フランスから―環境とアートのブログ

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アクチュアリティ

経済、さらにユーロ圏揺らぐ - きのう、世界市場でユーロ圏の危機が再び露になった。ギリシャ、ポルトガルに続くイタリア経済の弱体化が、ユーロ圏崩壊へのなだれ現象に拍車をかけるのではないかと懸念されている。イタリアはヨーロッパ経済では第3番目に位置した国であるが、経済相の収賄問題や、ペルロスコーニ首相の収賄問題等が国の経済低迷を招き、18兆ユーロという巨額の負債を背負い込んだ。負債額は国民総生産(GDP)の122%に相当する。すでに巨大な負債を抱え込むギリシャ、追随するポルトガル、スペインに加えてイタリアの経済危機はユーロ圏への影響が大。ちなみにEUは、ギリシャ救済にまだなんら解決策を得ていない。 フランス、風力原動機600基の建設へ - エオリエンヌ・オフショアーと呼ばれる海上での風力原動機建設実施が確定した。ノルマンディーの、サン・ナゼール、サン・ブリユー、フェカン、ル・トレポール沖合いに、重さ815トン高さ90mの風力原動機600基が、2016年をめどに環境省などの後押しで建設される運びとなった。フランスは2020年までに、エネルギー生産の23%をクリーン・エネルギーに転換する方針で、風力原動機の建設はその一環となる。建設費用100億ユーロ、225万世帯をカバーする見込み。海風が一定であるというメリット以外は、オフショアーで建設費用もメンテナンスも通常より費用がかさむ。採算が合うかどうかは稼動してから、という。 2012年、大統領選へ - きょうの国民調査で、フランス国民の61%がドミニク・ストロス=カンの立候補を好まない、という結果が出た。DSKが立候補するとすれば社会党からだが、社会党の立候補者二人、フランソワ・オーランド、マルチーヌ・オーブリィの人気は拮抗しており、いずれが立候補しても現大統領のニコラ・サルコジに7ポイント差で勝つ、という数値が出ている。ちなみに3番目は、フロン・ナショナル(極右政党)のマリーヌ・ルペン。サルコジとの差は5ポイントしかない。 (フランス2TV)

アクチュアリティ

グランド・バカンスに突入 - 先週末からバカンスシーズンに入り、民族大移動が始まった。すでにパリは若干人口が減ったかんじ。 泥棒に注意 - 2010年に起こった空き巣狙いの総数、なんと18万件。3分に一件の割合で盗難が起きている計算である。特にバカンスで人がいなくなった家やアパートを狙って押し入り、一切合財を盗む手口が多い。バカンスで数週間留守にする場合は、常夜灯を室内につけておくか、ラジオをつけっぱなしにしておくなどの予防対策が必要だ。また、強盗に関しては、宝石強盗が激増した。金の値段がここ2年で50%跳ね上がった事が大きく影響しているもよう。 DSK、自由 - 被害者が虚偽の証言をしていたことが発覚して証言の信憑性が揺らいだことで、ドミニク・ストロス=カンが自由になったため、フランスの大統領選出馬への期待が大きくなっている。(フランス2TV )

アクチュアリティ、DSK

元国際通貨基金代表ドミニク・ストロス=カン自宅監禁解除 - 2011年7月1日、17時30分、ニューヨーク裁判所がドミニク・ストロス=カンの自宅監禁を解除した。理由は、検事側の控訴の基盤となっていた被害者の証言に大きな疑いが生じたため。被害者は、ドミニク・ストロス=カンに襲われたあと一時間ほど物置に隠れていたと証言していたが、実際はドミニク・ストロス=カンの部屋を出た後、隣室を掃除していたことや、ドミニク・ストロス=カンの逮捕直後に、この事件で大枚の金を引き出すことができるなどと友人に電話で話していたことなどが判明したことから、被害者が裁判所に対して虚偽の証言をしたとして、検事側が弁護側の申し立てを受け入れたことによる。これによってドミニク・ストロス=カンは自由の身となったが、被害者の証言が揺らいだにしても、物的証拠の存在などから裁判所は罪状の追求を継続する旨を明らかにした。 パスポートを没収されてニューヨークから出られないが、「ドミニク・ストロス=カン、自由に」の知らせは世界中を駆け巡った。殊にフランスでは、2012年の大統領選挙に向けて、社会党の立候補者を決める次期が目前に迫っており、この事件で汚泥にまみれたにもかかわらず支持率の高いドミニク・ストロス=カンが自由の身になったことで、立候補者選出はこれから一転二転することが予想される。(フランス2TV)

