機動隊のバリケードを破ろうとなどしなかった。私たちはそばを通りかかっただけなのに、発砲されて弟が犠牲になった」と、機動隊の届出とはまったく食い違う陳述をした。この兄弟はいわゆる「旅行を専門とする人々」と呼ばれる放浪者たちで、強盗をしたわけでもなくまた銃器などもまったく所持していなかった。この事件で、ヨーロッパをキャンピングカーで渡り歩く「旅行を専門とする人々」のあり方が問われ始めることになった。…
アクチュアリティ
グランド・バカンス - 7月最後の週末は、大勢のフランス人が夏季休暇の大移動をするため、一年のうちもっとも交通機関が混雑する。一年に一ヶ月間の有給休暇制(義務制度)が発足してから今日まで、恒例となった夏季休暇の大移動がもたらす混雑は、きょう30日金曜の夜からはじまり、ちなみに、首都圏近辺は300kmの渋滞。車で出かける人は5百万人、飛行機は90万人、列車は160万人という数字が出ている。夏季休暇中のとくに8月は、大企業を除いて全国であちこちかなりの業務が停滞する。夏季休業をしない企業は、6月末から9月にかけて交代制で社員に休みを取らせ、常時業務を遂行するよう配慮している。一時期、休みを取る人間の交代制が進んで、一ヶ月まるまる休まず小刻みに休んで仕事をするという人が増え、8月中の支障を避ける向きがあり、これで比較的ほかの国と足並みをあわせられるようになったかと思いきや、最近は、「仕事の相手が休暇中なので、8月は仕事にならないからうちも休む」というところが増えはじめ、昔に戻る気配だ。多くの中小企業は、きょうから8月30日まで丸一ヶ月の休業となる。今週末は、7月すでにバカンスに出て帰ってくる人とこれからバカンスに出る人とで、道路は上り下りともにそうとうの渋滞が予想され、朝10時から夕方3時のあいだの車の走行を回避するよう呼びかけている。ちなみにグランド・バカンスのあいだ旅行に出るフランス人は、2人に1人という割合。
フランス、現代文化政策の終焉か?
新文化省にみる現代文化政策崩壊のきざし - ニコラ・サルコジが大統領に就任した年(2007)の12月に発案されていた文化省の再構成が、2010年1月13日、実施の運びとなった。それまで10の各文化・芸術分野の専門の管理局があったが、4つにまとめられて「見通しの良い管理構成を持つ目的で」あたらしい文化省が発効した。(政府の文化エキスパートの放逐と文化行政部の縮小とみられる。) 新たな文化省の構成は以下のとおり。 ・Le secrétariat général(事務総局)、 ・La direction générale des patrimoines(文化遺産局)、 ・La direction générale de la création artistique(芸術創造局)、 ・La direction générale des médias et des industries culturelles(メデイア・文化産業局)、 省間庁: Délégation générale à la langue française et aux langues de France(フランス語とフランスの言語総合庁) 地域の文化省: ・Directions régionales des affaires culturelles(DRAC 地域文化振興局) ・Services départementaux de l’architecture et du patrimoine(建築文化遺産に関する県内サービス) ・Les établissements...
