前代未聞、裁判官のストライキ - 2011年1月22日、18歳のレティシア・ペレがスクーターでアルバイトから帰宅途中失踪。エンジンがかかったままのスクーターと靴が発見され、婦女暴行や暴力事件で常習犯のトニー・メイヨンが翌日重要参考人として警察に保護された。まもなくトニー・メイヨンはレティシアのスクーターと事故を起こしたことを自供。2月1日になって、ばらばらになったレティシアの遺体の一部がサン・ナゼール付近の池で発見された。警察の検証によると発見された頭部には首を絞められた跡があり、殺人の疑いが強い。トニー・メイヨンは保護観察中でありながら尊守事項を守っておらず、危険人物として不良措置を課されるべき状況であったにもかかわらず野放しにされていた。その最中に起きた事件であることが指摘され、これを受けてニコラ・サルコジ大統領が2月3日、「(保護観察中の常習犯がきちんと監督されていないのは)、司法と警察の機能破綻である。職務不履行として、処罰されなければならない」と発言。一気に世論が爆発した。「サルコジ大統領の発言は、低級な人気取り」とヨーロッパ1ニュースが批判。「この殺人事件を司法局の責任などというのはとんでもない筋違い。処罰されるいわれはない」と事件の起きたナント市の裁判所が強硬に抗議した。「司法官や裁判官のポスト削減でわれわれだけではカバーできない部分が急増している。フランス法務省の予算はドイツの半分しかないんですよ」とマルク・トレヴィディック裁判官。「サルコジ大統領は内務大臣の時代から何かあると司法を槍玉に挙げてはスケープゴートに仕立て上げてきた」。サルコジ発言に反旗を翻し、裁判官組合、弁護士組合が審議中の事件を棚上げして大々的なストライキに突入した。明日から警察の二大組合もストライキに参加する。

ちなみに被害者レティシアの家族は、「裁判所と政府の抗争の道具にはなりたくないです」。(フランスTV)