アクチュアリティ、バクテリアの謎

ヨーロッパに広まるバクテリアの脅威 - 生野菜が感染源といわれてきた食中毒の原因となるバクテリアの正体がほぼ判明したという。菌は二つの株のハイブリッドで抗生物質が効かず、潜伏期間は10日あまり。感染すると激しい症状を伴う。ドイツのハンブルグから始まり、スエーデン、フランス、イギリスで発病者が出ているが、いずれもドイツへ行った人ばかり。現在発病者はドイツを中心に2000人。ドイツ、ハンブルグで18人の死者。スエーデンで一人死亡となっている。最初はスペイン産のキュウリが感染源といわれていたが、キュウリを食べていない人に多数の発病者が出たため、トマトやサラダ菜などへ波及してフランス、ドイツなどの研究所が検査していた。しかし、感染源は生野菜といわれてきたにもかかわらず、本当に野菜が原因なのかまったく確証が得られておらず、どこで発生したバクテリアのか、またどれだけ波及していくのかなども何もわかってはいない。各国市場では、スペイン産の野菜が嫌がられ、フランスだけで80%の売り上げ減となった。スペイン産の野菜は95%が販売不可能となり、多大な損失を出している。一人の感染者も出していない上に、感染源の濡れ衣を着せられたスペイン政府は、ドイツへ損害賠償を請求。ドイツはこれに対し、「スペイン産の野菜が原因だなどとは言っていない。市場から感染源と思われる野菜を回収するよう指示しただけだ」と答えた。野菜の容疑が晴れてもすでに遅し。フランス国内でも、「スペイン産は絶対買いません」という消費者が激増している。 ロシアは即座にヨーロッパからの野菜の輸入を全面禁止。モスクワの人たちは、「ヨーロッパは自分で作った野菜で自家中毒をしていればいいのよ」となかなか冷たい。EUはロシアに向け、直ちに輸入禁止を解くよう勧告した。 フランス2TVの食品専門家は、「野菜が原因なのだけが判明しているが、よく手を洗って、野菜も皮を剝いたり火を通したものを食べるように。また女性が感染しやすい。3歳以下の子供に肉を食べさせるときはよく火を通して・・・」。 (フランス2TV、昼のニュース、BFMTV) My opinion: TVの食品専門家が、「野菜が原因」と言ったあとで、「肉にはよく火を通して」と言うのが、よく分からない。むかし、牛肉の処理を誤って腸を裂き、腸内のバクテリアが肉に混入して重い感染症を引き起こして問題になったことがあったが、今回のバクテリアは肉から来るものとはまた別物という。そうした説明の口の先から、また野菜と肉をごちゃまぜにするところをみると、原因がまだ不明なだけに、この人自身にも疑いが拭いきれないのだろう。とまれ、こうした放送でヨーロッパがどれだけ混乱しているかがよくわかる。(S.H.)

アクチュアリティ・日本

フランスTF1・TVニュースが、福島原発格納容器と水の関係を3Dで作成、4月4日に放映。 Fukushima et le risque de catastrophe nucléaire : la maquette en 3D 福島原発の3D映像