アクチュアリティ
酷暑警報発令 - フランスはきょう、全国的に猛暑に見舞われ、アキテーヌ、ピレネ、イル・ド・フランス、ローヌ・アルプ、およびアルザス地方を中心に、合計9県で酷暑警報が発令された。パリは日陰で35度、リヨン36度、日向で40度を記録。ボルドーでは朝方すでに30度、昼間はやはり40度で最高を記録した。南仏をキャンピングカーで移動するツーリストの車の中の寒暖計が48度を指すほど、道路は異常に温度が上がっている。 アキテーヌ地方は今夜、集中豪雨に見舞われるもよう。夜も23度あり、酷暑度「2」という判断が下された。メテオ・フランスの予報では、今週日曜まで温度が上昇し続ける。熱中症や脱水症を避けるため、一日2リットルの水を飲むようにテレビで呼びかけている。 My opinion - 二ヶ月前の5月は10度以下で山地では降雪のあった寒い初夏から、6月末から好天が続いて35度以上の厳しい暑さがフランス全体を襲っている。数年前まで、夏でもその日のうちに急に温度が下がるので、用心のために暑くてもフランス人は必ず長袖のセーターや上着を抱えて外出したものだが、昨今は暑さが建物や空気に浸透して夜でも暑く、したがって上着を小脇に抱えている人などほとんど見かけることはなくなってしまった。センスをばたばたさせる人も見かけるようになり、激しい気温の上昇は、フランス人の生活様式を変化させつつあるようだ。それにしても冬向けに密封されて作られた郊外線地下鉄の電車内の蒸し暑さはかなわない。TGVは空調が完備しているが、地下鉄はまだまだ冷房車の出現まで時間がかかりそうだ。
Day 79、メキシコ湾原油汚染
広がる汚染へのりアクション、対策は?MSNBC us news playlist: http://www.msnbc.msn.com/id/21134540/vp/38137327#38115125
アクチュアリティ
サルコジ大統領、支持率21% - きのうのフランス2テレビ発表の国民アンケートによると、就任3年目で、サルコジ大統領の支持率が大幅に落ち込み、21%の最低を記録した。「信頼できない」という国民は71%にものぼる。2007年の大統領選出のとき65%だった支持率は一年後に半減。3年後の今日は、はっきりした不満の声が大勢を占めている。これにたいしEUの政治批評家たちは、大きな負債を抱えたEUのリーダーシップを執るべき主要国の大統領が国民の信頼を欠いていることに大きな不安を感じる、と口をそろえて表明した。 猛暑 - フランス全体を高気圧が覆い、気温が上昇中。きのうは全国いっせいに30度を越した。きょうは、パリで33度、ストラスブール34度、ボルドー37度。今週末はさらに上昇するもよう。フランスの2003年の酷暑で15000人が死亡(きのうのフランス2テレビが数字を引用した)していらい、フランスは酷暑レベルを設定し、危険度が上がると各病院や養老院施設などで特に暑さに弱い病人やお年寄りに特別対策をとるよう指示をくだすことにしている。早速、健康省のロズィーヌ・バシュロ大臣が酷暑対策に乗り出す姿勢をみせている。 My opinion - 2003年の夏と2010年の夏を比べると、フランスは社会のようすががすっかり変化した。かんかん照りでも石の建物の中に入れば涼しく過ごせたフランスは、2003年以前はクーラーや扇風機はおろか、扇子ですら「存在しなかった」。「存在しなかった」とここでかぎ括弧をしたのは、フランスのマーケットのことを指したいがためである。日本から来た日本人が「西日がひどいので扇風機を買いたいのですが、どこで売ってますか?」と訊きに来たことがあったが、残念ながら「どこにも売ってませんが、注意していれば見つかることがあるかも・・・」とこたえたことがあった。20世紀までのフランスでは夏に対してこれだけ鷹揚でいられたのだ。突然の猛暑が訪れた2003年は、40度を越すアパートの中で、空調をすることも知らない人たちがたくさん死んでいった。信じられないことだがこうして亡くなった人の数15000人。気温の上昇のみならず、必要の無かったものが突然必要になったときの社会と人間の習慣のずれが桁違いだったことが、この思いもよらない惨事のもうひとつの大きな要因であったと私は考えている。さすがにこの経験で、翌年からフランスのマーケットへ扇風機が導入され、現在ではクーラーもあちこちで買えるようになったから、いまや2003年のような驚くべき数字とは縁が切れたはずであるが、はたして地球の温暖化はこれからどのような災害をもたらすのやら。予測のつけようもない。(S.H.)
