フランスから―環境とアートのブログ

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ドキュメンタリー:原子力、神話の終焉

ドキュメンタリー:原子力、神話の終焉

 13チャンネル、ピュブリック・セナ、原子力政策の終わりを明らかに 原子力ドキュメンタリー『原子力、神話の終焉– Nucléaire, la fin d´un mythe』が、9月22日と29日に政治専門のテレビ局ピュブリック・セナで全国放送された。やがてフランスでは、寿命40年を迎える原子炉が34基に上る。原発が延命されるにせよ廃炉にされるにせよ、これからかかる膨大な費用と崩壊していく「安全」を前に、国やフランス電気会社EDFの足踏みがいかに危険を助長するか、54分のドキュメンタリーが浮き彫りにする。

フランス2TV特番「原子力、すべてを変える災害」

France 2 TV企画 COMPLEMENT D’ENQUETE ” Nucléaire – la catastrophe qui change tout” (ビデオ)、フランス2TV番組、《コンプレマン・ダンケート、「原子力、すべてを変える災害」》、長さ1時間55分、2011年4月18日放送。ビデオ掲載(下) 注記: フランス2テレビ企画、《コンプレマン・ダンケート(「調査の補完」の意)》は、社会問題、政治問題、事件などの深奥を調査し公表することを目的に制作されているフランスのテレビ・ルポルタージュで、敏腕ジャーナリストとして知られるBenoit Duquesne(ブノワ・デュケンヌ)が現場の責任者のインタビューや取材映像をまとめ、問題の中心に迫る司会をする。90分番組。カナダのケベック(フランス語圏)でも再放送される。特番「原子力、すべてを変える災害」は1時間55分といつもより長く、フランス国民の関心の高さを繁栄。ちなみに、原発問題に関するこの番組は、現在フランス2TV のビデオの再生回数でトップにランクされている。…

食い違い・・・

先月3月25日から26日ころ、福島原発事故にかんし、日本がフランスへ技術救済を求めてきたことをだいぶラジオやTVが報道している。「とうとう日本が、フランスの原子力技術で助けてほしいといってきた」とフランス・アンフォ・ラジオは一日中繰り返し、日本の窮状にフランスが関与するかどうかEDFが検討開始した、といったことを報道し続けた。協力をするにしてもまだ人材を送るわけには行かない、などといった話だったのが、24時間も経つと、「EDFフランス電気、AREVAアレヴァ株式会社、Commissariat de l’énergie atomique(CEA)フランス原子力庁の三箇所が協議し日本へ協力する方向へ」ということで、フランスの三つの機構が協力体制を組んで援助をすることが決定した旨、国内で大きく報道されることになった。 そうこうしているうちに、どういうわけか急にサルコジ大統領が日本へ行くという報が伝えられ、3月29日、AREVA社のディレクター、アンヌ・ロベルジョンと来日し、サルコジ大統領が日本で救済に向け演説をした。 さて、それからだ。よく分からないことに、日本の一部の報道で、日本が頼んだからというよりは、フランスが率先して技術援助を申し出て、突然サルコジ大統領が来日した、というはなしが聞こえてきたから耳を傾けないわけにはいかなくなった。これにさらに輪をかけ、フランスの大統領がわざわざ来日までして援助を申し出たのは、「原発事故の構造が知りたいのではないか(技術的好奇心?)」とか、「フランスの原子力開発にほかの国のような原発反対運動でストップがかからないための国策保護」、といったような勘繰りともつかない憶測を民放のTV局がして、提供される援助をありがたがる雰囲気でもないのに少々驚いた。前の週、フランスでは日本が援助を求めてきたのでフランスはそれに快く回答したことになっているのに、このメディアの食い違いはいったいどういうことだろう。 それより少し前、フランスが援助物資を送る段階で、核燃料の冷却水を100トン送るとTVで専門家が言ったとき、「100トンとは少なすぎませんか?」とアナウンサーが質問したが、これに対し専門家は、「この数量は、日本側からの要請に従ったものです」と答えて会話が閉じた。あれやこれや思い出しても、 事実と周辺の憶測の入り乱れは、話や行動の一番最初のきっかけとなるものが第三者にきちんと知らされていないと、自然に見方が歪曲されていってしまうことを指してやまない。 原発そのものがすでに大きな見えない部分をかかえている。情報のありようが大きく問われる震災でもある。(S.H.)