アクチュアリティ・日本

福島原発事故、フランス2TV、フランスBFMTV、iTele、TF1TVの総合要約 - 3月23日、福島原発の放射能を含んだ大気がフランスへ回ってくるため、フランス国民がだいぶ神経を立てていたが、今のところまったく放射能は検出されておらず、一安心。大量の大気に薄められて、放射能の塵は効力を失ったものとみられる。きょう採取した雑草などの精密検査の結果は、三日後に発表される。今後も、地域の科学者やフランス放射能安全対策インスティテュートIRSNが全国100箇所以上で大気や雑草などを採取し放射能検査を続けていくことになっている。 福島原発の事故はチェルノブイリ惨事とはまったく異なる。チェルノブイリの場合、核燃料自体が爆発して核の粉塵が高い大気中にばら撒かれて、ヨーロッパ大陸を覆うという惨事を招いた。福島原発の場合、メルトダウンをしているものの核燃料の爆発にはいたっておらず、破壊された炉心から原発の外に放出される放射能は低空にとどまり、むしろ原発の周辺地域を中心に汚染しているものと見られる。 先週金曜からの努力が実り、電気回路が復活して核を制御する希望が持てる段階に入ったものの、第3号機からの灰色の煙は上がり続け、それに伴い高い放射能が外部に拡散しているもよう。原発で仕事をしていた職員は放射能を避けて退避した。まだ油断はならない。 東京では放射能による水道汚染を確認。乳幼児の許容限界を超えたという。東京都は瓶詰めの水を配給。そのほか、福島産の生鮮食品、特にカリフラワー、ほうれん草などの野菜11種が汚染されていると見られている。 フランスへの影響: プジョー・シトロエンの自動車産業に大幅な影響。日立が日本で生産していた車の部品供給がストップし、プジョーの車、207、308、またシトロエンのC3が生産休止。全体で25%の減産となった。また、昨年からバクテリアの増大で大きな被害を出しているフランスの牡蠣の養殖業を救うため、バクテリアに強い仙台産の養殖牡蠣を導入しようとしていた矢先の東北大震災と津波で、フランス養殖業が希望を失った。海のバクテリアの突然の増加で、太平洋側のフランスの養殖牡蠣が60から70%死滅するという大被害がでていたため、昨年仙台へ出向して買い付けを決めていたもの。牡蠣産業はほかの活路を見つけなければならない。一方、日本の食料品の放射能汚染にともない、日本から輸入される食品で特に生鮮食品は厳重に放射能の値を検査することになった。 IRSNの科学者はきょう「これからも日本から放射能の塵を含んだ大気が回ってくるが、現在のような放射能の放出の仕方だとフランスへはほとんど実害はない」と発表した。 ヨーロッパへの心理的かつ政治的影響: ドイツでは原発を3ヶ月停止。イタリアは原発開発への討議を12ヶ月見合わせることにした。イスラエルも同様。フランスではエコロジストが論争を活発化させるなどし、また、昨年政府が後退させていた太陽エネルギー開発に再びてこ入れをする方向へ動きはじめている。

アクチュアリティ・日本、北半球を回る放射能、福島原発

北半球を回る放射能、福島原発 - フランス2TV、昼夜のニュースから: フランス放射能安全対策インスティテュートInstitut de Radioprotection et de Sûreté Nucléaire (IRSN)が、福島原発から放出される放射能の拡散シミュレーションを3月20日に制作、ユーチューブにオンラインした。以下はそのビデオ。福島からの放射能が偏西風に乗り、薄められて北半球を覆っているのがわかる。 (注記: UN国連特別委員会も同じシミュレーションを制作。UNのビデオをフランスではTF1 TVが放映している。) 現在北アメリカのキャリフォルニアに到達し、今週水曜日には最初の放射能がフランスに到達する計算である。フランスに来るときはすでに放射能はかなり薄められて、0.01ベクレルとまったく健康には害がない量となっているので心配の必要はない。問題は福島原発が事故を制御しおおせず、放射能放出が長引く場合で、放射能を含んだ大気が濃度を増しながら地球を何回も回ることになるのが懸念される。グリンピースやエコロジストは、人体に影響がないほど薄い放射能というフランス当局の発表に対し、「’薄い’というだけで、どういった成分の放射能がどの程度の割合でヨーロッパに飛んでくるのかまったく何の説明もされていないですね。私たちは今週、大気中の放射能を分析して内容を発表するつもりです」と積極的な対応をする姿勢を示した。 一方、日本の福島原発では先週末予定されていた通り、400ボルトの電気ケーブルを6つの炉心のうち4つの炉心の冷却装置につなぐことに成功。まだ建物がしっかりしている第5と第6号機は、水蒸気の圧力増加による爆発を防ぐため、屋根に穴をあけて水蒸気を逃がすなどの対策を実行。一番破損状態がひどく、かつまた酸化ウラニウムとプルトニウムといった危険物質が貯蔵されている第3号機は、冷却のため昨夜は休ます約2000トンの水が放水され続けた。電気接続が成功し、また水蒸気が事故以来はじめてストップするという今後の見通しに明るみが見えはじめたのもつかの間、第3号機から煙があがった。今度は水蒸気のような白い煙ではなく灰色また時々黒い煙があがり、内部で火災が発生したとみられられる。発煙と同時に仕事をしていた職員は全員緊急退避。 第3号機の発煙にかんしてフランス放射能安全対策インスティテュートIRSN代表は、「私からみると、状況はあまり進歩していないと考えられます」。 My opinion: 先週週末発刊のル・フィガロ日刊紙もIRSNが作った放射能拡散シミュレーションと、UNの世界への拡散シミュレーションの図入りで放射能の行くへを説明を記載している。放射能の量はもちろん色分けでわかりやすくなっている。放射能の量が一番多いのは、毎回の爆発時だ。そうすると、この21日の黒煙も放射能を濃く含んで風に乗って運ばれているはず。現地の人間の退避はもちろんのこと、風向きや放射線探知機で、どの地方が危ないかくらい、日本の科学技術で予想を即座に立てて知らせるくらいのことはできるのではないか。(S.H.) その他のニュース: ・3月20日、フランス全国統一選挙。棄権率史上最高の56%。社会党とフロン・ナショナルが前進。 ・連合軍、リビアのカダフィーを攻撃。フランスが連合軍のイニシアチブを取る。