フランスの小都市からロンドンへ職探し
6月8日付けのTF1テレビニュース、報道タイトル - 「ロンドンは若い失業者のエルドラド?」 欧州連合から援助を受けている協会の助けで、フランスの地方の移民が集中する町で失業している若者たちをロンドンへ送るというプランが実行され始めた。移民の若者がフランスで職を得るチャンスは少ない。こうした若者に未来を提供しようと、協会が3ヶ月の英語教室を開いて特訓し、また同じ町からアメリカへ行って自分の道を切り拓き、博士課程を取ってワシントン大学で仕事をしている黒人講師を招聘して質疑応答をするという機会を作り始めた。 「ほかの国なら希望がある?」「チャンスが多い?」こうして短期間の特訓を終えた20人の若者たちは、ロンドンへ移動し、早速職探し。ロンドンではCVを持ち歩く必要もないし、職をオファーしているところへ行って話し合い、一日で雇用されるものも出てきた。「フランスのように週35時間労働の基準など無く、ロンドンでは40時間以上働くけどちゃんと時間に見合った給金がもらえる」とニコニコ顔だ。 My opinion: フランスとイギリスの雇用の仕方の違いは大きく、むかしからよく比較されてきた。特に外国人移民の雇用については、このルポルタージュが示すように近年頻繁に問題として取り上げられながら、フランスの雇用段階で起きる差別は根強い。履歴書に書かれた名前がフランス系ではないというだけで、雇用対象からはずされることが頻繁に起きる。そのため、国が、名前を隠して履歴内容だけで審査するよう指示をするなどの法案をだしたほどで、フランス国籍を持っているものですら移民にとってはまだまだ社会の壁は厚い。このルポルタージュに出てくる若者にとって、仕事を見つける際にCVや名前の出自などは不必要、たった一回の面接で雇用が決まる、などということはほんとうに正真正銘の夢だったにちがいない。「ロンドンはエルドラド(黄金郷)?」それでは、「フランスはいったい何?」。 欧州連合で国境が取り去られて、移民もほかの国へ移動がしやすくなった。国は、移民対策に汲々としまたフランスの悪習慣修正に四苦八苦しなくても、本人たちの意思でまた満足のいく形で移民に国外へ出ていってもらうことができるようになったわけだ。こうした外国への職探しなどというお助けシステムができたおかげで、かえって差別問題の解消へ向かってこの国がしてきた努力にブレーキがかかってしまうのではないかと懸念するのは私だけだろうか。 ロンドンで就職口が簡単に見つかって笑顔を見せるその影にかくれた大きなフランスの差別問題。この20人の中に一人でもフランス系のフランス人が混じっていれば、私も「失業対策」として聞き流したかもしれないが、20人ともトゥルコワン市の公団住宅に住む北アフリカからの移民の若者たちで、彼らの中にフランス社会に対する大きな障壁や引け目があるのをインタビューからも感じとれたことで、「フランスはいったい何か?」という話になった。「ロンドンは若い失業者のエルドラド?」。はたして、フランスが「エルドラド」になる日は来るのだろうか。(S.H.)
Day48、原油汚染
アメリカのメキシコ湾の原油汚染が320kmに渡ってひろがっているとフランスのきょうのニュースが伝えた。アメリカのNBCニュースには、分厚い原油の波の中でもがいているペリカンが幾度もまた何羽も映し出されていたが、悲惨な汚染のニュースの中で目を引いたのは、海岸周辺の住民のプロテストだった。さながら無名戦士の墓地のように、今作ったばかりといったかんじの白い十字架が何本も空き地にならび、その上に黒々とペンキで書かれているのは死んだ人の名前ではなくて、「Fishing」、「Pelicans」、「The Beach」・・・。端的にまた簡潔に、海辺の生活と自然が死ぬ悲嘆を表現していて、なんとも胸が締め付けられるサイトスペシフィック・インスタレーションだ。(S.H.)
