「I love Muhammad」

中央アフリカのニジェールで、預言者ムハンマドが「私はシャルリ」と書いた紙を持った風刺画を表紙にしたシャルリ・エブドの発行に激怒した暴徒が1月16日金曜日、ジンデーと翌日土曜は首都のニアミーで破壊的なデモを行い、45のキリスト教教会を焼き討ちした。警察当局によると、ホテル5軒、飲料水水源36箇所、孤児院一軒、キリスト教の学校一校が荒らされたという。また当局は、「ニアミーのアンチ・シャルリ・デモの際、フランスの国旗も焼かれた」と伝えた。

16日発刊のシャルリ・エブドに抗議しデモや焼き討ちなどの抗議行動を起こした国は、トルコ、チェチェン、イラン、アフガニスタン、パキスタン、アルジェリア、モーリタニア、ニジェール、ナイジェリア、セネガル、エジプト、マリ、スーダン、イエメン、カター、ヨルダン、バーレン、パレスチナ、フィリピン。オランド大統領の写真を焼いた国もある。

ニジェールの暴動で、死者は10人、負傷者は173人にのぼり、政府は1月19日から3日間の国を挙げての服喪を宣言した。

パリで歴史的な追悼行進が行われた1月11日、ニジェールのマハマドゥ・イサフ大統領もこの行進に参加している。人口の98%はイスラム教徒というニジェールのイサフ大統領は、「われらの土地においてキリスト教徒や外国人の信仰の場を荒らしたり人殺しをしたりする者は、イスラムが何たるかまったく分かっていない者たちだ」と表明し、反対派の首長たちに向かって、「政治的目的のために宗教を利用することのないように」と呼びかけた。この暴動で90人が逮捕された。ニジェールはフランスに搾取された過去の経験もあり、今回のテロ事件が長年のフランスへの不満を爆発させる引き金となったという考察もある。

世界のイスラム(ムスリム)教徒は、16億6000万人、つまり世界人口の22.9%に上る。アラブ諸国以外のイスラム教徒の拡大は、移民や改宗によるもので、今日イスラム教は一番増大率の大きい宗教とみなされている。

写真下:シャルリ・エブドの1月16日号紙への反抗行動を起こした国を塗り出したヨーロッパ・アジア・アフリカ地図 。紫色の国で、シャルリ・エブドのムハンマド風刺への反対デモ、焼き討ち、抵抗運動などが起きた。

アンチ・シャルリの国々

http://www.afp.com/

チェチェンのデモ

オランド大統領は「フランスはシャルリ・エブドや表現の自由を支持することでイスラム世界を攻撃したりしてはいません。私たちは誰も侮辱してはいないのです」と、テロの一週間後に発刊されたムハンマドの風刺画へ抵抗運動がおきたイスラム諸国へ向かって釈明した。暴動が起きた国などでは、反抗勢力の暴力が及ぶ恐れがあるため、フランス外務省はフランス人の外退出を呼びかけている。
1月19日に行われたチェチェンのデモは80万人を越えた。預言者ムハンマドへの愛を表明し、シャルリ・エブドの風刺画家たちを罰する呼びかけを行うデモの中央で、チェチェンの大統領ランザン・カディロフは、ジャーナリストとヨーロッパの人々を糾弾。デモの人の波の中で涙を流した。

チェチェン

また、パキスタンでは、1月13日、すでにシャルリ・エブド発行前にイスラム教急進派がパリでテロ事件を起こしたクアシ兄弟を「われらが兄弟」と賛美する横断幕を持って練り歩く姿があった。
映像下:ニジェールの暴動の様子

(Francetvinfoから)

 

(S.H.)