アクチュアリティ・日本

福島原発 - TF1 TV 3月18日昼のニュース: 津波からはじめて小康状態を保って何もない夜をすごした。原発の放水は間断なく行われおり、本日、「原発の電気は今日中には回復しない」と首相が発表。電線がずたずたに切れ、あちこちで停電しているなかで、高圧線を原発まで引いてくることに成功しているのは目覚しい進展ということができるが、問題はこれだけ破損した原発の建物の機械がはたして動いてくれるかどうかだ。来週のあたまに結果がわかるもよう。そのあいだにも放射線は原発から出続け、また放水をやめることはできない。原発職員180名が総力を挙げているという。第1、2,3,4号機すべてが危険な状態のままだ。 フランス放射能安全インスティテュートIRSNが、サテライトからみた福島原発事故から今日まで放射された放射能のシミュレーション、特にセジウム137の雲の行方をCGにしてみたところ、西からの風が幸いしてほとんどが太平洋へ飛び散り、いままでのところでは東京を通過したのは3月15日のみという結果が出ている。この3月15日の観測で、東京の人間が受けた放射線は、0.1から1ミリシベールと幸い微量。いつ止むかわからない放出で、長いあいだには飛び散る放射能があちこちに蓄積していく恐れがある。今週末まで風の方向は同じ。太平洋へ飛び散っていく放射能の雲は、どこへどれだけの量到達するかわからない。 フランス放射能安全インスティテュートIRSNが制作したの福島原発の事故から18日までの放射能放出シミュレーションビデオ: 東北地震と津波の犠牲者は6500人、行方不明10000人以上と推定されている。被災一週間目の今日は、1分間の黙祷が行われた。 フランス2TV: 原発の放水に当たっているのは、東京から派遣された消防隊員140人。プールまで20メーターのところで行わなければならない大変危険な放水作業で、隊員たちの命も危ない。 フランス・アンフォ・ラジオ: 世界保健機構WHOは、福島原発の事故レベルを4から5に引き上げた。(注記:INESレベル5は「原子炉の炉心や放射性物質障壁の重大な損傷」のある場合で、原発の外へ汚染のリスクがある。) フランスTV: フランス人は福島原発事故でパニック状態。薬局ではヨウ素剤が飛ぶように売れ、また4万円近くもするガイガーカウンターの注文が殺到しているという。日本から一万キロ離れたフランスなのだが、どうやらチェルノブイリの体験のトラウマと、世界で第二を誇る58基におよぶ原子力発電の数によるもののようだ。ちなみにフランスの薬局は「ヨウ素剤は、体質に合わない場合があり、やたらに服用しても意味がありません」とか。 My opinion: フランス放射能安全インスティチュートIRSNのエキスパートは福島原発事故をすでに「レベル6に相当する」と評価している。WHOの評価は甘いということか。ちなみにレベル6は、「原子炉や放射性物質障壁に致命的な被害」がある場合、レベル7は、「原子炉や放射性物質障壁が壊滅、再建不能」な場合、例としてチェルノブイリ事故。今日は、とうとうチェルノブイリ原発のようなコンクリート要塞で塞ぐという案が出たらしい。そうとうに厳しい状態だ。 参照: 国際原子力事象評価尺度INES: http://ja.wikipedia.org/wiki/INES