USA原油汚染
41日間、毎日毎回、フランスのニュースが時間を割いて追いかけているニュースは、アメリカのメキシコ湾の石油汚染だ。もちろんフランスだけではなく世界中が注目している史上最大の環境汚染であるが、どういった方法で油田からの噴出が食い止められ、将来この海をどんなかたちで浄化できるのか。失われつつあるこの海の原形は、いったい取り戻せるのだろうか。ほんとうの意味で人間の最先端科学技術の真価が問われるのは、こうした自然を相手にしたときなのではないだろうか。 メキシコ湾海底油田の原油汚染ビデオ。BPのトップ・キル作戦失敗 - Video from ITN NEWS (UK) : US oil spill ‘top kill’ efforts fail 「アメリカ政府はなぜ、驚くほど無力?」と、きのうのニュースはなぞを伝えようとしたが、ワシントンのフランス駐在員の説明では、どうも石油会社BP に事後処理責任をすべてとらせようとしたことが現状のおおもとらしい。BPは実際、何度も食い止めようとした方策が失敗した。「元から危険とわかっている海底油田開発にかんし、BPは何も事故対策を持たないアプランティ・ソルシエ(魔法使いの見習い)だった」とはフランス2・テレビの発言である。アプランティ・ソルシエとはフランス人がよく使う比喩で、自分の魔法がかってに一人歩きして止められなくなる、自分の能力以上のことをして災害を招くことをいう。 1989年3月、エクソン・ヴァルデーズの180000トンの原油を積んだタンカーが事故を起こし、原油がアラスカの海を汚染した。この事故の際も動物とその環境が大きな被害を受けた。アシカの群れが油の海に取り巻かれてないているのをテレビのチョッパーが映し出し、それだけで胸が痛んだが、「それだけで」とここでいうのは、アメリカのエコロジストが10年後、取材でアラスカを訪れ、海岸の石を拾い上げてみると、その下はまだ真っ黒な石油が層をなしていて現実の汚染のありさまをまざまざと見せつけていたからだ。 BPのメキシコ湾事故では、トップ・キルの失敗で原油の噴出量が増え、一日2百万から5百万リットルという原油(フランステレビ発表)が流出している。BPがほかのストラクチャーをつくりそこから原油をくみ上げるとしているが、くみ上げステーションができるのは8月だという。またすぐにでも応急手当はするという話しだが、今までの失敗からするとバンドエイド程度のものだろう。ステーションができる8月まで、いったいどれだけの原油がどこまで汚染するのだろうか。 ABC NEWS 5月31日付 「1億700万ガロン流出」(English version)
アクチュアリティ
登校拒否に実刑 - 学校を休んで授業に穴をあける生徒が多く、各地で問題化している。5月25日、サルコジ大統領が中学校を訪問。「4週間以上、届けを出さずに無断で学校を休んだ場合、家族手当て支給を停止する」と発表した。学校をサボる子供の監督不行き届きとして、当事者の家庭が実質的な制裁を受けることになる。すでに今月、何度も学校から勧告を受けたにもかかわらず子供が学校に出てこない家庭の母親が、なんと、一ヶ月の禁固刑を言いわたされるという事例がでている。 ジャック・ポット - ピレネ地方の平凡な家庭の夫婦が、結婚13年目の記念に生まれて初めて行ったカジノで、551万ユーロを当てた。スロットマシンに50サンチーム玉(約60円)を3枚入れてハンドルを引いたところ、館内はサイレンが鳴り出し、スロット・マシンは回りっぱなしで、夫婦は「マシンが壊れたのかと思いました」とか。1ユーロ50サンチームで夢の百万長者に。 女性の喫煙 - 若い女性の喫煙者が増え、それにしたがい女性の肺がん発生率が数年前の4倍に増加していることがわかった。
アクチュアリティ、名画盗難
