フランスの美術教育に関わった経験 -その2(日本美術家連盟、連盟ニュース2011年11月号掲載) (リンク: 連載その1) 国が違えば政治も違い、社会構造も違い、教育も生活のあり方も違う。フランスは、学年度の開始は9月、翌年の6月が学年末というシステムで、7月8月の2ヵ月の夏休みは年度切り替え時期と重なる。これは大人の社会のシステムに協調したもので、社会人は一般的に、年間11ヵ月仕事をして1ヵ月間の有給休暇があり、休みのピークとなる7月8月は、グランド・バカンスと呼ばれ多くの中小企業が1ヵ月の休みに入る。こうした社会の動きの中の年度の端境で、夏休みの宿題のない子供たちは、1年の6分の1を学校から解放されて生活をする。…