アクチュアリティ・日本

日本の危機、福島原発 - 原発の現況悪化とその危険を重視し、アメリカとイギリスは、福島原発から現在の直径30kmから直径80kmに範囲をひろげて住民を退避させるよう示唆した。不安を満面に浮かべた福島県知事佐藤雄平氏は昨日記者会見で、放射線の危険を早く回避できるよう、やはり80km圏内の住民の避難を政府に訴え、地震から一週間にもなりながらいまだに十分な援助がとどかず、避難をした人々の飲料水や食料が欠乏した状態が続いていることもふくめ、県民は見放された思いで政府の不十分な対応に苦汁を飲んでいるとつけ加えた。 最後の望みを託して、福島原発第3号機と第4号機を冷却するためにヘリコプターで水を投下する作業が行われている。第4号機は核貯蔵プールの水が減り、核が外気に触れているため、過熱がすすみ激烈な放射線が出ているもよう。水がどれだけ減っているのかはわかっていない。アメリカの専門家はほとんど水が残っていない状態を懸念。水がある限りは核の安定と鎮火の希望を持てると考えられており、外気に触れている加熱状態の核が核融合を起こさないように、必死の水の投下と地上からの放水が昼夜を分かたず行われている状況だ。 日本側は金曜日に、原発の電気を回復させて冷却装置を稼動させたい方針だ。ただし、第3、第4号機ともにかなり破損がひどいので、はたして稼動するかどうか、疑問なのではないか。 フランス政府とEDFフランス電気およびAREVA社は、日本の要請に応えて炉心の冷却剤100トン、また原発作業用の特別作業服・手袋・マスクなど一式を数万部日本へ送ることを決定した。また、東京周辺にいるフランス人3000人に甲状腺のための安定ヨウ素剤を送る。 放射能の危険を回避するために 、在日フランス人の本国送還をフランス政府が無料チャーター機で行っており、毎日運行して送還を急いでいる。現在、日本にいた9000人のフランス人のうち半数ほどが帰国したもよう。「職場の同僚を見捨てて帰ってきたことが辛いです。フランス政府が無料で飛行機を手配すると言ってきてくれたので、飛行機に乗ってしまいました」とパリ空港に到着したフランス人がもらした。 アメリカ人も同様、アメリカ政府の意向が強く続々と日本を離陸。またイギリス議会は、在日イギリス人のみならず、在韓のイギリス人もイギリスへ戻すよう討議した。 津波の災害を中心に外国のレスキュー隊が救済活動を続けているが、寒さと雪、瓦礫のなかで困難を極めている。イギリスのレスキュー隊は、放射能の危険を早めに察知するため、各人がガイガーカウンターを携帯して救助活動を続行中だ。仙台で救助活動をしていたフランスレスキュー隊100人は北上し、津波でいまだに陸の孤島となっている村へ向かうことになっている。「何百キロ平米というはてしのない瓦礫の平野に胸が詰まる」とフランスレキュー隊。 日本人も小さい子供を持つ母親は、大阪方面へ疎開している。フランスのメディア・ジャーナリストも福島から240kmしか離れていない危険な東京を逃れ、大阪へ移動した。 対応の知識について: ちなみに被爆を早めに察知し、ぬるま湯のシャワーを浴びて放射能を洗い落とす場合、体をこすったりせず、また髪などももみ洗いをせずお湯を流すだけにとどめることが肝要。きちんと洗浄すれば約80%の放射能を落とすことができるという。 また、甲状腺は特に4歳以下の子供が非常に脆弱で、はやく子供を放射線の危険から遠ざけなければならない。 (フランスTV、BBC、Skynews、フランスアンフォ・ラジオ) My opinion: フランスTVやBBCは、今回の津波の災害で避難した人たちが、雪解け水で手を「久しぶりに」洗い、また片方では「6日も髪を洗っていなくて気持ちが悪い」という若い男性を映し出していたが、少し前まで経済大国で何でもあり、また何でもできると思っていた日本が、歴史的な大災害とはいえ、一週間たった今もこれだけ対処ができずにいるかと思うと情けない気持ちになった。アメリカのブッシュ大統領が暴風雨カタリナの災害時に対処が遅れてずいぶん非難されたが、人のことは言えない。ことに、食料・水といった最低限の物資供給や、原発の危機から住民を非難させることもかなり後手になっていると思うのは私だけだろうか。必要物資の大量収集、大量運搬のための手段や人間の収集といった連携をとることに時間がかかりすぎている。こうした大災害に際して、国を挙げてあちこちに気を配って動かなければならないときに肝心の手段が即座に利用できないでいる政府をみると、もう国がイニシアチブを取れないほど小さくなりすぎてしまったのではないか、と思ったりせざるを得ない。 一番気になるのは原発周辺の住民の行方だ。1986年のチェルノブリイ事故のとき、激烈な放射能のなかで作業をしたヒーローをリキダター(粛清屋)と呼んだ。そのリキダターを指揮した人がまだ生きている。「あの事故で今一番後悔しているのは、子供たちの避難をさせず、36時間もそのまま何もしないで放っておいたことだ」と悔悟していた。被爆した子供はみな白血病やガンなどを発病している。 政府は手遅れにならないうちに早く救える人を救わなければ。(S.H.)