名画盗難 - 5月20日明け方3時過ぎ、パリ市立近代美術館に泥棒が押し入り、名画5点が盗まれた。ケ・ド・ニュー・ヨーク側から窓を破って中に入り、ピカソ、マチス、レジェ、モジリアニ、ブラックの5点を盗み出し、カッターで絵の部分を額から切り取って逃走した。大きい美術館に夜警は3人だけ、しかも警報が3月から壊れたままで、誰も盗難には気がつかなかったという。合計被害額は1億ユーロ。インターポールが絵画の画像を世界に流して、手配中。大金持ちのコレクターによる強盗か、あるいは身代金を取るための盗みと推測されている。盗まれた5点に保険はかけられていなかった。 この事件で美術館の警備の薄さが問題視されている。美術館の警備費用は年間千五百万ユーロ。これ以上の費用捻出は困難とか。こうした盗難で毎年、30枚近くの絵画がフランスの美術館から紛失し続けているという。 木曜に盗まれた絵画の内訳-Les 5 œuvres volées ce jeudi:”Le pigeon aux petits pois” de Pablo Picasso, “La Pastorale” d’Henri Matisse, “L’Olivier près de l’Estaque” de Georges Braque, “Nature morte au chandelier” de Fernand Léger et “La Femme à l’éventail” d’Amadéo Modigliani
アクチュアリティ
USBドライバー - エロー県セト市で、中学校一年生(フランス流には6学年目)を対象に、教科書の代わりにUSBドライバーを持って通学する試みが始まった。日によっては8キロから10キロの重さの教科書を入れたかばんを持って毎日通学しなくてはならない生徒の肉体的な負担を軽減する目的も含めて、コンピュータを利用できる日は、分厚い教科書の代わりにUSBドライバーを持参。国語(フランス語)、英語、数学などはこの方法で十分だし、授業もコンピュータ指導でまったく問題ないと先生方も奨励。早速、小学校6年生から実行してほしいという要望が出ている。 沿岸漁業 - 農業と同様、沿岸漁業の衰退が問題化している。後継者がおらずまた後継者養成もできず、魚も獲れなくなり、離職が急増。海岸線は漁業が消滅して観光業に入れ替わる日も間近といわれはじめている。 ブルカ - 司法的な根拠がまったくないとして国務院が反対する「公共の場で顔を隠すことを禁止する法案」が通過する見込み。このニュースで一気に、イスラム系のブティックではブルカやニカブが飛ぶように売れて、売り切れ。ブルカ禁止法に対するレジスタンスかと見られている。ブルカやニカブを日々着用する女性たちは、家に閉じこもるか着用を止めるか選択を迫られているとおもいきや、実際は、そのほとんどが罰則を受けても「このまま着続ける」と主張しているらしい。 これに対し当局側は、民主主義とはみんなが顔を出して歩ける社会のことだということを女性たちに教育する必要がある、と 表明した。 すでにブルカ禁止法案を持ち出した当初、野党議員から、「サルコジ大統領は、ほかにいくらも大事な問題があるときに限って、ポンと関係のない問題を投げかけては、論争を引き起こして問題をごちゃごちゃにする。あれは性格ですかね」と手厳しい非難を受けている。実際ほかにも「ごちゃごちゃ」と問題を提起して、むやみに国会で論争を戦わせ時間を浪費している。たとえば、大統領就任早々、「ナショナル・アイデンティティ – Identité nationale」なる問題を持ち出した。これは、今までフランス人と認められていたフランス人に対して、身分証明やパスポートの更新の際に、あらためて「フランス人であることを証明」するよう要求するもので、更新手続きが複雑になり、やたら多くのフランス人が迷惑をこうむっている。この問題に関しては、また新しいページで追求しなければならないだろう。
アクチュアリティ、FACEBOOK
- アペロ・ジェアン。ナントの大集会で飲酒による事故死が発生し、取締りが厳しくなった。フランスのあちこちでFACEBOOKのよびかけによるパーティが予定されていたが、集会禁止の町が続出。また集会を禁止しなくても、アルコールの販売を禁止するなどで、先週末予定されていたアペロ・ジェアンは10分の一の規模の集まりとなり、待ち構えていた警官隊とほぼ同人数という寂しい結果。こうした集会への取り締まり条例の発令がうんぬんされていたが、すでにこれでアペリティフ・パーティも終焉か、といわれ始めている。 - 5月16日、フランス人学生クロチルド・レイスがイランから帰還した。スパイ容疑で10ヶ月イランに足止めされていたもの。