アクチュアリティ・日本

日本 - 2011年3月11日の東北大地震に続く津波、また福島原発事故の経過がフランス、その他のヨーロッパの国々でも毎日、ほとんどリアルタイムの情報を導入して報道されている。 日本の福島原発事故に関して、フランスTV、BBCなど、内容をかなり深刻に討議する段階となっており、世界全体が注目している様子がうかがわれる。 フランス大使館は原発の事故が始まったと同時くらいに、原発事故の悪化と放射能の危険を懸念して、在日フランス人に東京を離れ南へ移動するか、本国へ戻るよう呼びかけ、昨日から特別チャーター機を増やして、フランス人とその家族のフランスへの輸送を促進している。 フランスTVのニュース番組にPCで情報を提供する在日フランス人からは、日本の新聞テレビなどのメディアがほかの国ほど深刻に対処していないことや、原発事故に関する福島や近隣県住民への救援の手が薄いこと。また、原発事故が明らかにされて6日目になりながら、大病院には放射線計測器などの対応施設がまったく用意されていないことなどが指摘され、国の対応の緩慢さに厳しい批判が寄せられている。 フランス放射能安全対策委員会会長は、福島第2の爆発で核格納庫が密閉状態を保てなくなり、また第4の核貯蔵プールが破損して水が減ったことで加熱が始まり不安が拡大したとして、「福島原発の危険度は4から6になった」という。ちなみにチェルノブリイは7。非常事態を超えた。 イギリス BBC: LIVE New fire hits Japan nuclear plant リアルタイムで情報オンライン アメリカ NBC: Rachel Maddow show ‘Radiation fears’ 「メルトダウンはどこまで進んだ?」 フランス TF1: le 15/03/2011, JT à 20H ‘La centrale de Fukushima échappe à tout contrôle‘ 「暴走する原発」

アクチュアリティ

緊急!エジプト、ムバラク失脚 - チュニジアのベン・アリ大統領が国外亡命してチュニジアの独裁政治が終了を告げたのをきっかけに、2011年1月25日、エジプト国民がムバラク大統領の退陣を迫って立ち上がった。以来、数十万数百万といわれるエジプト人がカイロに集中して軍隊と衝突し、死者を出すなどしていたが、今夜、とうとうムバラク大統領が政治から退くことをTV放送。失脚が明らかとなった。エジプトの長年にわたる独裁政治が終焉を告げ、国民が勝利。民主主義へ向かってカイロが沸きかえっている。(フランスTV) 数字: 政府打倒に市民を駆り立てたのはフェイスブック。1月25日からこの日までの弾圧で、総計死者365人、負傷者5500人を出した。ムバラクが退いたあとの政権を誰が握るか、まだ明らかになってはいない。(2月17日、フランスTV)

アクチュアリティ

サルコジ発言に講義する司法官、裁判官のストライキ、エスカレート - ストライキは全国レベルへ。裁判所、最高裁は、緊急のケースを除き、審議は休み。前代未聞の進展。木曜は司法官の大々的なデモが予定されている。(TF1TV) 教員デモ - 9月の新学期は、6万2千人の生徒の増加にもかかわらず、1600人の教員削減が予定されており、ところによっては学校の閉鎖も余儀なくされている。今日は教員削減に反対する小学校教員の25%に当たる教員が参加する大々的なデモがフランスの各都市で行われた。

アクチュアリティ、裁判官ストライキ

前代未聞、裁判官のストライキ - 2011年1月22日、18歳のレティシア・ペレがスクーターでアルバイトから帰宅途中失踪。エンジンがかかったままのスクーターと靴が発見され、婦女暴行や暴力事件で常習犯のトニー・メイヨンが翌日重要参考人として警察に保護された。まもなくトニー・メイヨンはレティシアのスクーターと事故を起こしたことを自供。2月1日になって、ばらばらになったレティシアの遺体の一部がサン・ナゼール付近の池で発見された。警察の検証によると発見された頭部には首を絞められた跡があり、殺人の疑いが強い。トニー・メイヨンは保護観察中でありながら尊守事項を守っておらず、危険人物として不良措置を課されるべき状況であったにもかかわらず野放しにされていた。その最中に起きた事件であることが指摘され、これを受けてニコラ・サルコジ大統領が2月3日、「(保護観察中の常習犯がきちんと監督されていないのは)、司法と警察の機能破綻である。職務不履行として、処罰されなければならない」と発言。一気に世論が爆発した。「サルコジ大統領の発言は、低級な人気取り」とヨーロッパ1ニュースが批判。「この殺人事件を司法局の責任などというのはとんでもない筋違い。処罰されるいわれはない」と事件の起きたナント市の裁判所が強硬に抗議した。「司法官や裁判官のポスト削減でわれわれだけではカバーできない部分が急増している。フランス法務省の予算はドイツの半分しかないんですよ」とマルク・トレヴィディック裁判官。「サルコジ大統領は内務大臣の時代から何かあると司法を槍玉に挙げてはスケープゴートに仕立て上げてきた」。サルコジ発言に反旗を翻し、裁判官組合、弁護士組合が審議中の事件を棚上げして大々的なストライキに突入した。明日から警察の二大組合もストライキに参加する。 ちなみに被害者レティシアの家族は、「裁判所と政府の抗争の道具にはなりたくないです」。(フランスTV)

アクチュアリティ

教員削減、1万6千人 - 2011年度教育省予算が施行される新学期の9月には、国公立小中高校の1万6千人の教員削減が行われることになっている。これで過去5年間で合計6万6千人が削減される計算となる。フランスの国債赤字および欧州連合の赤字による各分野一律予算削減が教員削減の大本の原因であるが、大幅な教員削減は国公立教育にますます重圧をかけることになる。フランスは現在ヨーロッパ一出産率が高い国となり、爆発的なベビー・ブームを記録している。2011年度は幼稚園児1万4千人、中学高校生6万2千人の生徒の増加が見込まれており教育の現場を拡大する必要があるにもかかわらず、教員削減やクラスの閉鎖などといった現実に逆行する政府の政策による現状悪化は、国民の大きな怒りを買っている。「いくら予算削減といっても、教育は別ですよ。国がちゃんと保障するところは保障していかないと・・・」。教員不足によるクラスの閉鎖でクラスは合併せざるをえず、今までの倍数の生徒を受け持たなければならない教員たちは、現在も大きな問題となっている落ちこぼれがますます増加することを懸念。教員組合は、政府糾弾のデモを繰り広げる予定だ。「これからです」とは、教員組合の組合員。 コルシカ島で雪 - 昨夜、オート・コルスで大雪。地中海の南の島コルシカ島に大雪が降り、ところによっては積雪80cmを記録した。一昨夜はコートダジュールに近いエックスで積雪している。 モネ展、月曜まで夜間も開館 - パリの国立ギャラリー、グランパレでクロード・モネ展が170点の代表作を集めて行われているが、展覧会終了間際のこのウィークエンドは、特別に夜間も開館して最終日の24日月曜日まで24時間入館客を受け入れている。外気が0度前後という寒さのなか、グランパレの玄関外の行列は数時間待ち。すでに、このモネ展は85万人の入場を記録しているが、このノンストップ開館でさらに30万人の動員が見込まれている。ちなみに、月曜までのノンストップ開館時は入館無料。 Le parisien Grand palais ベルギー、ブラッセルで政府糾弾のデモ3万人 - 「ベルギーは小さい国ながら人間の懐が広かったのが誇りだったが、今は了見の狭い人間たちのおかげで小さい国がよけいに小さくなっている」、とはベルギー国会がオランダ語圏とフランス語圏の対立で停滞して今日で220日目になるベルギー国民の嘆き。しびれを切らした国民がブラッセルに集まり、国会運営をストップさせている国粋主義政党を糾弾して集会を開いた。7ヵ月半も休業して何も進まない政府に対し、インターネットで「税金返せ!」の署名運動も広がるありさま。「ヨーロッパ連合の中心になった国は今、ヨーロッパの恥になりさがった」。オランダ語圏とフランス語圏の対立は国を真っ二つにする分断への討議を余儀なくしている。(フランスTV)